第二新卒の転職が厳しくなっている理由
転職市場に一定の割合で存在する「第二新卒」と呼ばれる人々。ここでは第二新卒の転職市場での立ち位置や割合を見ながら、彼らに対する企業側の思惑にも触れていきます。
大卒者の3人に1人が第二新卒に
まず第二新卒の定義からおさらいしましょう。第二新卒とは一般的に「最終学歴修了後、3年未満で転職を志す人」と解釈されています。よく混同されがちな「既卒」は「最終学歴終了後、一度も就労経験がない」という人になります。
なお、ここで言われる就労経験とは年齢や雇用形態に関係ありません。正社員だけでなく契約社員や派遣社員、パート、アルバイトなどで働いていたことも就労経験に含まれます。したがって、「大学を卒業して以来3年間、就職活動をしながら複数のアルバイトを転々としてきたフリーター」という人も第二新卒となります。
厚生労働省の新規学卒者の離職状況(平成 22 年3月卒業者の状況)によると、大卒で入社した人の場合、3年以内に離職した人の数が31.0%。約3人に1人が3年以内に辞めるわけです。むろん、その多くが転職や再就職を目指すと考えられますから、新卒者の3人に1人は第二新卒となると考えていいでしょう。
転職では、即戦力人材とリベンジ転職者がライバル!
2007年にリーマンショックが起きたころ、各企業はリストラを進める一方で「採用・育成コストが安くポテンシャルが高い」という見込みのもと、第二新卒を大量採用する傾向にありました。しかし最近ではグローバル化や市場競争の激化により、経験豊富な30代~中高年を即戦力として採用したい企業が急増しています。
また、景気回復の気配が見えてきたことから、リーマンショックの頃に不本意な新卒就職をして力を蓄えた20代後半のリベンジ転職も増加しています。つまり第二新卒が転職を考える場合、30代の即戦力人材を求める企業と、キャリアアップを目指す20代後半のライバル転職者たちを相手にしなければならないのです。
即戦力になりにくい第二新卒の場合、20代後半以上の求職者に比べてどうしても経験や知識不足が目立ってしまいます。確かに2014年に入ってから有効求人倍率が1.0倍を上回るなど、全体の求人数は回復しています。しかし、転職市場で第二新卒が置かれたポジションは以前ほど有利とはいえなくなりつつあると認識する必要はあるでしょう。