• 人手不足で「値上げ」避けられぬ? 庶民は「牛丼500円」に耐えられるのか

    「セットメニューとか頼む人は、ホント情弱だと思いますよ。ハンバーガーなら200円、牛丼屋なら使っても300円。飲み物? 水ですね」

    都内企業に勤める会社員Aさん(30)は、日々の食生活をこう話す。入社3年目でリーマンショックに遭遇。以来、給与は安く抑えられてきたが、その分「デフレ」の恩恵も受けてきた。

    しかし、こうした安い価格で外食ができる時代も、終焉を迎えるかもしれない。居酒屋や牛丼チェーンの人手不足が深刻となる中、採用コストや人件費を商品へ「価格転嫁」させる動きが囁かれ始めてきたからだ。

    関東エリアの平均時給「1045円」

    インテリジェンスの調査によると、2014年4月度の全国平均時給は989円で、8か月連続の前年同月比プラス。エリア別では、関東エリアが1045円とすでに1000円台に突入している。

    中でも右肩上がりなのが「フード系」のアルバイト時給で、28か月連続で前年比プラスを記録している。都内ではすでに時給1800円という高額のアルバイトも出てきている。

    この動きに、Aさんは「安月給のサラリーマンには脱デフレの影響は大きい」とユウウツだ。レオス・キャピタルワークス取締役CIOの藤野英人氏も、5月28日の東洋経済オンラインで、「このような動きは消費者にとってもマイナス」と懸念している。

    「引き上げられた時給は結局、価格に転嫁されます。つまり、『安い値段でも良いサービス』というのが、これからの日本では受けられなくなるでしょう。牛丼なんかも、ひょっとしたら深夜割増料金が設定されるかも知れません」

    とはいえ、現在の人手不足は、景気回復や東京五輪需要だけでなく、若者の「ブラック企業忌避」の動きによる影響もある。消費者にとってマイナスだから時給を引き上げるべきではない、という見方は一方的というものだろう。

    待遇改善を前提に「値上げ」を許容する声も

    ネットには、労働者の待遇改善を前提とした値上げを許容する声もある。

    「ゼンショーさん、無理して削減しなくていいから、牛丼の値段や賃金あげてやってよ。 値段に対する量は常々感謝してるんだこちらとしても」

    すき家は4月の消費税増税への対応で、他社が相次いで値上げをする中で、あえて280円から270円と10円の値下げを敢行した。税金は上がるのに価格を下げれば、当然どこかにしわ寄せが行く。

    都内勤務の会社員Bさん(29)は、「外食が安いのはありがたいけど、牛丼270円ってあまりにも安すぎると思う。そりゃ原価は安いかもしれないけど、生きた人間がサービスしてるんですからね。一杯400円くらい取っても違和感ないですね」と首をかしげる。

    かつて2004年にアメリカ産牛肉の禁輸が長引いた際、一部の吉野家で提供された国産牛の牛丼は「並・500円」「大盛・650円」だった。果たして、1年後の牛丼価格はいくらになっているだろうか。

    あわせてよみたい:すき家やワタミ、ブラック企業徹底研究?

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