「社風の良さ」をうたう求人票を疑ったほうがいいワケ
人生がかかった転職活動で、ブラック企業を避けたいのは当然の心理。ここでは、求人を出している企業がブラックかを見抜く、いくつかのポイントを紹介します。
こんな求人票はNG!~職務内容編~
■会社の良い雰囲気「だけ」が強調されている
業績や主力商品、福利厚生など会社としての強みがちゃんとある会社なら、求人ではそこをアピールするはずです。「ウチの会社はこんなに雰囲気が良いんです!」と一点張りの求人は、逆に「それ以外アピールできるポイントがない」と見ることもできます。また「社員は20代が中心」など、若手アピールをやたらと連発する会社にも注意。社内に経験豊富な人材が乏しく、マネジメントが確立されていない可能性があります。
■職種が意味不明なカタカナで書かれている
事業内容や職務内容の説明で、難解な横文字やカタカナが多用されていたり、抽象的なイメージしか語られていない場合は、社員が定着しない仕事だから「なんとなくカッコいいイメージ」を求職者に植え付けようとしている可能性があります。また「何によって利益を上げているのか」が仕事内容から見えてこない企業の求人は注意が必要です。
■初任給が不自然に高い
一般的に、ハードワークな会社や職種は求人の提示年収も高め。しかしブラック求人の場合、年収が高く見えるのは「一定の見なし残業代を含めた金額だから」と考えられます。提示額に「怪しい」と感じたら、基本給なのか額面なのかを企業に確認しましょう。
こんな求人票はNG!~応募資格編~
求人票の「応募資格」の項目から、ブラック求人を見抜くポイントは以下の5つです。複数当てはまる場合は注意が必要といえるでしょう。
■即戦力が必要な中途採用なのに職務経験が不要
(「経験不問」「未経験歓迎」「やる気重視」など)
■選考のハードルが異様に低い
(「書類選考なし」「応募した人全員と面接します」など)
■抽象的な募集条件を出している
(「明るくて元気な人歓迎」など)
■応募資格に精神論が入っている
(「メンタルが強い人」「人の意見を素直に聞ける人」「粘り強い人」など)
こんな求人票はNG!~写真編~
ブラック企業は「写真を撮影しても社員がすぐ辞めてしまう」「社内に疲れ果てた顔の社員しかいない」「人事担当者が忙しすぎてマトモな写真を用意する時間すらない」などの理由から、社内や社員の様子を求人広告に載せたがらない傾向にあります。そのため、プロのモデルを使ったと思われる写真や、商業広告に出てくるようないかにも明るい雰囲気の写真の求人は注意したほうがよいでしょう。また「社員旅行は海外へ行きました!」「社員の家族も招待して一流ホテルでパーティー」といった派手な写真も、会社の規模・実績に釣り合わない場合は要注意です。
(イラスト:山里將樹)