フィリピンでの就職に「英語」はどうしても必要なのか? 2014年4月18日 意識が高くない「フィリピン生活」 ツイート こんにちは、のりじぃです。真夏のマニラからお届けしています。 マニラは、6月はじめくらいまでは乾季で雨が降らず、一番暑い時期です。さて、今日は「フィリピンでの就職に英語は必要か?」というテーマで、順を追って説明したいと思います。 特に、これからフィリピンでそれなりの収入が得られる会社に就職しようとする人は、最初に就職斡旋業者に人材登録するのが普通だと思います。その際に、たいていの就職斡旋業者には、英語の履歴書と職務履歴書を提出するように求められます。 普通のビジネスには英語かタガログ語が必要 記載する内容は、日本の履歴書への記載内容と大差はありません。現住所、学歴、職歴、保有している資格などを英語で記載します。ですので、少なくともこれらの情報を英語で書ける能力が必要となります。 ただ、ここでつまずく人がいます。英語で自分の履歴書が書けないのです。筆者の友人にもこのような日本人がおり、英語での履歴書を代わりに作ってあげたことがありました。 履歴書を登録すると、就職斡旋業者から電話がかかってきます。これももちろん英語でのやりとりとなり、具体的には、これからどのような職種の仕事をしたいか、すぐに面接に来られるかなどを聞かれるのですが、ここで再度つまずいてしまうケースもあります。 私の友人の場合は、英語がダメ、フィリピン語であるタガログ語が少しできたので、電話ではタガログ語で会話したようです。ただ、実際の面接では英語だったようで、フィリピンのローカル企業への就職を諦めざるをえませんでした。 最終的に、彼は日本人が経営する小さな会社で働いています。日系企業といってもフィリピン人を部下に持つことが多いので、英語またはタガログ語が必須になるのは当たり前で、同時にその職種のプロでなくてはなりません。 「日本語オンリー」の仕事もあるが、賃金は低い また最近では、英語ができない人がフィリピンで働く道も拓かれてはいます。日本の就職斡旋業者がフィリピンに数社進出してきており、英語がまったくダメという人には、英語をほとんど使わない、つまり日本語だけを使う職種を紹介してくれるようです。 代表的な日本語業務は、いわゆる「コールセンター」と呼ばれる職種で、仕事そのものが「日本人のお客様に対するサポート」になるため、英語をまったく必要としません。 日本で行っていたお客様サポートの人件費を削減するため、ベトナム、タイなど人件費の安い東南アジアに移管する日系企業が増えています。そのため、フィリピンにおいてもコールセンター業務という職種の求人は増えてきています。 会社の上司は当然フィリピン人ですので、上司とのコミュニケーションは英語になります。しかし、この職種においては、英語のできる日本人がおり、上司とのコミュニケーションや仕事の指示を日本語でやってくれますので、英語ができる必要はありません。 その分、給与は正直厳しいものがあります。最近、アメリカ大手の某企業の日本語サポート業務に就いた日本人がいるのですが、手取りでの日本円相当額が11万円程度でした。 物価は日本の「半分から3分の1」 給与が安い分、フィリピンの物価も日本よりずっと安いのは確かですが、いい加減な情報も流れています。ある日系企業の求人募集に「フィリピンの物価は日本の6分の1」と記載されているものを見かけましたが、この担当者はフィリピンの実際がわかってないな、と思いました。 実際にはそこまで安くなく、日本の2分の1から3分の1というのが正しいです。アメリカの比較サイトにも、日本の56%という数字が掲載されています。それでも英語ができない日本人は安いとはいえませんが、スキルを上げない限り文句は言えません。 また、11万円程度の金額ですと、マニラでは「日本人らしい生活」ができないのが現状です。きれいなレストランで日本食を食べられず、トロトロと呼ばれるフィリピンの庶民が食べる安い簡易食堂になることを覚悟せざるをえません。といっても、たまに当たることがあるにしても、慣れればそれなりに楽しめるという人もいるかもしれません。 あわせてよみたい:捨てたものではない「フィリピン就職」 【プロフィール】のりじぃマニラ在住、40代後半の独身男性。大学卒業後、大手有名電機メーカーに就職し、入社11年目にフィリピン駐在を命じられる。在籍中に計6年のフィリピン生活を経て退職し、フィリピンの現地メーカーに3年勤務。会社のマレーシア移転に伴いリストラ対象となり、現在は気ままなフリーランス生活中。
フィリピンでの就職に「英語」はどうしても必要なのか?
