• マクドナルド純利益60.1%減 客数は「9か月連続マイナス」

    日本マクドナルドの業績が急降下している。6日発表された2013年連結決算では、2013年12月期の売上高が2604億円(前期比11.6%減)、営業利益が115億円(同53.5%減)、純利益が51億円(前期比60.1%減)と、2期連続で減収減益となってしまった。

    同社では2013年8月に女性経営者のサラ・カサノバ氏がCEOに就任し、「マックトースト」の発売や、チキンパティを刷新した「チキンフィレオ」の導入など多様な施策を打ってきた。しかしいまのところは、まだ成果が出ていないことが露呈した格好だ。

    「メニュー表」の迷走も影響?

    数年前までは、「マック・カフェ」で打ち出した100円コーヒーが奏功したようにも見えた。しかし13年にはコンビニがこぞってカフェを展開し、サラリーマン層が奪われた。さらに弁当や惣菜の需要も「中食市場」に奪われている。

    これを象徴するのが、客数の減少だ。2013年10月からの3か月は、前年同月比で13.9%減、14.4%減、12.1%減と軒並みの大幅減が続いてしまった。14年1月も5.3%減で、なんと9か月連続でマイナスとなっている。

    もちろん、円安による原材料の高騰が影響した部分もあるだろう。IR資料の中では、「お客様にとって最適の店舗環境」になるように、店舗や人材に積極的な投資を行っている、という説明もされている。

    しかしネット上では、価格やメニューについてのネガティブな声が多い。

    「セットメニューが500円切らない限り食事目的で利用する気は起きないな」
    「メニュー表なくしたり復活させたり迷走してたもんな」
    「マックに『高級』『健康』は期待されていない。その前提で立て直した方が良いんじゃないのか」

    特にマクドナルドの危機感を感じられるのが、「戦略的閉店」と銘打って、74店舗の閉店コストを「新規投資額の増加」に計上している点だ。つまり、不採算店舗は積極的に切ろうということなのだろう。

    既存店の改装にも積極的に投資する。約200店舗を改装し、子ども向けのプレイランド設置も積極的に行うという。独自性の点でカサノバ社長が重要視しているのは、「キッズ・ファミリー」向けの戦略だ。

    新商品で客単価は増加傾向

    メニューの面でも、ビーフが多かった期間限定ハンバーガーに低カロリーのチキンを用意するようにした。今後は朝食メニューを充実化し、チキンパティなどをトルティーヤで包んだ、ワンハンドスタイルで食べられる「マックラップ」も投入予定だ。女性やファミリー層の取り込みを視野に入れた改革を進める。

    さらに中食需要に対応するため、宅配可能な「マックデリバリー」実施店舗数を約2倍に増加させる反面、一部で24時間営業を取りやめるという。

    こうした改革で、2014年12月期業績予想では営業利益(連結)117億円(前期比1.5%増)、純利益(連結)で60億円(同16.8%増)を狙う。

    7日に発表された1月の「既存店売上高」は前年比3.4%増、客単価も同9.2%増と回復基調も見られる。1月の「アメリカンヴィンテージ・キャンペーン」が奏功したようだ。客単価は9か月連続で伸びている。

    客単価が伸びていることで売上は踏みとどまっているものの、そのせいで多くの客に背を向けられているようにも見える。「キャンペーン頼み」の現状から脱却し、再び成長軌道に乗せられるか。カサノバ社長の手腕に注目が集まる。

    あわせてよみたい:ユニクロ「最貧国向け商品」が全く売れない!

  • 企業ニュース
    アクセスランキング

    働きやすい企業ランキング

    年間決定実績1,000件以上の求人データベース Agent Navigation
    転職相談で副業