• 2014年就活に何が起きた? 入社予定者の満足度「大企業ほど大きく低下」

    今年の新卒採用について、大企業から「量は確保できたが、質は不満」という声が出ているようだ。リクルートの「就職白書2014」によると、12月時点での採用数が「計画通り」あるいは「計画より多い」とした回答は、5000人以上の大企業で67.7%となった。

    一方、入社予定者への満足度について、「満足」と回答したのは、5000人以上の企業で71.0%。十分高い数字にも思えるが、前年と比較すると8.1ポイントも下落している。

    優秀な人材が「ベンチャーや外資に流れた」説も

    満足度は、全体でも1.8ポイント下がっているが、1000人以上5000人未満の層では0.2ポイント増加。大企業での大きな下落が目立つ。この結果を受けて、ITベンチャー・VOYAGE GROUP代表の宇佐美進典氏は、ツイッターにこんな投稿をしている。

    「ベンチャーや外資に優秀な人材が流れているからなんだろうな。この流れは止まらないと思う」

    就活生の大企業志向は依然として強いといわれるが、それは「フツーの学生」の話だ。いまどきの優秀な学生は、国際的競争力の低い邦銀や、リストラ真っ最中の総合電機メーカーなどにわざわざ就職することはないだろう。

    成長フェーズにあるベンチャーは、「横並び」や「終身雇用」「年功序列」という言葉に魅力を感じない優秀な人材に、多額の報酬を準備している。大企業は「安定を求めるフツーの人材」のたまり場になってしまうのだろうか。

    これまで幹部候補として優秀な学生を集めてきた大企業が、「数は足りてるはずなんだけど、今年はピリッとしたやつがいないんだよなあ」と思ったとしても、あながち勘違いといえないのかもしれない。

    また、大企業が入社予定者に満足しないのは、巨大就職情報サイトを使った「今どきの就活スタイル」が原因となっているという見方も強い。

    ミスマッチを引き起こす「一括エントリー」方式

    ネット就活では、学生は少しでも多くのチャンスを手に入れるために、興味のあるなしに関わらず多くの企業にまとめて「一括エントリー」を行う。1人で100社エントリーも珍しくない状況だ。

    このため、企業は大量の応募をさばかなくてはならず、一人ひとりに時間をかけて審査することができなくなった。これにより、大して志望度の高くない学生が、学歴や、面接でのささいな印象だけで内定を取ってしまうこともある。

    それが後々の「ミスマッチ」につながっていく、というわけだ。こうした状況に一石を投じるために、ドワンゴが受験料制度を導入したのも記憶にあたらしい。

    リクルートキャリアが運営する就職みらい研究所の岡崎仁美所長は、白書の内容を踏まえ、「2015年卒は採用競争が一段と激しさを増す」と予測している。ただ、古い体質の日本企業が採用活動を早めても、優秀な人材の獲得につながる保証はない。

    ネットには、来年も過去最高レベルに厳しいという噂に対し、「ボジョレーヌーボー的なアレではあるまいな」「(煽りながらエントリー数を増やさせようとする)マッチポンプだろ」と冷ややかに見る声も出ている。

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