こんにちは、のりじぃです。真夏のマニラからお届けしています。
マニラは、6月はじめくらいまでは乾季で雨が降らず、一番暑い時期です。さて、今日は「フィリピンでの就職に英語は必要か?」というテーマで、順を追って説明したいと思います。
特に、これからフィリピンでそれなりの収入が得られる会社に就職しようとする人は、最初に就職斡旋業者に人材登録するのが普通だと思います。その際に、たいていの就職斡旋業者には、英語の履歴書と職務履歴書を提出するように求められます。
普通のビジネスには英語かタガログ語が必要
記載する内容は、日本の履歴書への記載内容と大差はありません。現住所、学歴、職歴、保有している資格などを英語で記載します。ですので、少なくともこれらの情報を英語で書ける能力が必要となります。
ただ、ここでつまずく人がいます。英語で自分の履歴書が書けないのです。筆者の友人にもこのような日本人がおり、英語での履歴書を代わりに作ってあげたことがありました。
履歴書を登録すると、就職斡旋業者から電話がかかってきます。これももちろん英語でのやりとりとなり、具体的には、これからどのような職種の仕事をしたいか、すぐに面接に来られるかなどを聞かれるのですが、ここで再度つまずいてしまうケースもあります。
私の友人の場合は、英語がダメ、フィリピン語であるタガログ語が少しできたので、電話ではタガログ語で会話したようです。ただ、実際の面接では英語だったようで、フィリピンのローカル企業への就職を諦めざるをえませんでした。
最終的に、彼は日本人が経営する小さな会社で働いています。日系企業といってもフィリピン人を部下に持つことが多いので、英語またはタガログ語が必須になるのは当たり前で、同時にその職種のプロでなくてはなりません。
「日本語オンリー」の仕事もあるが、賃金は低い
また最近では、英語ができない人がフィリピンで働く道も拓かれてはいます。日本の就職斡旋業者がフィリピンに数社進出してきており、英語がまったくダメという人には、英語をほとんど使わない、つまり日本語だけを使う職種を紹介してくれるようです。
代表的な日本語業務は、いわゆる「コールセンター」と呼ばれる職種で、仕事そのものが「日本人のお客様に対するサポート」になるため、英語をまったく必要としません。
日本で行っていたお客様サポートの人件費を削減するため、ベトナム、タイなど人件費の安い東南アジアに移管する日系企業が増えています。そのため、フィリピンにおいてもコールセンター業務という職種の求人は増えてきています。
会社の上司は当然フィリピン人ですので、上司とのコミュニケーションは英語になります。しかし、この職種においては、英語のできる日本人がおり、上司とのコミュニケーションや仕事の指示を日本語でやってくれますので、英語ができる必要はありません。
その分、給与は正直厳しいものがあります。最近、アメリカ大手の某企業の日本語サポート業務に就いた日本人がいるのですが、手取りでの日本円相当額が11万円程度でした。
物価は日本の「半分から3分の1」
給与が安い分、フィリピンの物価も日本よりずっと安いのは確かですが、いい加減な情報も流れています。ある日系企業の求人募集に「フィリピンの物価は日本の6分の1」と記載されているものを見かけましたが、この担当者はフィリピンの実際がわかってないな、と思いました。
実際にはそこまで安くなく、日本の2分の1から3分の1というのが正しいです。アメリカの比較サイトにも、日本の56%という数字が掲載されています。それでも英語ができない日本人は安いとはいえませんが、スキルを上げない限り文句は言えません。
また、11万円程度の金額ですと、マニラでは「日本人らしい生活」ができないのが現状です。きれいなレストランで日本食を食べられず、トロトロと呼ばれるフィリピンの庶民が食べる安い簡易食堂になることを覚悟せざるをえません。といっても、たまに当たることがあるにしても、慣れればそれなりに楽しめるという人もいるかもしれません。
あわせてよみたい:捨てたものではない「フィリピン就職」
【プロフィール】のりじぃ
マニラ在住、40代後半の独身男性。大学卒業後、大手有名電機メーカーに就職し、入社11年目にフィリピン駐在を命じられる。在籍中に計6年のフィリピン生活を経て退職し、フィリピンの現地メーカーに3年勤務。会社のマレーシア移転に伴いリストラ対象となり、現在は気ままなフリーランス生活中。