面接官が“落とす”営業パーソンの特徴5つ
中途採用の求人を出す際、人材に何を求めているのかは企業によって異なります。業界や取り扱う製品・サービス、あるいは抱いている経営課題など、募集背景も多様でしょう。しかし営業職において、いくつか共通する“落とす基準”があります。
どのような営業パーソンが面接官に選考から落とされてしまうのか、その代表的な特徴を5つご紹介しましょう。
- 基本的なビジネスマナーが間違っている
- 身だしなみが整っていない
- 質問に対する返答内容が意図からはずれている
- 会話の中身がまとまっていない
- 自分を上手く売り込むことができない
1. 基本的なビジネスマナーが間違っている
転職者の中でも社会人経験が浅い、あるいは教育体制がしっかりしていない企業に勤めていた人の場合には、ビジネスマナーが間違っている場合があります。営業職は、会社の顔として多くの企業に出向くことになります。挨拶や名刺交換、着席場所、あるいは言葉遣いなど、ちょっとした間違いが失礼に当たることもありますが、大切な商談の場ではこれが致命的なミスになることもあります。
自分の身につけているビジネスマナーが正しいか、転職活動を始める前に改めて確認しておきましょう。面接官は即戦力として見ていますので、社会人の基本とも言えるビジネスマナーが間違っていれば、不採用の大きなキッカケとなりかねません。
2. 身だしなみが整っていない
職種に限らず共通したポイントですが、社外の人と頻繁に会う営業職にとっては特に重視されます。身だしなみは第一印象に直結し、第一印象が悪ければ訪問営業でも門前払いされがち。顔や髪といった部分だけでなく、シャツにシワが無いか、ジャケットが汚れていないか、靴が磨かれているか等、普段あまり意識していない点まで注意しておきましょう。
同じ会社である程度の経験を積むと、少しずつ着こなしにオシャレを意識し始める人も見受けられます。しかし面接官にとって、現職・前職でのことは関係ありません。あくまで面接に相応しい身だしなみを意識することが重要です。
3. 質問に対する返答内容が意図からはずれている
営業活動ではヒアリング能力が大切です。相手が何を求め、何に困っているのか。会話の中からそのニーズを的確につかんで初めて、自社の製品やサービスを提案できます。そのため、面接での質問に対して的はずれな回答をしてしまうと、「この人は質問していることを理解していないな」と思われてしまいます。
相手がその質問で何を知りたいと思っているのか。それを的確に汲み取って回答を返すことは、営業の仕事にも繋がる基本的なコミュニケーション能力といえます。近年は、どのような質問にも自己PR混じりの回答で答えてしまい、質問意図をくみ取れなくなってしまう人が少なくないので、要注意と言えるでしょう。
4. 会話の中身がまとまっていない
相手の求める回答を返していても、説明が回りくどかったり、結論まであちこち脱線し過ぎたりしていると、営業職としてのコミュニケーションに欠けると思われてしまうかもしれません。
商談では常に相手から貴重な時間をもらい、限られた時間の中で提案を行います。そのため伝えたい結論や要点を明確にまとめ、起承転結を意識して提案に落としこむことが大切です。「結局何が言いたいの?」などと思われてしまうと、商談決裂になってしまう可能性もあります。また、いつまでも結論の見えない提案は相手を飽きさせてしまい、興味を持ってもらうことができません。
5. 自分を上手く売り込むことができない
営業として大切な役割の1つが、相手に自社の製品・サービスを売り込むことです。面接においても同じ意識で臨むようにしましょう。面接の場において売り込むものは、自分自身です。相手企業の採用背景を理解したうえで、自分が入社するとどのようなメリットがあるのか。あるいは、企業の課題解決に向けて具体的にどんな力と成り得るのかを、自らの言葉で伝えます。
なかなか採用を得られない営業希望者の多くが、この“売り込み”に失敗しています。例えばマニュアル的な回答に終始し、独自性のないPRばかり展開する面接では、面接官も「なぜあなたを採用すべきか」の決め手を得られません。同じポジションに複数名が応募するケースの多い転職において、決め手がないということは、逆に落とす理由となってしまいます。
今回取り上げた内容はほんの一例ですが、もし思い当たることがあれば、転職前に対策を立てる必要があるでしょう。友人や家族などを相手に面接練習を行い、他者から見たうえでのフィードバックを得ることもおすすめです。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)