オフィスでパーティ開くフィリピン人 「静かにしてくれ」→「お前がヘッドセットしろ」 2014年5月16日 意識が高くない「フィリピン生活」 ツイート こんにちは、のりじぃです。翻訳のアルバイトやECサイトの運営で、フィリピンにいながら、やっとフリーでメシが食えるようになってきました。今回は、フィリピンのオフィスの様子についてご紹介いたします。 フィリピンの年間平均気温は、27.5度。5月には35度くらいまで上がります。熱帯性気候なのでオフィスも暑いというイメージがあるかもしれませんが、実はまったく逆の事態が起こっています。 自分のカップを自分で洗わない理由 マニラのオフィスは、常時クーラーを全開にして完全に冷え切っている場合が多いです。サーバやパソコンを大量に設置しているIT系企業では、特に寒さが顕著です。 たっぷり汗をかきながら通勤してオフィスに入ると、急激な温度差のため身体への負担が大きく、カゼをひいてしまうことがあるほどです。このためオフィスでは、長袖のカーディガンが必須アイテムとなっています。 カーディガンだけでは寒さをしのげないときには、オフィスの温度調整をジャニター(janitor)にお願いすることがよくあります。ほとんどの企業ではオフィス内の管理を外部の管理会社に委託しており、清掃やゴミ捨てなどの目的でオフィスに派遣される人のことをジャニターと呼んでいます。 日本のオフィスでも、清掃やゴミ捨てをする管理会社がありますが、フィリピンの管理会社とは少し異質のように思います。 日本では、基本的に「自分ことは自分でする」という教育がなされていますが、フィリピンではそうではありません。ドライバーやメイド、ヤヤ(子守り)などの職業が確立しているフィリピンでは、他人に依存するのはごく普通の光景です。 フィリピンでは、中流階級以上の家庭でメイドさんを雇う場合が多く、掃除・洗濯・料理などの家事をやってくれます。この習慣に慣れているフィリピン人は、オフィス内で自分が使った皿やコーヒーカップを自分では洗わずに放置します。 その結果、放置された食器を、ジャニターが洗う光景をよく目にしました。日本企業では「誰かがやらなければならない仕事」として、若手社員や女性社員が担うところもありますが、フィリピンでは専門の人の仕事になっているのです。 手作りのデコレーションで器用に楽しむ お祭り好きなフィリピン人は、オフィスでもお祭りをします。ある日、仕事をしていると、ワークエリアのすぐそばにあるミーティングルームが何やら騒がしく、マイクを使って何か説明をしています。 しばらくするとカラオケで歌っている音が聞こえました。何をやっているかと覗いてみると、それはバースディ・パーティだったのです。 ミーティングルームの内部はきれいにデコレーションがなされています。お金をかけているのではなく、素材を購入して来てすべて手作りのデコレーションなんですね。フィリピン人は日本人に比べ、器用だとつくづく感じます。このようなイベントが定期的に行われるのですから、仕事をする人にはうるさくてたまりません。 一度、直接の上司のバースディ・パーティだったのですが、「業務に支障があるので音量を下げてくれないか」と言ったことがあります。こちらは日本側のエンジニアと電話で会話をすることが多いので、声が聞き取れなかったり、相手に不要な音が入ってしまったりすると困るからです。 しかし私の苦情に対し、フィリピン人の上司は「君がヘッドセットを使ってくれないか」と言ったのを今でも鮮明に覚えています。仕事の邪魔をしても平気なフィリピン人、困ってしまいました(すべてのフィリピン人が同じであるとは言いませんが)。 12月に入ると、オフィスのいたるところでクリスマスパーティです。クリスチャンの多いフィリピンでは、これが一大イベントになっており、パーティをしない企業は皆無に等しいと言えます。 フィリピンの人々は「イベントなしでは生きていけない人種」なんですね。イベントするのは良いのですが、これでいいのかなフィリピン企業、と思うこともあります。 あわせてよみたい:意識が高くない「フィリピン生活」バックナンバー 【プロフィール】のりじぃマニラ在住、40代後半の独身男性。大学卒業後、大手有名電機メーカーに就職し、入社11年目にフィリピン駐在を命じられる。在籍中に計6年のフィリピン生活を経て退職し、フィリピンの現地メーカーに3年勤務。会社のマレーシア移転に伴いリストラ対象となり、現在は気ままなフリーランス生活中。 最新記事は@kigyo_insiderをフォロー/キャリコネ編集部Facebookに「いいね!」をお願いします
