「早く潰れろ。いい気味だ」 ITゼネコンに注がれる冷ややかな眼差し 2012年10月5日 企業徹底研究 ツイート 日本を代表するIT企業であるNECの株価が、この夏、記録的な暴落を起こした。ITバブルの2000年に3450円の高値だった株価が、7月24日に96円の安値をつけたのである。 きっかけは米大手格付け会社の見通し引き下げだったが、以前からNECの評判は国内でも散々だった。民生用パソコンの異様なセンスの古さ以上に、いわゆる「ITゼネコン」としてふんぞり返るさまが毛嫌いされている。 税金を使ったおいしい仕事を引き受け、ピンハネして下請けに回す。下請け孫請けの労働環境がどれだけ厳しくなっても知らん顔だ。2ちゃんねらーの批判も容赦ない。 「ピンピンピンハネ、官僚様からの一次請け。ブラック(企業)にポーイ(丸投げ)」 「あんな殿様な営業していたら、こうなることは分かり切ってる。むしろ今までよくもったなって感じ。早く潰れろ。いい気味だ」 ◇ 「一言でいうと、ぬるい」 NECの殿様な社風 しかし、社外に吹き荒れる批判の嵐をよそに、社内の雰囲気は安泰そのものだ。 キャリコネに寄せられた同社の口コミでも、社員たちが自社の雰囲気を臆面もなく「まったり」「穏やか」と評する書き込みが続く。20代の男性プロジェクトリーダーは、 「社員同士では非常に和気あいあいとした雰囲気で、上司もきつくない人が多い。礼儀正しく、おっとりとした性格の人が多く、責任などもあまり追及されない雰囲気。さすがに何度も失敗を重ねると役割が少なくなったりするが、その程度」 と自社の社風を満足気に述べている。 しかし、危機感のない人ばかりではない。20代のシステムエンジニアは、そんな会社の空気を酷評している。 「一言でいうと、ぬるい。使えない人材も大手をふって仕事ができる。そのため職場はマッタリとして生きやすいのだが、競争力は非常に低くなっている。事なかれ主義の人材が多く、新しい事をするのが極端に下手。時代遅れのやり方をずっと続けてきてしまっている感じ」 100円を切る株価を如実に反映しているのは、どちらの見方だろうか。 30代の女性派遣社員も、仕事をせずにネットばかり見ているオジサン社員があふれる職場の様子を冷ややかに見ている。まさに「日本電気=日本の縮図」である。 「男性は、一切電話に出ない。外線だろうと出ない。何度も派遣元から派遣先に改善を依頼したが無駄だった。いまだに、給湯の当番が女性にだけある。ゴミ捨てなども女性の仕事」 ◇ 「僕はなんちゃってSE」と悪びれない富士通 もう1つのITゼネコン、富士通。その社員の口コミも見てみよう。 ネット掲示板では「何の価値も生み出していない」「なんでいまさら(学生が)こんな会社に行きたがるのか分からない」とまで書かれ、7月30日には株価が32年ぶりに300円を割り込んだ。確かにもう「オワコン」なのかもしれない。 「誰から見ても優秀な開発者が上司にことごとくアイデアを却下されていました。その理由のほとんどが、アイデア自体は面白いけどまだ他社がやってないから様子みようとのこと。この業界は海外に押されがちな上、先頭に立つ気がないのかと不安に思ってます」( 20代前半の男性社員) そもそもITゼネコンの彼らは、肩書きは立派でも、自ら仕事の手を下すことは少ない。40代の女性派遣社員も「知っている人は知っていることなのですが」と前置きしながら、 「こちらの会社の社員はマネジメントだけで実務に関しては基本的に自分達でする習慣がありません。(実務は)関連会社に委託したり派遣社員などが行なっています。私も上司に名刺を貰った際、『僕はなんちゃってSEだから』と自分で言ってました」 と実態を明かす。 たまたま新卒時に大手企業に正社員として入社できたからといって、「なんちゃってSE」が破格の給料をもらい、安定した雇用を得て、下請け・孫請けを搾取しているのは、どう見てもおかしい。2ちゃんねらーでなくても、官僚たちとの癒着を疑い、「早く潰れろ」と言いたくなる。 NECと富士通が潰れ、不健全なピンハネがなくなれば、我々の貴重な税金の無駄遣いもかなり減るのではないだろうか。 【その他の企業徹底研究の記事はこちら】 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年9月末現在、45万社、20万件の口コミが登録されています。
