転職にも有利! 営業職が身につけたい文章力
営業職に大切なスキルといえば、トークスキルや傾聴力を挙げる方が多いでしょう。確かに、これらの能力は営業職で必須です。しかしこれらは相手と直接対面するシーンで効果を発揮するスキル。時にはメールや企画書など、文章力を駆使して自分の意思を伝えなければいけないシーンもあります。ここでは営業職として身につけておきたい文章力について、その重要性と身に付けるためのポイントをご紹介していきましょう。
なぜ営業に文章力が必要なのか
営業は言葉だけでなく、文章によって“伝える”機会の多い仕事です。特に具体的な商談へと入る前の段階においては、文章力がキーとなることが少なくありません。逆に言えば、文章力を磨くことで直接顔を合わせての商談機会を得られる可能性が上がるということです。例えば次のような場合に、文章によるコミュニケーションが求められます。
- ・メールでのやり取り(アポ取得、交渉)
- ・営業ツール用のパンフレット作成
- ・社内外における企画書および報告書制作
- ・商談時のプレゼンテーション資料制作
- ・顧客へのお礼の手紙
直接的な会話と比べると、文章によるコミュニケーションは難易度が上がります。ボディランゲージや声のトーンを使い分けることができず、相手の顔色をうかがうこともできないのに、的確な連絡や提案を行わなければいけないからです。
しかしうまく文章力を活用できている人が少ない分、営業職としてライバルに差をつけられるポイントでもあります。優れた文章は読み手に言いたいこと・伝えたいことをダイレクトに届け、知らず知らずのうちに納得させてしまいますから、アポの約束を取り付けたり、商品・サービスのメリットを周知させたりするのに役立つでしょう。
また転職活動を行う際には、履歴書や職務経歴書の作成でも文章力が生かされます。書類の文面から相手に「会ってみたい」と思わせること。あるいは、知的、意欲的といった好印象を与えることに、文章力が発揮されるのです。
文章力を磨くための実践トレーニング
文章を書く機会を増やそう
文章力を磨くには、何よりも“書く”機会を多く持つことが大切です。その際、誰かからフィードバックを得られる環境があるとベスト。いくら書いていても、それが文章としてどうなのかは自分に分かるものではありません。そのためにはブログやFacebookなどで長めの文章を書くのがおすすめです。ビジネス文書とは少々性質が異なりますが、読み手がいることで「読みやすさ」「わかりやすさ」を意識した文章作成が行えます。コメントや閲覧者数など、参考ながら読み手の反応を見られるのもポイントです。
読み手のことを意識しよう
文章もコミュニケーションの一種、つまり双方向のやり取りだと考えましょう。ただ好き勝手に書かれた独りよがりな文章は、読み手に「何が言いたいの?」、「矛盾してないか?」と不信感を抱かせてしまいます。逆に、「最初に箇条書きで言いたいことをまとめておこう」、「誤解されないように、分かりやすい例を入れておこう」などと考えながら書くことで、読み手がすんなり理解できる文章になります。
特に、他業界や他職種の人に文章を読んでもらう場合は、文章が専門的になり過ぎないよう注意が必要。専門用語がいくつも並ぶ文章では、相手の頭にクエスチョンマークを浮かべてしまうでしょう。必要に応じて、簡単な言葉に言い換えたり注釈をつけたりする工夫が求められます。
読みやすい文章・分かりやすい文章を参考にしよう
普段のやりとりで「この人の文章はわかりやすい」と感じる人がいれば、アドバイスを受けるのもおすすめです。見本となる文章を見つければ、あとはそのスキルを自分に取り入れていくことができます。相手も「文章を参考にしたい」と言われれば、悪い気はしないはずです。社内のメールや文書であれば、先輩や上司から積極的に意見を得るようにしましょう。
たくさんの本を読もう
本を読むことも、文章の書き方を学ぶうえでは良いトレーニングとなるでしょう。ほとんどの書籍は、編集者が文章を整え、読みやすさやわかりやすさを意識した文章に仕上げています。特に良いと思った書籍に出会ったら、その文章をまねしてみましょう。言い回しや構成(どのように導入し、どのように結論付けているか)など、参考になることは数多くあります。
まずは文章を書く機会を増やすなど、身近に出来るトレーニングから始め、営業として必要な文章力を身に付けてください。上記のトレーニングを継続することで、着実にあなたの力となるはずです。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)