今さら聞けない! 営業職に必要なコミュニケーション能力
仕事のみならず、日常生活でも必要不可欠といえるコミュニケーション能力。営業職であれば、普段の仕事の中でも、転職時の選考においても、特にこの能力が重要視されます。このコミュニケーション能力は、大きく次の3つに分けられます。
- 人間関係を構築する能力
- 相手の話を“聞き出す”能力
- 相手に情報を正確に伝える力
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1. 人間関係を構築する能力
営業職にとって最も大切なことは、顧客との人間関係を構築する能力です。この能力は、「自分に親近感を持ってもらう能力」とも言えます。例えば「名刺交換で自分のことを知ってもらう」「雑談からお互いの趣味の話をする」など、これらはどれも親近感を持ってもらい、人間関係を構築する能力と言えます。
人間関係構築のための参考になるのが、あなたがこれまでに培ってきた人間関係。例えば同年代の顧客相手であれば、友人との会話のように、趣味や好きなテレビ番組などのちょっとした共通点から親近感を抱いてもらえるでしょう。逆に、年上の顧客であれば、教えを乞うような態度、尊敬するような態度で接すると相手を上手に“持ち上げる”ことができるかもしれません。こうした接し方は、親や学校の先輩・教師との付き合い方で学べるものです。
2. 相手の話を“聞き出す”能力
次に必要になるのが「本当のニーズを聞き出す」コミュニケーション能力です。じっくりと相手の話に耳を傾けて、相手が何を望んでいるのか、要求していることの本質はどこにあるのかを見極める能力と言えます。
相手が本当に伝えたい本質的な話を聞き出すことで、初めて顧客の求める要望や抱えている課題などが浮き彫りになってきます。例えば、「社内の会計システムをもっと効率よくしたい」という顧客の要望があったとします。しかし、「どういう問題が起きているのか?」「その問題に対し、なぜ会計システムが非効率だと思うのか?」などと質問することで、「実は社内ITネットワーク全体が問題だった」という本当のニーズが明らかになるかもしれません。
営業は物やサービスを提案・販売することが仕事ですが、相手のニーズに合わない提案は受け入れられるはずもありません。その本当のニーズを把握するために、“聞き出す能力”が必要になるのです。
3. 相手に情報を正確に伝える力
コミュニケーション能力で最も大きなポイントとなるのが、情報を正しく相手に伝える能力です。自分の言いたいことが、情報として正しく相手に伝わっているか。資料に使われているデータなどが適切であるか、などが大切になります。
このとき、相手の“立場”を理解することも必要です。例えば、相手が今の話題についてどれくらいの知識を持っているのか知らなければ、解かりやすくざっくり話したほうがいいのか、細かい点まで話したほうがいいのか判断できません。
また相手に決裁権がない場合、いくら製品のメリットを力説したところで、最終判断を得られるわけではありません。それよりも、情報を整理してその人が上司・経営陣にメリットなどを伝えやすいようにしてあげることが大事です。そうすることで、決裁権を持つ人物との接点を築く足掛かりになるでしょう。
相手の置かれている環境を推測して、その環境に合わせた情報を提供すること。それができるようになれば、営業職に必要とされるハイレベルなコミュニケーション能力が備わっていると評価されるはずです。
ひと言でコミュニケーションと言っても、求められる能力は多岐にわたります。家族や友人などと日ごろから円滑なコミュニケーションを取れるようにしておけば、顧客との信頼性も高められるでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/山下正幸)