「早く潰れろ。いい気味だ」 ITゼネコンに注がれる冷ややかな眼差し
日本を代表するIT企業であるNECの株価が、この夏、記録的な暴落を起こした。ITバブルの2000年に3450円の高値だった株価が、7月24日に96円の安値をつけたのである。
きっかけは米大手格付け会社の見通し引き下げだったが、以前からNECの評判は国内でも散々だった。民生用パソコンの異様なセンスの古さ以上に、いわゆる「ITゼネコン」としてふんぞり返るさまが毛嫌いされている。
税金を使ったおいしい仕事を引き受け、ピンハネして下請けに回す。下請け孫請けの労働環境がどれだけ厳しくなっても知らん顔だ。2ちゃんねらーの批判も容赦ない。
「ピンピンピンハネ、官僚様からの一次請け。ブラック(企業)にポーイ(丸投げ)」
「あんな殿様な営業していたら、こうなることは分かり切ってる。むしろ今までよくもったなって感じ。早く潰れろ。いい気味だ」
◇
「一言でいうと、ぬるい」 NECの殿様な社風
しかし、社外に吹き荒れる批判の嵐をよそに、社内の雰囲気は安泰そのものだ。
キャリコネに寄せられた同社の口コミでも、社員たちが自社の雰囲気を臆面もなく「まったり」「穏やか」と評する書き込みが続く。20代の男性プロジェクトリーダーは、
「社員同士では非常に和気あいあいとした雰囲気で、上司もきつくない人が多い。礼儀正しく、おっとりとした性格の人が多く、責任などもあまり追及されない雰囲気。さすがに何度も失敗を重ねると役割が少なくなったりするが、その程度」
と自社の社風を満足気に述べている。
しかし、危機感のない人ばかりではない。20代のシステムエンジニアは、そんな会社の空気を酷評している。
「一言でいうと、ぬるい。使えない人材も大手をふって仕事ができる。そのため職場はマッタリとして生きやすいのだが、競争力は非常に低くなっている。事なかれ主義の人材が多く、新しい事をするのが極端に下手。時代遅れのやり方をずっと続けてきてしまっている感じ」
100円を切る株価を如実に反映しているのは、どちらの見方だろうか。
30代の女性派遣社員も、仕事をせずにネットばかり見ているオジサン社員があふれる職場の様子を冷ややかに見ている。まさに「日本電気=日本の縮図」である。
「男性は、一切電話に出ない。外線だろうと出ない。何度も派遣元から派遣先に改善を依頼したが無駄だった。いまだに、給湯の当番が女性にだけある。ゴミ捨てなども女性の仕事」
◇
「僕はなんちゃってSE」と悪びれない富士通
もう1つのITゼネコン、富士通。その社員の口コミも見てみよう。
ネット掲示板では「何の価値も生み出していない」「なんでいまさら(学生が)こんな会社に行きたがるのか分からない」とまで書かれ、7月30日には株価が32年ぶりに300円を割り込んだ。確かにもう「オワコン」なのかもしれない。
「誰から見ても優秀な開発者が上司にことごとくアイデアを却下されていました。その理由のほとんどが、アイデア自体は面白いけどまだ他社がやってないから様子みようとのこと。この業界は海外に押されがちな上、先頭に立つ気がないのかと不安に思ってます」( 20代前半の男性社員)
そもそもITゼネコンの彼らは、肩書きは立派でも、自ら仕事の手を下すことは少ない。40代の女性派遣社員も「知っている人は知っていることなのですが」と前置きしながら、
「こちらの会社の社員はマネジメントだけで実務に関しては基本的に自分達でする習慣がありません。(実務は)関連会社に委託したり派遣社員などが行なっています。私も上司に名刺を貰った際、『僕はなんちゃってSEだから』と自分で言ってました」
と実態を明かす。
たまたま新卒時に大手企業に正社員として入社できたからといって、「なんちゃってSE」が破格の給料をもらい、安定した雇用を得て、下請け・孫請けを搾取しているのは、どう見てもおかしい。2ちゃんねらーでなくても、官僚たちとの癒着を疑い、「早く潰れろ」と言いたくなる。
NECと富士通が潰れ、不健全なピンハネがなくなれば、我々の貴重な税金の無駄遣いもかなり減るのではないだろうか。
【その他の企業徹底研究の記事はこちら】
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年9月末現在、45万社、20万件の口コミが登録されています。