転職での嫁ブロック、どうやって回避する? 2021年10月1日 キャリコネNEWS ツイート 画像はイメージ 当社では、就職活動をする学生・転職活動をする社会人に本気で向き合い、その人にとって「本当の意味で良い会社」を選び、入社するための支援を行っています。 その結果、その人が望む会社から内定をもらうことが出来た際、すんなり内定承諾まで行くケースもあれば、親や伴侶に反対される親ブロック・嫁ブロック(旦那ブロックももちろんありますが、以下は一般的な嫁ブロックとします)によってその承諾が阻まれるケースもあります。(文:キャリアコンサルタント 坂元 俊介) ブロックする家族も本人のことを本気で考えている 少し古いですが、エン・ジャパンが2016年に嫁ブロックに関する調査を発表しています。ミドル層(35歳以上)では24%の方が、「嫁ブロック」を経験しており、ブロックされた理由で最も多かったのは「年収が下がるから」でした。 また、2020年のレバレジーズの調査では22%の学生が「親ブロック」を経験したと答えています。実に4~5人に1人が経験する親ブロック、嫁ブロックをどう乗り切ればいいのでしょうか。 まずそもそも家族の反対で一番厄介な所は、「その人の事を本気で思ってブロックしている」という点につきます。親御さんもお嫁さんも、本気で心配をし、本気でその会社でない方がいい、と思うからその会社に行くことを止めています。だからこそ、説得が難しく、理解を得ることに難航するのです。 当たり前ですが、家族も本人に「良い会社」に入ってもらいたいと考えています。それにもかかわらず、なぜ親ブロックや嫁ブロックが発生するのでしょうか? それは、親御さんやお嫁さんと、本人の考える「良い会社」が違うからです。 常識や価値観は、家族であっても個人個人によって大きく違うものです。特に親御さんとは、社会人としての経験も違いますし、時代が違うため、働く、ということに対して考え方が大きく違います。 本人にとっての「良い会社」であったとしても親御さんやお嫁さんにとって「良い会社」でなければ、親ブロックや嫁ブロックという形で大きな反対にあうのです。 家族にはしっかり説明しよう では、どうすれば自分が望む「良い会社」への就職や転職を応援して貰えるようになるのでしょうか? (1)就職活動や転職活動初期から自分の想いや考えを伝える 私が遭遇した親ブロックや嫁ブロックは、基本、内定が出てから伝えた際に発生していることがほとんどです。 どういう想いを持って、何を考え、今その会社を受けているのか?を、しっかりと自分の口で就職・転職活動の初期から家族に伝えていくと、最初は反対していたとしても、だんだんと理解を示してくれるケースも多くみられます。 上述の通り、親御さんもお嫁さんも本人の事を本気で心配しているからこそ反対しており、急に伝えられた場合、「勢いで決めている=反対!」となりがちです。時間をかけてじっくり伝え、時には話し合うことで、ちゃんと考えた上での決断であることが伝わり、納得してくれるのです。 また、内定後に企業が待ってくれる時間は短いです。家族としっかりと話し合う時間がとれないために、大きな反対にあうケースもあります。就職・転職活動初期から伝えていくことで、伝えきる時間がない、ということを回避することも出来ます。 (2)自分がその会社で働くことで幸せになるイメージを持たせる 親ブロック・嫁ブロックは価値観の相違によって起きます。つまり、家族からすると、その会社で働くことはあなたにとって「幸せではない」のです。そこで、いかに内定を貰った会社で働くことが、自身の幸せに繋がるかということを、会社の規模や収入、働き方、仕事内容などを伝え、しっかりイメージしてもらうことが大切です。 私が支援していたある就活生が、外資系の人材系企業から内定を貰い承諾しようとしていたのですが、かなり強い親ブロックにあったことがありました。親ブロックの理由は、「もっと大きな会社に行きなさい」というものでした。 実はこの外資系人材企業は、グローバルでもTOP10位以内に入る超大手の企業でした。ただ、外資系、ということもあり親御さんが名前を知らなかったために、名も知らない小さな企業だと思い、大反対していたのでした。 就活生本人から、会社の規模や成長性、日本企業でいうとどこと一緒ぐらいの規模の会社なのかを数値で伝えた所、親御さんも納得され、無事内定承諾に至りました。相手がイメージ出来ればブロックは無くなる可能性が非常に高くなります。 就職・転職活動では、企業に自分の考えや想いを、物凄く考えしっかりと伝わるように話すと思います。同じように、自分の事を心配している人たちにしっかりと自分の考えを伝えていくことで、自分が望むキャリアを歩んでいけると思います。 著者近影 【坂元 俊介】株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアコンサルタント・採用人事コンサルタント 同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化の際に、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。2020年4月、STORY CAREER事業部の拡大に、同事業部を分社化、株式会社STORY CAREERの代表取締役に就任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。
転職での嫁ブロック、どうやって回避する?
