• お前は佐村河内氏か! 他人の手柄でデカイ面する「アレオレ詐欺」の人々

    NHKの番組でも取り上げられた「現代のベートーベン」佐村河内守氏が、実は自分で楽譜を書けず、音大非常勤講師の新垣隆氏が「影武者」として作曲していたという事件が発覚し、大きな話題となっている。

    新垣氏は会見で「共犯者」という言葉を使い、自らの責任を認め謝罪したが、20曲以上を作曲した報酬は700万円前後だという。一方で佐村河内氏は、10万枚以上を売り上げたCDの印税で数千万円のマンションを購入したという話もあるから、不公平な話だ。

    この話題が大きく広がった理由は、さまざまあるが、働く人にとっては「自分の手柄を他人に取られた」新垣氏への同情もあるのではないだろうか。

    「出世のために必要」と開き直る狡猾上司も

    キャリコネの口コミを検索すると、予想通り「手柄を奪う人」に対する不満が非常に多く書き込まれている。もっとも目に付くのは「上司」への恨み節だ。ある企業で技術職として働く30代の男性は、

    「無能な上司が全て自分の手柄にするので、やりがいはありません。世間で言われている『アレオレ詐欺』みたいな話です」

    と憤っている。誰もが知る有名なプロジェクトについて、実際にはほとんど関わっていないのに「アレ、実はオレが作ったんだ」「アレはオレが考えたんだよ」と吹聴する人は多い。ジャーナリストの津田大介氏も、

    「今まで『(フリーペーパーの)R25は俺が作った』って人に10人くらい会ってる」

    と明かしている。しかし口コミには「早い出世のためには、そのような(部下の手柄を奪う)狡猾さも必要」と開き直る上司もいるので恐ろしい。

    他人の手柄を奪うのは上司だけでなく、先輩社員の場合もある。大手広告代理店で法人営業に携わる20代男性社員は、

    「自分の手柄を横取りするような先輩が多いので、やってもやってもなかなか報われないということが多く、そのようなところに憤りを感じていた」

    と打ち明ける。体育会系体質の会社では、先輩後輩の上下関係で理不尽なことが行われても、なかなか言い返すことができない。

    派遣社員や協力会社の手柄を奪う「正社員」

    さらに気の毒なのは、派遣社員だ。正社員の陰で頑張って仕事をしても、手柄をすべて社員に持っていかれる。ホテルスタッフとして働くある派遣社員は、お客から自分のサービスが評価されるのがやりがいだとしつつ、

    「派遣社員がほめられる場面でも、(お客からの評価が)派遣社員の耳へ直接入らないこともある。その場合は、正社員たちの手柄のようになってしまう」

    と報われない立場を嘆いている。良心的な社員が優秀な派遣社員を見出し、特別ボーナスを支給したり、上司に直接雇用を進言したりしてもいいのではないか。

    面倒な仕事や失敗は外部の業者に押し付け、手柄は自分のものとアピールする人も。ある会社に常駐派遣しているシステムエンジニアは、

    「とにかくプロパー(派遣先の正社員)の仕事のできなさ、動きの悪さが異常。手柄はプロパー(のものになり)、面倒な深夜対応や重大障害は協力会社に処理させる部署が存在する時点で問題あり」

    とウンザリしている。しかし他人の手柄で出世しても、いつかは実力のなさが露呈するもの。天網恢恢疎にして漏らさず。悪いことは、いつかは報いを受けると思うしかない。

    あわせてよみたい:なんで「あんなヤツ」が出世するのか?

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