渡邉美樹氏が過労死遺族に「謝罪」 ワタミグループは「再発防止策」発表 2014年3月27日 企業徹底研究 ツイート 居酒屋チェーン「ワタミ」で26歳の女性社員が過労死した問題で、2014年3月27日、第2回裁判が東京地方裁判所で行われた。ワタミグループ元会長の渡邉美樹氏が初めて出廷し、初めて遺族に「謝罪」した。 渡邉氏は意見陳述の冒頭で、過労死した森美菜さん(当時26歳)に「心よりの哀悼の意を表します」と述べ、続けて、 「自ら絶たれた命の道義的責任について重く受け止め、ワタミ株式会社と共に心より謝罪を申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」 と謝罪した。ここまで謝罪に時間がかかってしまった理由については、 「道義的責任は受け入れているものの、ご遺族様との間に法的責任に関して見解相違があり、その謝罪の仕方に苦慮し結果として本日となってしまいました。理由の如何を問わず、謝罪時期に関する叱責につきましても受け止めお詫び申し上げます」 と説明している。法的責任の「見解相違」については「司法の結論に従う」ということだ。なお原告側は、懲罰的慰謝料も含む1億5300万円を損害賠償請求している。 約1割の店舗の閉鎖・撤退で「人員不足」解消 さらに、ワタミグループは同日、「『外部有識者による業務改革検討委員会』の調査報告書を踏まえた当社の対応について」と題した労働環境改善の対応策を発表している。 有識者委員会は、ワタミの現場に「所定労働時間を超える長時間労働が存在している」「労働時間を正しく記録していなかったことがある、そのように指示されたことがある」などの実態があったことを指摘し、「現場での人員不足の解消」「予算設定上の制約による人件費使用の制限解消」を提言している。 人員不足の解消については、14年度中に約1割の店舗の閉鎖・撤退で対応。メンタルヘルスサポートの充実化を図り、中長期的に評価・報酬体系や人材育成のシステムも見直すことで、2014年4月入社新入社員において3年後離職率「30%以下」を目標指標とするという。 渡邉氏は、「一日も早く争いを終えたい」とし、 「ご両親の偉大なる愛を前にしては、いかなる言葉も、いかなる謝罪も無力であり、『さらなるご批判とご指摘を頂きつづける』ことは、私が一生をかけて背負う十字架です」 と悔恨の情を述べている。
渡邉美樹氏が過労死遺族に「謝罪」 ワタミグループは「再発防止策」発表
居酒屋チェーン「ワタミ」で26歳の女性社員が過労死した問題で、2014年3月27日、第2回裁判が東京地方裁判所で行われた。ワタミグループ元会長の渡邉美樹氏が初めて出廷し、初めて遺族に「謝罪」した。
渡邉氏は意見陳述の冒頭で、過労死した森美菜さん(当時26歳)に「心よりの哀悼の意を表します」と述べ、続けて、
と謝罪した。ここまで謝罪に時間がかかってしまった理由については、
と説明している。法的責任の「見解相違」については「司法の結論に従う」ということだ。なお原告側は、懲罰的慰謝料も含む1億5300万円を損害賠償請求している。
約1割の店舗の閉鎖・撤退で「人員不足」解消
さらに、ワタミグループは同日、「『外部有識者による業務改革検討委員会』の調査報告書を踏まえた当社の対応について」と題した労働環境改善の対応策を発表している。
有識者委員会は、ワタミの現場に「所定労働時間を超える長時間労働が存在している」「労働時間を正しく記録していなかったことがある、そのように指示されたことがある」などの実態があったことを指摘し、「現場での人員不足の解消」「予算設定上の制約による人件費使用の制限解消」を提言している。
人員不足の解消については、14年度中に約1割の店舗の閉鎖・撤退で対応。メンタルヘルスサポートの充実化を図り、中長期的に評価・報酬体系や人材育成のシステムも見直すことで、2014年4月入社新入社員において3年後離職率「30%以下」を目標指標とするという。
渡邉氏は、「一日も早く争いを終えたい」とし、
と悔恨の情を述べている。