「鰻とスイカ」を食事に提供したら「食べ合わせが悪い。頭が腐ってる」と暴言→退職に追い込まれた男性の逆襲【前編】 NEW 2025年2月28日 キャリコネNEWS ツイート 画像はイメージ 因果応報など、古くからある言葉が伝えるように、悪人は自滅するのが世の理だ。自分の手を汚すまでもない。ただ放っておけばよろしい。 委託給食会社に所属していた50代男性は、高齢者施設で調理責任者として働いていたが、4年ほど前に退職に追い込まれてしまった。 その施設では月に2回ほど「イベント食」が振る舞われていた。入居者たちは楽しみにしていただろう。ところが土用の丑の日のイベントである“事件”が起きた。(文:天音琴葉) 「迷信だ」と返したらブチギレ 「気にする年寄りは沢山いるんだよ」 当時、同じ委託会社の管理栄養士が献立を作成し、調理責任者である男性を含め4人がシフト制で勤務していた。イベント食には特別予算が組まれており、1か月前の会議で献立を提示し、施設側からは施設長と介護部門の主査も同席して了承を得ていた。 土用の丑の日のイベントの献立も当然、事前に承諾を得たものだった。 「鰻が高騰していた時でしたので、前年迄の鰻丼では無く、鰻を多めに使用したチラシ寿司にして、飾り生麩のお吸い物、茶碗蒸し、奈良漬、デザート」 というメニュー構成で、昼食に振る舞われた。ところが提供して5分もしないうちに介護部門の主査が、 「鰻にスイカのデザートは食べ合わせが悪いって昔から決まってる。知らないのか?」 と怒鳴り込んできた。脂の多い鰻は消化に負担がかかる上に、スイカの水分が胃液を薄めて消化不良を起こすという説があるようだ。ただ、胃の調子がよほど悪い時でなければそこまで気にする必要はなさそうだが……。 主査の指摘に対して男性は、 「申し訳無い。私も知ってはいましたが、鰻に梅干しと同じで迷信だと和食の親方から習ったので、特に気にしませんでした」 と返した。するとその主査は烈火の如く怒り出した。 「気にする年寄りは沢山いるんだよ。そんな事も配慮出来ないなんて、貴方は頭が腐ってるの? 献立を立てた栄養士も、ピーマン頭の能無しなんじゃない! 委託会社なんて山程あるんだから、辞めていってくれたら楽なんだけど! 腐った頭で作った料理、利用者が食中毒にならなきゃ幸いだわ!」 主査は暴言を吐き終えると部屋を出ていった。 契約終了に……責任を問われ自己都合退職する羽目に 男性は、この件を施設長と会社の上司にすぐに報告した。しかしその後、施設長が入居者に聞き取りした結果、誰一人として文句を言っていなかったそうだ。 「施設長に向かって『今日の食事は最高だね~』など、口々に喜びを発していたそうでした。社の責任者にも、『あなたの会社は良いネェ~。今の栄養士さん最高だね。調理長も良い腕だし』と褒められたそうでした」 主査も施設長から入居者らの声を聞かされ、ばつが悪かったに違いないが、大人として水に流すこともできただろう。だがあろうことか蒸し返しては怒鳴りまくっていたそうで、施設長も対応しないわけにはいかなかったのか委託給食会社の変更を決断した。 「契約終了の書面が来ました。私は責任を問われ、自己退職の形で退職する事になり、他の会社に移りました」 だがこの後、思わぬ形で主査に意趣返しすることとなる。【後編】へ続く。
「鰻とスイカ」を食事に提供したら「食べ合わせが悪い。頭が腐ってる」と暴言→退職に追い込まれた男性の逆襲【前編】 NEW
因果応報など、古くからある言葉が伝えるように、悪人は自滅するのが世の理だ。自分の手を汚すまでもない。ただ放っておけばよろしい。
委託給食会社に所属していた50代男性は、高齢者施設で調理責任者として働いていたが、4年ほど前に退職に追い込まれてしまった。
その施設では月に2回ほど「イベント食」が振る舞われていた。入居者たちは楽しみにしていただろう。ところが土用の丑の日のイベントである“事件”が起きた。(文:天音琴葉)
「迷信だ」と返したらブチギレ 「気にする年寄りは沢山いるんだよ」
当時、同じ委託会社の管理栄養士が献立を作成し、調理責任者である男性を含め4人がシフト制で勤務していた。イベント食には特別予算が組まれており、1か月前の会議で献立を提示し、施設側からは施設長と介護部門の主査も同席して了承を得ていた。
土用の丑の日のイベントの献立も当然、事前に承諾を得たものだった。
「鰻が高騰していた時でしたので、前年迄の鰻丼では無く、鰻を多めに使用したチラシ寿司にして、飾り生麩のお吸い物、茶碗蒸し、奈良漬、デザート」
というメニュー構成で、昼食に振る舞われた。ところが提供して5分もしないうちに介護部門の主査が、
「鰻にスイカのデザートは食べ合わせが悪いって昔から決まってる。知らないのか?」
と怒鳴り込んできた。脂の多い鰻は消化に負担がかかる上に、スイカの水分が胃液を薄めて消化不良を起こすという説があるようだ。ただ、胃の調子がよほど悪い時でなければそこまで気にする必要はなさそうだが……。
主査の指摘に対して男性は、
「申し訳無い。私も知ってはいましたが、鰻に梅干しと同じで迷信だと和食の親方から習ったので、特に気にしませんでした」
と返した。するとその主査は烈火の如く怒り出した。
「気にする年寄りは沢山いるんだよ。そんな事も配慮出来ないなんて、貴方は頭が腐ってるの? 献立を立てた栄養士も、ピーマン頭の能無しなんじゃない! 委託会社なんて山程あるんだから、辞めていってくれたら楽なんだけど! 腐った頭で作った料理、利用者が食中毒にならなきゃ幸いだわ!」
主査は暴言を吐き終えると部屋を出ていった。
契約終了に……責任を問われ自己都合退職する羽目に
男性は、この件を施設長と会社の上司にすぐに報告した。しかしその後、施設長が入居者に聞き取りした結果、誰一人として文句を言っていなかったそうだ。
「施設長に向かって『今日の食事は最高だね~』など、口々に喜びを発していたそうでした。社の責任者にも、『あなたの会社は良いネェ~。今の栄養士さん最高だね。調理長も良い腕だし』と褒められたそうでした」
主査も施設長から入居者らの声を聞かされ、ばつが悪かったに違いないが、大人として水に流すこともできただろう。だがあろうことか蒸し返しては怒鳴りまくっていたそうで、施設長も対応しないわけにはいかなかったのか委託給食会社の変更を決断した。
「契約終了の書面が来ました。私は責任を問われ、自己退職の形で退職する事になり、他の会社に移りました」
だがこの後、思わぬ形で主査に意趣返しすることとなる。【後編】へ続く。