ブラック企業化しやすい会社の6つのサイン
生き馬の目を抜くような厳しさのビジネス界にあっては、ごく普通の企業がブラック企業化してしまうことも珍しくありません。ただし、そうしたブラック企業化もいくつかのサインに注目すれば見抜ける可能性があります。転職先や勤務先がブラック企業化しやすいのかどうか、以下をチェックしてみましょう。
- 中小企業で経営者が世襲制
- 支出に占める人件費が多い
- IT化への抵抗勢力となる社員がいる
- 社内の規約や業務マニュアルなどが明文化されていない
- 長年勤務しているだけで社内を取り仕切る人がいる
1. 中小企業であり、経営者が世襲制で決まった
社長の息子・娘であることと、経営者の資質があるかどうかは別問題。当然、世襲制で決まった2代目社長がリーダーの器じゃなかった…ということもあり得るでしょう。そうしたとき、株式会社であれば株主が経営者を退陣させることもできるのですが、中小企業ではそうもいきません。無能な2代目社長の下で、社内がブラック企業化することも考えられます。
2. 支出に占める人件費の割り合いが多くなった
会社の支出に占める人件費の割り合いが多いということは、「人件費を削ればそれだけ会社が儲ける」ということ。この考えに経営者が取りつかれてしまうと、サービス残業や不当な低賃金労働の横行を招きます。特に飲食業界や介護業界など“人”が財産の業界で起きやすいので、転職前にはチェックしてみましょう。
3. IT化への抵抗勢力となる社員が現れ始めた
効果のないIT化に反対するのならOKですが、正当な理由があってのIT化にまで反対する社員は、新しいものや自分が理解できないものを受け入れたくない人だと見なせます。こうした社員がいる会社では競合他社よりも業務効率が悪くなりやすいため、残業や休日出勤で遅れを取り戻さざるを得ません。結果的に社員が疲弊し、ブラック企業化しやすくなります。
4. 労働規約や業務マニュアルなどが明文化されなくなった
ルールが明文化されなくなると、「その場の空気」や「暗黙のタブー」、「経営層の気分」などで物事が決まりがち。いつの間にかサービス残業が当たり前になっていた、有給休暇を申請しにくい雰囲気だった…とブラック企業的な空気の醸成を招きます。ルールはルールとして文章で定められる会社を選びましょう。
5. 長年勤務しているだけで社内を取り仕切る人が現れ始めた
会社に大きく貢献しているわけでもなく、ただ長く務めているというだけで社内を取り仕切っている人が出始めると、社内に深刻なモラルハザードを招く可能性があります。「なんであんな人が…」と若手社員や有能社員のヤル気が減退し、人間関係はギスギス、社内の派閥争いも起きやすくなるでしょう。結果的に、まっとうに働いている社員にしわ寄せがいくことになります。
上記はあくまでも「ブラック企業化の兆候」ですので、これらのことが起きたからといって必ずしもブラック企業になるとは限りません。しかし日ごろから注意しておけば、いざというときにブラック企業に巻き込まれるリスクを減らすことができます。転職の際にも、上記のポイントに注目して企業を比較検討しておくのがいいでしょう。