カンボジア人の客が来ない? じゃあ現地の人に料理を教わろう!の巻 2014年8月1日 そんなときにはサムライカレー! ツイート こんにちは、海外就職研究家の森山たつをです。私はいまカンボジアで「サムライカレー」というプロジェクトを進めています。連載初回の前回、ちょっとはしゃぎ気味で書いてしまったために、ニコニコニュースのコメント欄で「安易なグローバル化くそくらえ」とプチ炎上してしまいました。 反省して、これからは現地での苦労話を中心に書いていきたいと思います。実は楽しげにやっているように見えるサムライカレーですが、それと同じだけ苦労があります。というか正確には、苦労と楽しさが表裏一体になっているのです。 ユニクロでも把握できなかった「現地のニーズ」 変な日本人が来たぞ 昨年11月、NHKがユニクロのバングラデシュ進出を放送していました。そこで大きな話題になったのは、「現地女性が民族衣装しか着ない」ということを、ユニクロが事前に把握できていなかったことでした。 日本の女性スタッフが半年かけて現地女性にリサーチを行い、好意的な反応を得ていたのにもかかわらず、全く売れない。そこで現地の女性にクローゼットを見せてもらうと、カジュアル服を持っていたのは10人中1人しかいなかった…。 そんな様子がTVに写ってしまったのです。これを見た視聴者は、ネットで「ユニクロのマーケって結構ずさんだな」などと酷評しました。しかし私は、これからの日本人に必要なのは、このようにスピード重視でとりあえずやってみて、問題があったら「爆速」で修正し、学習していくことだと思います。 サムライカレーも、開店2ヶ月で大きな壁に突き当たりました。それは、カンボジア人のお客さんがほとんど来ないこと(笑)。せっかくカンボジアでカレー屋を開いたのに、そのころのお客さんの割合は、日本人:その他外国人:カンボジア人が7:2:1というものでした。 私たちのカレーは、現地の日本人にはそこそこ人気があったのですが、「現地化」は図られていなかった。そこで当時(第4期)のメンバーたちは、いかにして店にカンボジア人を呼ぶか、ということに注力して挑戦することにしました。 向かいのおばちゃんとコミュニケーション! 街頭インタビューやバイトの女の子たちと話をしましたが、人によって意見が全く違います。それでも苦心して、次のような傾向がありそうだと、とりあえず結論づけました。 ・カンボジア人にとって日本の「カレーライス」は未知の食べ物 ・この辺のカンボジア人は保守的だから未知の食べ物に興味はない ・カンボジアカレーはスープカレー。辛くない ・カレー「ライス」よりも、カレーwith「パン」やカレー「麺」が一般的 ・この辺での一食の値段は2ドルが上限 基本的に以前から聞いていたのと同じ情報であるけれど、それでもとりあえず「カレーライス」を広めよう!というのが、これまでのアプローチ。今回は方向の大転換です。ここであるメンバーが、新たなアプローチを考えつきました。 「向かいに住んでるおばちゃん、料理うまいんですよね?」 現地の人が好きなものを作れば、現地人のお客さんも来るかも?そこで我々は、サムライカレーをおばちゃんの所に届ける代わりに、おばちゃんにクメールカレーを届けてもらうことにしたのです。 アイデアが出たら「爆速で行動」(ヤフーさん、パクってすみません)がサムライカレー。「だったら、おばちゃんにカレー習えばよくね?」「ちゅか、おばちゃん雇っちゃわね?」「で、日本風にアレンジしてサムライクメールカレーにしよう!」などと考えながら、早速翌日おばちゃんの所に交渉に行くことにしました。 できる限り、おばちゃんのスキルを盗もう。徹底的にメモと写真を撮ろう。英語が話せるおばちゃんの娘と、日本語ができるカンボジア人の女の子(サムライガールズ)にも来てもらって、できるだけコミュニケーションを取ろう。 そんな計画を立てて、おばちゃんの家に乗り込む。そして、みんなでわいわい言いながらカレー作成! できたカレーは、「ヤバイ。マジウマイ」。《次回につづく》 ※国土交通省・環境庁主催「第2回若者旅行を応援する取組表彰(若旅表彰)」で特別賞受賞! そんなプノンペンでのカレー屋作りの様子をお伝えするサムライカレー報告会を8月2日(土)に東京・巣鴨で開催します。ぜひいらしてください。 あわせてよみたい:若者よ、カンボジアでカレー屋やろうぜ! やらされ仕事を離れて1か月全力疾走 【プロフィール】森山たつを1976年生まれ。外資系IT企業、日系大手自動車メーカーに勤務後、世界一周旅行を経てアジア7カ国で就職活動。ほぼすべての国で内定を得たが現地就職せず、「海外就職研究家」を名乗りフリーに。『セカ就! 世界で就職するという選択肢』(朝日出版社)など著書多数。現在はフィリピン・セブ島に在住。ブログ「もりぞお海外研究所」。ツイッター@mota2008
