中東ドバイで「100円ショップ」「ヨックモック」「東洋紡」が大人気のワケ 2014年4月29日 ビジネスTVウォッチ ツイート 4年半前の「ドバイ・ショック」から立ち直ったアラブ首長国連邦(UAE)の首長国のひとつ、ドバイ。2014年4月28日の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)は、ドバイの景気復活で、日本に大きなビジネスチャンスが到来していることを伝えていた。 ドバイは金持ちの国というイメージがあるが、約210万人の人口の約8割が外国人労働者だ。沸騰ナビゲーターの畑中美樹氏(国際開発センター・エネルギー環境室研究顧問)は、オールド・ドバイ(旧市街)を訪れた。畑中氏によれば、「移民・出稼ぎ労働者の人たちが営々と働き引き継いできた。それが真のドバイ」だという。 値段は日本の倍以上。でも「100箱買いたい」 頓挫していた建設プロジェクトが再開されたドバイで働く外国人労働者たちに人気なのが、日本の”100円ショップ”ダイソーだ。マネージャーのムルチャンダニさんは「毎年売り上げは2桁で伸びています」と好調さを語った。 店内にはパッケージもそのまま、9000種類もの商品が所狭しと並んでいる。ドバイの売れ筋商品は、意外にも「化粧品」や「突っ張り棒」なのだそうだ。そういえばダイソーのパッケージにはアラビア語が書かれていたような気もする。 飲酒できないアラブ人は食後に甘いお菓子を食べる習慣があるが、地元のお菓子は「脳天に突き抜けるような甘さ」で、UAEの糖尿病の発症率は世界第3位。日本の甘さ控えめな菓子がウケており、贈答用としても人気だ。 2012年に「ヨックモック」が日本から進出したきっかけは、その味に惚れ込んだアラブ人が自ら出店したいと願い出たこと。世界最大級のショッピングモールに店を構え、値段は日本の倍以上だが、売り上げは当初の見込みをはるかに超えているという。 ドバイならではの豪華な売り方もある。大きな器に山ほど菓子を盛り付け、皿ごと贈答品やパーティー用にして冷蔵宅配する。ガラス工芸品や金箔漆塗りの箱に入った豪華な商品は、ひとつ5万~8万円以上するが大人気だ。日本のみやげ菓子が中東で人気の理由を、畑中氏はこう説明する。 「空港で見つけて、好きになっている。『100箱買いたい』と無茶なことを言って騒動を起こした人もいる」 貿易中継点を攻めれば周辺諸国へも影響与える イスラム教徒の男性は「カンドゥーラ」と呼ばれる全身を覆う白い服を正装としている。すべてオーダーメードで、ひとり10着は持っている。風通しが良く涼しいのだが、汗でシワになりやすい。 1970年代の繊維危機の際、上質のポリエステルで中東に勝負をかけたのが東洋紡だ。品質の良さで評判を呼び、いまではシェア7割を占めている。 「もう30年以上前の話だね。シワにならない生地を見たのは初めてだった。飛ぶように売れたんだ」 こう話すのは、老舗生地問屋の創設者モハメッド・タェレブさん(80歳)だ。東洋紡の中東担当者・祝 勝弘さんは、ドバイからイラクへ市場拡大をねらい、イラク人バイヤーとの交渉を進めていた。 「ドバイは貿易中継点なので周辺諸国、オマーン、 カタール、バーレーン、クウエート、物によってはイラン、アフガニスタン、パキスタンにもデリバリーされるので、規模としては大きくなってきます」 ドバイ国際空港は、世界の航空会社の103社が乗り入れており世界一だ。ドバイの航空会社エミレーツ航空は世界80カ国に路線を増やし、更にまた新たな空港も建設中だ。 埼玉県ほどの大きさしかないというドバイは、物流と観光拠点を集約して「人・物・金」が集まる世界の中心地、ハブとなっている。日本製品が良いという下地は中東ではすでにできているので、今後もこの好機を生かして市場拡大していく日本企業が多くなることだろう。(ライター:okei) あわせてよみたい:東洋紡の給与・評判・口コミ
中東ドバイで「100円ショップ」「ヨックモック」「東洋紡」が大人気のワケ
4年半前の「ドバイ・ショック」から立ち直ったアラブ首長国連邦(UAE)の首長国のひとつ、ドバイ。2014年4月28日の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)は、ドバイの景気復活で、日本に大きなビジネスチャンスが到来していることを伝えていた。
ドバイは金持ちの国というイメージがあるが、約210万人の人口の約8割が外国人労働者だ。沸騰ナビゲーターの畑中美樹氏(国際開発センター・エネルギー環境室研究顧問)は、オールド・ドバイ(旧市街)を訪れた。畑中氏によれば、「移民・出稼ぎ労働者の人たちが営々と働き引き継いできた。それが真のドバイ」だという。
値段は日本の倍以上。でも「100箱買いたい」
頓挫していた建設プロジェクトが再開されたドバイで働く外国人労働者たちに人気なのが、日本の”100円ショップ”ダイソーだ。マネージャーのムルチャンダニさんは「毎年売り上げは2桁で伸びています」と好調さを語った。
店内にはパッケージもそのまま、9000種類もの商品が所狭しと並んでいる。ドバイの売れ筋商品は、意外にも「化粧品」や「突っ張り棒」なのだそうだ。そういえばダイソーのパッケージにはアラビア語が書かれていたような気もする。
飲酒できないアラブ人は食後に甘いお菓子を食べる習慣があるが、地元のお菓子は「脳天に突き抜けるような甘さ」で、UAEの糖尿病の発症率は世界第3位。日本の甘さ控えめな菓子がウケており、贈答用としても人気だ。
2012年に「ヨックモック」が日本から進出したきっかけは、その味に惚れ込んだアラブ人が自ら出店したいと願い出たこと。世界最大級のショッピングモールに店を構え、値段は日本の倍以上だが、売り上げは当初の見込みをはるかに超えているという。
ドバイならではの豪華な売り方もある。大きな器に山ほど菓子を盛り付け、皿ごと贈答品やパーティー用にして冷蔵宅配する。ガラス工芸品や金箔漆塗りの箱に入った豪華な商品は、ひとつ5万~8万円以上するが大人気だ。日本のみやげ菓子が中東で人気の理由を、畑中氏はこう説明する。
貿易中継点を攻めれば周辺諸国へも影響与える
イスラム教徒の男性は「カンドゥーラ」と呼ばれる全身を覆う白い服を正装としている。すべてオーダーメードで、ひとり10着は持っている。風通しが良く涼しいのだが、汗でシワになりやすい。
1970年代の繊維危機の際、上質のポリエステルで中東に勝負をかけたのが東洋紡だ。品質の良さで評判を呼び、いまではシェア7割を占めている。
こう話すのは、老舗生地問屋の創設者モハメッド・タェレブさん(80歳)だ。東洋紡の中東担当者・祝 勝弘さんは、ドバイからイラクへ市場拡大をねらい、イラク人バイヤーとの交渉を進めていた。
ドバイ国際空港は、世界の航空会社の103社が乗り入れており世界一だ。ドバイの航空会社エミレーツ航空は世界80カ国に路線を増やし、更にまた新たな空港も建設中だ。
埼玉県ほどの大きさしかないというドバイは、物流と観光拠点を集約して「人・物・金」が集まる世界の中心地、ハブとなっている。日本製品が良いという下地は中東ではすでにできているので、今後もこの好機を生かして市場拡大していく日本企業が多くなることだろう。(ライター:okei)
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