「庄や」が営業時間短縮 「脱ブラック職場」と「収益向上」ねらう 2014年2月14日 企業徹底研究 ツイート ファミレスや居酒屋の深夜営業が当たり前の中、居酒屋チェーン「庄や」などを運営する大庄が、店舗の営業時間短縮を行う。ねらいは「従業員にとって真に働きやすい労働環境」に再構築するためだ。 2月12日に発表された内容などによると、店舗の立地環境を踏まえ、閉店時間を早めたり、昼間の時間帯に休憩時間を設けたりする。年中無休の店舗も、週1日を定休日とする。 背景には、居酒屋業界の市場縮小や競争激化による、既存店舗の売上減少や採算性低下がある。現在、「庄や」の中には深夜4時まで開けているところもあるが、採算の取れない時間帯の営業を見直すことで、収益性を向上させる効果もある。 大庄をめぐっては、2007年に男性従業員が過労死。昨年9月には、遺族に対し約7860万円の賠償の支払いを命じる判決が確定している。今回の「業務構造改革」も監督官庁の指摘を踏まえたものだという。 「夜は大人しく寝なさい」で解決か 就活生の間で、飲食業界は小売業と並ぶ「ブラック企業の巣窟」と言われている。ワタミをはじめ、長時間の過酷な労働で過労死したり精神を病んだりする従業員がたびたび出ている。このような流れが一般化すれば、働きにくい職場が減る。 ブラック企業を批判する人たちの間では、従業員を酷使する経営者だけでなく、「長時間営業」や「低料金」を求める消費者が、過酷な労働環境の片棒を担っている側面もあると指摘されていた。 「お客様は神様」という言葉の下、過剰なマナーやサービスを求められ、現場で働く人たちは疲弊している。もっとも、そのような店に行く客の中には、同じような労働環境に虐げられている人も少なくないようだが…。 一方で、同じ居酒屋チェーンでも、23時半に店を閉め、社内に労働組合を置き、パート・アルバイトにも有給休暇を付与する「天狗」のような店もある。 ネットには「もうみんな夜は大人しく寝なさい」という声もあった。そろそろ何でもかんでも24時間営業、という考えを改めるべきかも知れない。 あわせてよみたい:ワタミは少しは「天狗」見習え
「庄や」が営業時間短縮 「脱ブラック職場」と「収益向上」ねらう
ファミレスや居酒屋の深夜営業が当たり前の中、居酒屋チェーン「庄や」などを運営する大庄が、店舗の営業時間短縮を行う。ねらいは「従業員にとって真に働きやすい労働環境」に再構築するためだ。
2月12日に発表された内容などによると、店舗の立地環境を踏まえ、閉店時間を早めたり、昼間の時間帯に休憩時間を設けたりする。年中無休の店舗も、週1日を定休日とする。
背景には、居酒屋業界の市場縮小や競争激化による、既存店舗の売上減少や採算性低下がある。現在、「庄や」の中には深夜4時まで開けているところもあるが、採算の取れない時間帯の営業を見直すことで、収益性を向上させる効果もある。
大庄をめぐっては、2007年に男性従業員が過労死。昨年9月には、遺族に対し約7860万円の賠償の支払いを命じる判決が確定している。今回の「業務構造改革」も監督官庁の指摘を踏まえたものだという。
「夜は大人しく寝なさい」で解決か
就活生の間で、飲食業界は小売業と並ぶ「ブラック企業の巣窟」と言われている。ワタミをはじめ、長時間の過酷な労働で過労死したり精神を病んだりする従業員がたびたび出ている。このような流れが一般化すれば、働きにくい職場が減る。
ブラック企業を批判する人たちの間では、従業員を酷使する経営者だけでなく、「長時間営業」や「低料金」を求める消費者が、過酷な労働環境の片棒を担っている側面もあると指摘されていた。
「お客様は神様」という言葉の下、過剰なマナーやサービスを求められ、現場で働く人たちは疲弊している。もっとも、そのような店に行く客の中には、同じような労働環境に虐げられている人も少なくないようだが…。
一方で、同じ居酒屋チェーンでも、23時半に店を閉め、社内に労働組合を置き、パート・アルバイトにも有給休暇を付与する「天狗」のような店もある。
ネットには「もうみんな夜は大人しく寝なさい」という声もあった。そろそろ何でもかんでも24時間営業、という考えを改めるべきかも知れない。
あわせてよみたい:ワタミは少しは「天狗」見習え