カンボジア人の客が来ない? じゃあ現地の人に料理を教わろう!の巻
こんにちは、海外就職研究家の森山たつをです。私はいまカンボジアで「サムライカレー」というプロジェクトを進めています。連載初回の前回、ちょっとはしゃぎ気味で書いてしまったために、ニコニコニュースのコメント欄で「安易なグローバル化くそくらえ」とプチ炎上してしまいました。
反省して、これからは現地での苦労話を中心に書いていきたいと思います。実は楽しげにやっているように見えるサムライカレーですが、それと同じだけ苦労があります。というか正確には、苦労と楽しさが表裏一体になっているのです。
ユニクロでも把握できなかった「現地のニーズ」
昨年11月、NHKがユニクロのバングラデシュ進出を放送していました。そこで大きな話題になったのは、「現地女性が民族衣装しか着ない」ということを、ユニクロが事前に把握できていなかったことでした。
日本の女性スタッフが半年かけて現地女性にリサーチを行い、好意的な反応を得ていたのにもかかわらず、全く売れない。そこで現地の女性にクローゼットを見せてもらうと、カジュアル服を持っていたのは10人中1人しかいなかった…。
そんな様子がTVに写ってしまったのです。これを見た視聴者は、ネットで「ユニクロのマーケって結構ずさんだな」などと酷評しました。しかし私は、これからの日本人に必要なのは、このようにスピード重視でとりあえずやってみて、問題があったら「爆速」で修正し、学習していくことだと思います。
サムライカレーも、開店2ヶ月で大きな壁に突き当たりました。それは、カンボジア人のお客さんがほとんど来ないこと(笑)。せっかくカンボジアでカレー屋を開いたのに、そのころのお客さんの割合は、日本人:その他外国人:カンボジア人が7:2:1というものでした。
私たちのカレーは、現地の日本人にはそこそこ人気があったのですが、「現地化」は図られていなかった。そこで当時(第4期)のメンバーたちは、いかにして店にカンボジア人を呼ぶか、ということに注力して挑戦することにしました。
向かいのおばちゃんとコミュニケーション!
街頭インタビューやバイトの女の子たちと話をしましたが、人によって意見が全く違います。それでも苦心して、次のような傾向がありそうだと、とりあえず結論づけました。
基本的に以前から聞いていたのと同じ情報であるけれど、それでもとりあえず「カレーライス」を広めよう!というのが、これまでのアプローチ。今回は方向の大転換です。ここであるメンバーが、新たなアプローチを考えつきました。
現地の人が好きなものを作れば、現地人のお客さんも来るかも?そこで我々は、サムライカレーをおばちゃんの所に届ける代わりに、おばちゃんにクメールカレーを届けてもらうことにしたのです。
アイデアが出たら「爆速で行動」(ヤフーさん、パクってすみません)がサムライカレー。「だったら、おばちゃんにカレー習えばよくね?」「ちゅか、おばちゃん雇っちゃわね?」「で、日本風にアレンジしてサムライクメールカレーにしよう!」などと考えながら、早速翌日おばちゃんの所に交渉に行くことにしました。
できる限り、おばちゃんのスキルを盗もう。徹底的にメモと写真を撮ろう。英語が話せるおばちゃんの娘と、日本語ができるカンボジア人の女の子(サムライガールズ)にも来てもらって、できるだけコミュニケーションを取ろう。
そんな計画を立てて、おばちゃんの家に乗り込む。そして、みんなでわいわい言いながらカレー作成! できたカレーは、「ヤバイ。マジウマイ」。《次回につづく》
※国土交通省・環境庁主催「第2回若者旅行を応援する取組表彰(若旅表彰)」で特別賞受賞! そんなプノンペンでのカレー屋作りの様子をお伝えするサムライカレー報告会を8月2日(土)に東京・巣鴨で開催します。ぜひいらしてください。
あわせてよみたい:若者よ、カンボジアでカレー屋やろうぜ! やらされ仕事を離れて1か月全力疾走
【プロフィール】森山たつを
1976年生まれ。外資系IT企業、日系大手自動車メーカーに勤務後、世界一周旅行を経てアジア7カ国で就職活動。ほぼすべての国で内定を得たが現地就職せず、「海外就職研究家」を名乗りフリーに。『セカ就! 世界で就職するという選択肢』(朝日出版社)など著書多数。現在はフィリピン・セブ島に在住。ブログ「もりぞお海外研究所」。ツイッター@mota2008