当社では、就職活動をする学生・転職活動をする社会人に本気で向き合い、その人にとって「本当の意味で良い会社」を選び、入社するための支援を行っています。
その結果、その人が望む会社から内定をもらうことが出来た際、すんなり内定承諾まで行くケースもあれば、親や伴侶に反対される親ブロック・嫁ブロック(旦那ブロックももちろんありますが、以下は一般的な嫁ブロックとします)によってその承諾が阻まれるケースもあります。(文:キャリアコンサルタント 坂元 俊介)
ブロックする家族も本人のことを本気で考えている
少し古いですが、エン・ジャパンが2016年に嫁ブロックに関する調査を発表しています。ミドル層(35歳以上)では24%の方が、「嫁ブロック」を経験しており、ブロックされた理由で最も多かったのは「年収が下がるから」でした。
また、2020年のレバレジーズの調査では22%の学生が「親ブロック」を経験したと答えています。実に4~5人に1人が経験する親ブロック、嫁ブロックをどう乗り切ればいいのでしょうか。
まずそもそも家族の反対で一番厄介な所は、「その人の事を本気で思ってブロックしている」という点につきます。親御さんもお嫁さんも、本気で心配をし、本気でその会社でない方がいい、と思うからその会社に行くことを止めています。だからこそ、説得が難しく、理解を得ることに難航するのです。
当たり前ですが、家族も本人に「良い会社」に入ってもらいたいと考えています。それにもかかわらず、なぜ親ブロックや嫁ブロックが発生するのでしょうか? それは、親御さんやお嫁さんと、本人の考える「良い会社」が違うからです。
常識や価値観は、家族であっても個人個人によって大きく違うものです。特に親御さんとは、社会人としての経験も違いますし、時代が違うため、働く、ということに対して考え方が大きく違います。
本人にとっての「良い会社」であったとしても親御さんやお嫁さんにとって「良い会社」でなければ、親ブロックや嫁ブロックという形で大きな反対にあうのです。
家族にはしっかり説明しよう
では、どうすれば自分が望む「良い会社」への就職や転職を応援して貰えるようになるのでしょうか?
(1)就職活動や転職活動初期から自分の想いや考えを伝える
私が遭遇した親ブロックや嫁ブロックは、基本、内定が出てから伝えた際に発生していることがほとんどです。
どういう想いを持って、何を考え、今その会社を受けているのか?を、しっかりと自分の口で就職・転職活動の初期から家族に伝えていくと、最初は反対していたとしても、だんだんと理解を示してくれるケースも多くみられます。
上述の通り、親御さんもお嫁さんも本人の事を本気で心配しているからこそ反対しており、急に伝えられた場合、「勢いで決めている=反対!」となりがちです。時間をかけてじっくり伝え、時には話し合うことで、ちゃんと考えた上での決断であることが伝わり、納得してくれるのです。
また、内定後に企業が待ってくれる時間は短いです。家族としっかりと話し合う時間がとれないために、大きな反対にあうケースもあります。就職・転職活動初期から伝えていくことで、伝えきる時間がない、ということを回避することも出来ます。
(2)自分がその会社で働くことで幸せになるイメージを持たせる
親ブロック・嫁ブロックは価値観の相違によって起きます。つまり、家族からすると、その会社で働くことはあなたにとって「幸せではない」のです。そこで、いかに内定を貰った会社で働くことが、自身の幸せに繋がるかということを、会社の規模や収入、働き方、仕事内容などを伝え、しっかりイメージしてもらうことが大切です。
私が支援していたある就活生が、外資系の人材系企業から内定を貰い承諾しようとしていたのですが、かなり強い親ブロックにあったことがありました。親ブロックの理由は、「もっと大きな会社に行きなさい」というものでした。
実はこの外資系人材企業は、グローバルでもTOP10位以内に入る超大手の企業でした。ただ、外資系、ということもあり親御さんが名前を知らなかったために、名も知らない小さな企業だと思い、大反対していたのでした。
就活生本人から、会社の規模や成長性、日本企業でいうとどこと一緒ぐらいの規模の会社なのかを数値で伝えた所、親御さんも納得され、無事内定承諾に至りました。相手がイメージ出来ればブロックは無くなる可能性が非常に高くなります。
就職・転職活動では、企業に自分の考えや想いを、物凄く考えしっかりと伝わるように話すと思います。同じように、自分の事を心配している人たちにしっかりと自分の考えを伝えていくことで、自分が望むキャリアを歩んでいけると思います。
【坂元 俊介】株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアコンサルタント・採用人事コンサルタント
同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化の際に、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。2020年4月、STORY CAREER事業部の拡大に、同事業部を分社化、株式会社STORY CAREERの代表取締役に就任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。