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有名私大生に「メガバンク」超人気 でも「みなさん過大評価しすぎ」の声も
2014年5月10日付け「慶應塾生新聞」が報じたところによると、2013年度の慶大学部卒業者・修士修了者7924人の就職先は、上位を金融機関が占めた。
これは慶大学生部が調べた3月31日現在の中間発表だが、1位がみずほフィナンシャルグループ（137人）、2位三菱東京UFJ銀行（111人）、3位三井住友銀行（72人）とベスト3を独占している。
グローバル時代に「儲ける術」が見当たらない
この傾向は、何も今年に限ったことではない。慶大では2012年度卒でも、1位は三菱東京UFJ、2位がみずほFG。早稲田大学でも、1位は三菱東京UFJ、みずほFGは3位となっている。
アベノミクスの影響で、メガバンクの決算は確かに絶好調だ。2014年3月期は三菱東京UFJ銀行が純利益9848億円（前期比15.5％増）、みずほFGは6884億円（同22.8％増）、三井住友が8353億円（同5.2％増）と軒並み右肩上がりの業績を上げている。
これなら就職人気も当然ともいえるが、これに冷や水を浴びせる意見もある。5月31日号の「週刊現代」は、「これから大きく伸びる会社、消えるかもしれない会社」という座談会記事で、日本のメガバンクの未来に疑問符をつけている。
座談会は、いちよしアセットマネジメント執行役員の秋野充成氏と、セゾン投信社長の中野晴啓氏、それに「週刊現代」の記者の3人で実施。記者は日本の金融業界について、「今後も期待できますか」と問いかけた。
すると2人は、同時に「苦笑」。答えに詰まる中、秋野氏が切り出した。
中野氏も、その代表格としてメガバンク3社の名前をあげ、こうこき下ろした。
人気の理由は「親からの支持を集めやすい」
秋野氏は、日本のメガバンクについて、高い金利を稼げる「本業」の貸し出しをできる人材がいないのが最大の問題と指摘する。
これまでも、バブル期は不動産担保、崩壊後は「貸し剥がし」、最近は国債運用ばかりやっていると手厳しい。
これから就職する若い学生には、なかなか厳しいコメントだ。中野氏は、銀行傘下の証券会社が「銀証連携」で顧客獲得しようとしている点についても、
と、日本のメガバンクの体質自体を痛烈に批判している。
専門家がこのような厳しい見通しを立てているのに、メガバンクはなぜこれほどに就活生から支持されるのか。評論家の常見陽平氏はNEWSポストセブンの記事でこう列挙している。
若手行員からは「離職者数も相当な数字」と告発
常見氏の分析を見ると、ひとことで言えば「有名」「誰でも知っている」という要素が多く、事業や仕事の先行きに関係するものは見当たらない。
事実、メガバンクのランキング上位は、実は「質的な人気」を伴っていないという見方もある。時事通信によると、2015年春の新卒採用数は、三菱東京UFJが1550人、みずほFGが1365人だ。三井住友銀行も2014年春卒を1151人採用している。
これだけ大量に採用をすれば、有名大学の採用数では上位にランクされるのも当然だ。しかしそれは、業界の先行きの明るさや、優秀な人材の人気の高さを示しているとは限らない。
先行きのみならず、現下の労働環境も実はかなり厳しいものがあるようだ。キャリコネの口コミには、若手行員たちからこんな嘆きがあがっている。
いずれも、20代行員の書き込みである。彼らからも「みなさんメガバンクを過大評価しすぎなんです」という声が聞こえてきそうだ。
あわせてよみたい：就活で「自分が有利」と思うこと2位→「自分の容姿」
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