こんな違いが! 外資系企業への営業職の転職
「営業職として大きく羽ばたいてみたい!」。そう考える人の中には、転職先として外資系企業を視野に入れる人も少なくないでしょう。昨今では多くの海外企業が日本に進出しており、外資系企業への転職はもはや珍しくありません。当然ながら、営業職として活躍できるフィールドも広く用意されています。
しかし日系企業から外資系企業へ転職する場合、環境の違いに戸惑ってしまうかもしれません。日系企業の営業職と外資系企業の営業職で、特に気を付けたい違いは以下の5つです。
- 厳しいノルマが課せられる
- 昇給・昇進が成果型である
- スケジュール管理の自由度が高い
- 決裁フローが複雑
- 海外とのやり取りが多い
1. 厳しいノルマが課せられる
外資系企業は、成果を何よりも重視する傾向にあります。そのため営業職については事前に目標を立て、その必達がノルマとして課される場合が多くあります。
もちろん、日系企業でも目標管理は行われていますが、外資系企業のノルマはそれよりも厳しい場合が多いようです。営業成績はシステム等で管理され、全社内でその情報が共有されることもあります。上司もあなたのノルマの達成状況を管理しており、「大丈夫なのか?」「どうするんだ」と迫られることも。ノルマ達成のためには、そうした周囲からのプレッシャーにも耐えうる強い精神力が求められるでしょう。
2. 昇給・昇進が成果型である
厳しいノルマはありますが、成果を挙げられる人、あるいは意欲的に上を目指せる人にとってメリットもあります。外資系企業では成果を正当に評価する体制があり、賞与はもちろん昇給・昇進にもダイレクトに繋がります。もちろん昇給・昇進に伴い、課されるノルマや責任も重くなりますが、それをバネに出来るような人物であれば、大きな成功をおさめられるはずです。
逆に、評価がシビアな分、減給・降格もありえます。役職や年収を維持していくためには、成果もまた保たなければいけません。周囲との競走も激しい中、より大きな成果を出せる社員がいれば、役職が入れ替わることもあるでしょう。
3. スケジュール管理の自由度が高い
外資系企業ではフレックス制などを設ける会社が多く、時間配分やスケジュール管理については日系企業よりも自分の裁量で判断できます。
自由度の高さが一見すれば魅力とも思えますが、高い自律性─つまり自らに厳しいことが求められます。時間を有効に使わなければ無駄な時間が生まれますし、無駄が多いとどこかに妥協が出てしまうもの。外資系企業への転職者には「管理されている方が楽だった」と言う人もおり、自らのスケジューリングで成果を挙げていくことは、想像以上に難しいようです。
4. 決裁フローが複雑
契約手続きや販売金額の調整、あるいは新しいシステムの導入など、社内決裁が必要となることは多いでしょう。外資系企業では、日系企業よりもこのフローが複雑になることがあります。日系企業であれば国内にいる上司・役員など数名を経て承認を受けられますが、外資系企業の場合、本国への申請が必要となる場合があるからです。
本国内でのフローを経ている分、承認を得るまでにかかる時間は当然ながら長くなります。また目の届かない海外でのフローにおいて、申請者からも「今現在、どのような状況にあるのか」が見えづらいこともあるでしょう。想定以上に時間がかかってしまい、商談の進行に影響を与えることも考えられます。
5. 海外とのやり取りが多い
外資系企業では、本国社員とオンラインで会議を行ったり、あるいは出張したりすることもあります。また、全社統一で導入している営業支援システム等があれば、その利用にあたって海外企業とやり取りが必要とされる場合もあるでしょう。
営業職として転職する場合、国内が営業活動のフィールドであれば必ずしも英語は必須ではありません。しかしグローバルに活躍したい、あるいは責任ある立場を任されたいと望むのであれば、英語力が必要となってくるでしょう。日系企業でもグローバル化によって英語力を求めるケースが増えていますが、外資系企業はよりその傾向が顕著です。海外支社・本社への勤務など、英語力があることで業務の幅が広がることは、外資系企業のメリットとも言えます。
同じ営業職への転職でも、日系企業と外資系企業とではさまざまな違いがあります。転職後に苦労・後悔しないためには、イメージだけではなく、その実情を理解したうえで判断することが大切です。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)