「営業に向いてない!」と嘆く前に確認したい5つのポイント
営業職に就いている人なら、誰しも一度は「自分は営業に向いていないのでは?」と考えたことがあるのではないでしょうか。ノルマが上がらないときや、思うようにアポが取れないときなど、まさにこうした疑問に襲われます。
しかし、簡単に向き・不向きを決められないのが営業という仕事。例えば普段は人と話すことが苦手でも、商材に関する豊富な知識を武器に高い成績をおさめている営業パーソンもいます。逆に、社交的な性格で人とのコミュニケーション能力に長けているように見えて、営業成績はなかなか上がらない人もいます。
こうした違いは、一体どこにあるのでしょうか。以下の5つのポイントを見直すことで、営業職に求められているものを改めて考えてみましょう。
- セールストーク
- 商材の知識や魅力の把握
- ニーズと商材の合致
- 営業戦略
- PDCAサイクルによる営業管理
ポイント1:セールストーク
セールストークは、営業マンにとって知恵と試行錯誤の結晶です。ちょっとした言い回しや無駄なトークに思える内容が、実はとても重要な意味を持つこともあるでしょう。そしてセールストークは、誰もが最初から身に付けられるものではありません。長年の経験の中から学び、少しずつ磨かれていくものです。
そのため、セールストークは自分流で適当に解釈するのではなく、まずは上司や先輩社員からの教えに沿って身につけていくことが大切です。「とにかく売ればいいんでしょ?」と思わず、言葉の端々まで気を付けてみましょう。
ポイント2:商材の知識や魅力の把握
商材・サービスのメリットや特徴について、パンフレットに書いてあることをただ暗記していませんか? いくら素晴らしい商材やサービスでも、あなた自身がその魅力を理解できていなければ、顧客に伝えることはできません。
パンフレットや仕様書を丸暗記するのではなく、自分の中で消化し、かみ砕いてよりわかりやすい言葉で伝えられるようにすることで、知識ゼロの顧客にも有効にアピールできるようになります。
ポイント3:ニーズと商材の合致
いくら自分がほれこんだ商材であっても、買い手側のニーズに合っていなければ売上は伸びません。ただ押し売りするのではなく、「顧客が本当に求めているものは何か? そのために自分は何を提供できるか?」を考えることが、レベルの高い営業職への第一歩です。
常に顧客ニーズを分析し、ときにはその情報を商品開発部や企画部に共有することで、売れる商材を獲得していくことも重要です。
ポイント4:営業戦略
販売成績が伸び悩み、その原因が思い当たらないときには、営業戦略の基本的な見直しを行ってみましょう。ターゲットとなる顧客リストは適切に作成されているのか、適した商材でアプローチできているのかなど、意外なところに不振の原因があるかもしれません。基本に立ち返って「誰に、何を、どのように販売するのか」を明確にさせることが大切です。
ポイント5:PDCAサイクルによる営業管理
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行・行動はしているかどうかリストはり、ニーズの少ない商材やサービスには)」「Check(点検・評価)」「Act(処置・改善)」という4段階の頭文字をつないだ言葉です。それぞれ、次のような内容を表します。
- ・Plan:これまでの実績や将来予想をもとに営業計画を作成
- ・Do:計画に沿った業務を実施
- ・Check:計画に沿って正しく業務が行われているのか、またその効果等を確認
- ・Act:チェックの結果に応じ、適切な対処や改善を行う
円滑にPDCAサイクルを繰り返すことで、営業業務や商材そのもののスパイラルアップ(継続的に業務の改善)をはかることができます。もし毎日の業務が「ルーチンをこなすだけでマンネリ化している」と思ったら、このPDCAサイクルを意識して繰り返すようにしましょう。
「営業に向いていないのでは?」と悩む前に、まずは冷静に状況を分析してみましょう。手法の改善によって、営業成果が大きく変わることは少なくありません。取り組むべき課題が見つかれば、その改善に向けて全力で取り組むだけです。もちろんこうした課題解決に取り組む姿勢は、転職でも高く評価されますから、キャリア形成にもプラスです。(ライター:ナレッジ・リンクス/山下正幸)