オフィスでパーティ開くフィリピン人 「静かにしてくれ」→「お前がヘッドセットしろ」
こんにちは、のりじぃです。翻訳のアルバイトやECサイトの運営で、フィリピンにいながら、やっとフリーでメシが食えるようになってきました。今回は、フィリピンのオフィスの様子についてご紹介いたします。
フィリピンの年間平均気温は、27.5度。5月には35度くらいまで上がります。熱帯性気候なのでオフィスも暑いというイメージがあるかもしれませんが、実はまったく逆の事態が起こっています。
自分のカップを自分で洗わない理由
マニラのオフィスは、常時クーラーを全開にして完全に冷え切っている場合が多いです。サーバやパソコンを大量に設置しているIT系企業では、特に寒さが顕著です。
たっぷり汗をかきながら通勤してオフィスに入ると、急激な温度差のため身体への負担が大きく、カゼをひいてしまうことがあるほどです。このためオフィスでは、長袖のカーディガンが必須アイテムとなっています。
カーディガンだけでは寒さをしのげないときには、オフィスの温度調整をジャニター(janitor)にお願いすることがよくあります。ほとんどの企業ではオフィス内の管理を外部の管理会社に委託しており、清掃やゴミ捨てなどの目的でオフィスに派遣される人のことをジャニターと呼んでいます。
日本のオフィスでも、清掃やゴミ捨てをする管理会社がありますが、フィリピンの管理会社とは少し異質のように思います。
日本では、基本的に「自分ことは自分でする」という教育がなされていますが、フィリピンではそうではありません。ドライバーやメイド、ヤヤ(子守り)などの職業が確立しているフィリピンでは、他人に依存するのはごく普通の光景です。
フィリピンでは、中流階級以上の家庭でメイドさんを雇う場合が多く、掃除・洗濯・料理などの家事をやってくれます。この習慣に慣れているフィリピン人は、オフィス内で自分が使った皿やコーヒーカップを自分では洗わずに放置します。
その結果、放置された食器を、ジャニターが洗う光景をよく目にしました。日本企業では「誰かがやらなければならない仕事」として、若手社員や女性社員が担うところもありますが、フィリピンでは専門の人の仕事になっているのです。
手作りのデコレーションで器用に楽しむ
お祭り好きなフィリピン人は、オフィスでもお祭りをします。ある日、仕事をしていると、ワークエリアのすぐそばにあるミーティングルームが何やら騒がしく、マイクを使って何か説明をしています。
しばらくするとカラオケで歌っている音が聞こえました。何をやっているかと覗いてみると、それはバースディ・パーティだったのです。
ミーティングルームの内部はきれいにデコレーションがなされています。お金をかけているのではなく、素材を購入して来てすべて手作りのデコレーションなんですね。フィリピン人は日本人に比べ、器用だとつくづく感じます。このようなイベントが定期的に行われるのですから、仕事をする人にはうるさくてたまりません。
一度、直接の上司のバースディ・パーティだったのですが、「業務に支障があるので音量を下げてくれないか」と言ったことがあります。こちらは日本側のエンジニアと電話で会話をすることが多いので、声が聞き取れなかったり、相手に不要な音が入ってしまったりすると困るからです。
しかし私の苦情に対し、フィリピン人の上司は「君がヘッドセットを使ってくれないか」と言ったのを今でも鮮明に覚えています。仕事の邪魔をしても平気なフィリピン人、困ってしまいました(すべてのフィリピン人が同じであるとは言いませんが)。
12月に入ると、オフィスのいたるところでクリスマスパーティです。クリスチャンの多いフィリピンでは、これが一大イベントになっており、パーティをしない企業は皆無に等しいと言えます。
フィリピンの人々は「イベントなしでは生きていけない人種」なんですね。イベントするのは良いのですが、これでいいのかなフィリピン企業、と思うこともあります。
あわせてよみたい:意識が高くない「フィリピン生活」バックナンバー
【プロフィール】のりじぃ
マニラ在住、40代後半の独身男性。大学卒業後、大手有名電機メーカーに就職し、入社11年目にフィリピン駐在を命じられる。在籍中に計6年のフィリピン生活を経て退職し、フィリピンの現地メーカーに3年勤務。会社のマレーシア移転に伴いリストラ対象となり、現在は気ままなフリーランス生活中。
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