• 氷河期世代の受難「自分より給料貰っている新人に教えないといけない」 搾取され続ける人生に思うこと

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    近年、新卒の給与アップが度々ニュースになる。初任給から月給30万円以上という企業も出てきているが、辛酸を嘗めてきた氷河期世代としては複雑な心境のようだ。

    埼玉県の40代男性(医療・福祉・介護/年収450万円)は、大学卒業から現在に至るまで、搾取され続けていると感じている。まず職場では、

    「自分より年上にキャリアと稼ぎを、自分より年下にやる気と将来を搾取されていると痛感します」

    と語り始めた。(文:天音琴葉)

    「バブルはこうだった」過去の栄光を話す上司の下で働き……

    バブル崩壊後の1990〜2000年代は雇用環境が厳しく、主にこの時代に就職活動をしていた世代は氷河期世代と呼ばれている。男性は1979年生まれだと明かしているからドンピシャだろう。

    「氷河期世代です。我々はアホみたいなバブルを経験せず、昔ながらの詰め込み教育を受け社会に出ましたが、まず仕事をさせてもらえなかった」

    と悔しさを滲ませた。とにかく就職先が少なかった当時の就活をこう振り替える。

    「バブルでアホみたいに役立たない人員を就職させて、我々は受け入れてもらえず……」
    「仕事につけと親世代からは言われ、けど受け入れてもらえず妥協の末、採用される事が目標になった。就職活動は先の見出せない仕事だった」

    就職浪人せずに入社できたようだが、「なんとか入った会社は本当に望んだところだったのか」と今も腑に落ちない様子。しかも上司にも恵まれなかった。

    「上司はバブル世代で苦労知らず。口癖の様にあの頃(バブル)はこうだった、あぁだったと自分の成果ではない事で上げた成果を自慢され……」

    そのたびに男性は「知らねぇよ! 過去を見て話すなよ!」と心の中で毒づくしかなかった。しかも上司はパソコンに疎く、そのことでも理不尽さを感じていたようだ。

    「若いからってPC知っていると決めつけられて(中略)今の世代みたいに学校で教わる機会なく、PCも高くバイトで買える値段でなく、苦労して買って独学で学んだ知識を何で役立たないオジサンのために、評価されない会社のために使わなくてはいけないのか……自問自答しかなかった」

    「責任は多く重い」のに給料は低い

    そして40代後半に差し掛かるも、未だに搾取が続いていると感じている男性。「物価上がれど給料上がらず」と、心は蝕まれていく一方のようだ。というのも、バブル入社組の上司らは続々と退職し、新卒が高待遇で入社しているそうだ。

    「責任は多く重いのに給料は安く……けど仕事方法や技術を自分より給料貰っている新人に教えないといけない。技術や経験は私の人生です。ソレを安売りして伝えていくって、人生の搾取ではないですか?」

    と疑問を投げかけた。男性は家庭を築けなかった後悔と老後に対する不安もこぼし、恨めしそうに、こう続けた。

    「我々世代は上からも下からも人生を搾取されて生きて行かなくてはいけない。何より搾取以外の経験を受けたことがない。このまま行ったら年金を搾取され、最悪もらえず、死ぬまで仕事しろという風潮が起こり老後という言葉も搾取されかねません」

    新卒の給料より低いと確かに仕事のやる気は削がれるものだ。転職を考えてみてはどうだろうか。40代だからと諦めているのかもしれないが、50代になる前にできることから行動に移したほうがいいだろう。

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