ブラック企業問題で活用したい相談窓口
「残業代の不払いが発生している」、「不当に解雇された」、「セクハラを受けている」…。ブラック企業でこうした問題が起きたときに頼りになるのが、各種の専門機関です。近年は相談窓口も増え、労働組合やNPO法人、弁護士団体などで電話相談やメール相談を受け付けています。
労働者は企業から受けた扱いについて、どうしても受け身になりがち。特に独身者の場合、問題が深刻になるまで一人で抱え込んでしまう傾向にありますから、専門家からのアドバイスを受けましょう。もちろんいずれも電話相談は無料ですし、個人の秘密も厳守されます。
行政機関
総合労働センター
各都道府県の労働局に設けられている労働問題の総合相談コーナーです。労働条件や過重労働、サービス残業、職場での嫌がらせといった労働問題に関して、面談または電話で相談を受け付けています。都道府県ごとに相談窓口が異なるので、以下のURLから居住地の相談窓口を探してみてください。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
東京都労働相談情報センター
東京都労働相談情報センターの相談窓口です。サービス残業や退職金未払い、パワハラやセクハラなど労働問題全般にわたって相談に応じています。土曜日も電話受付しているので、働く人には使いやすいでしょう。
東京都ろうどう110番 0570-00-6110
受付時間:月~金曜日の9時~20時、土曜日の9時~17時
(祝日および12月29日~1月3日を除く)
人権相談
法務省が運営する相談窓口です。労働問題の専門窓口ではありませんが、セクハラやパワハラ、アルハラ(アルコールハラスメント)といった職場での嫌がらせ・いじめに関する相談事は、こちらでも相談可能です。話し合いの仲介や専門機関への紹介、関係者への勧告・要請などを行います。電話相談のほか、ホームページからネット相談も受け付けています。
みんなの人権110番 0570-003-110
http://www.moj.go.jp/JINKEN/index_soudan.html
労働組合、NPO法人
連合(日本労働組合総連合会)
日本最大の労働組合である「連合」の窓口であり、労働問題全般について相談を受け付けています。フリーダイヤルにかけると、全国の最寄りの地域の連合へとつながります。受付時間は地域によって異なりますが、およそ平日9時~17時の間です。フリーダイヤルの番号は、以下のURLから知ることができます。
全労連(全国労働組合総連合)
連合と同じ全国規模の労働組合です。以下のURLから労働相談ホットライン(フリーダイヤル)へ電話すると、最寄りの地域の全労連へとつながります。こちらも受付時間は地域によって異なりますが、およそ平日9時~17時の間で受け付けています。
労働相談センター
東京都の5つの労働組合が共同で設立したNPO法人です。賃金や解雇、労災、ハラスメントなどあらゆる労働問題について、電話相談やメール相談を受け付けています。日曜日の電話相談も受け付けているので、時間がない人でも利用しやすいでしょう。電話番号は、以下のURLから知ることができます。
受付時間:月~金曜日9時~17時、日曜日12時~17時
弁護士団体
日本労働弁護団
労働者と労働組合の権利保護のために、全国の弁護士によって組織された団体です。不当解雇や賃金未払いなどに関して、法律面からのアドバイスを行っています。電話による相談は無料ですが、相談の結果、弁護士の事務所での面接相談などを行う場合は費用がかかることがあります。
労働相談ホットライン(地域ごとに番号が異なります)
http://roudou-bengodan.org/hotline/hotline.php
専門家に相談する前に
ブラック企業について専門機関に相談する前に、相談内容をしっかり整理しておきましょう。「5W1H(誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように)」を把握しておくことで、問題の所在が明らかになり、相談を受ける側もアドバイスしやすくなります。メモや証拠を残しておくと、相談もしやすいでしょう。
また言うまでもないことですが、専門機関の相談窓口はあなたのグチや個人的な恨みを聞くところではありません。あなたが感じている辛さが単なる「仕事をするうえで当然の苦しさ」なのか、それとも「一般常識や法律から見て許されないこと」なのか、この2つを区別したうえで相談する必要があります。
相談するのをためらってしまう人は…
ブラック企業からの被害を受けていても、「相談までするのはちょっと…」とためらってしまう人もいるでしょう。セクハラなどのデリケートな問題であればなおさらですし、「他人は頼りにならない」と考えている人も少なくないでしょう。
しかし近年はブラック企業問題が広く周知されていますから、適切な相談内容に対して、専門機関側がいい加減に対応することはまずありません。また、とにかく誰かに悩みを聞いてもらうだけでも心の苦しみは軽くなるものです。助けを求めることを恥ずかしがらず、まずは一歩踏み出してみましょう。