ベテラン営業職に共通する4ポイント
新人として入社した営業社員も、経験を積むことでベテランへの階段を登っていきます。ベテランと呼べる年数は企業によって異なりますが、経験と共にベテランだからこそとも言える強みや特徴が現れてくるでしょう。ではベテラン営業職にはどのような共通点があるのでしょうか? 将来、周囲から求められる人材になるためにも、単なる営業メンバーとベテラン営業マンの違いを確認しておきましょう。
- トラブルに物怖じしない
- 計画性がある
- 簡単にはあきらめない
- 付加価値を提供する
1. トラブルに物怖じしない
営業活動を進めていけば、誰しも思わぬトラブルに遭遇することがあります。受注数の間違い、商品へのクレームなどもあるでしょう。こうした困難を数えきれないほど乗り越え、どのようなトラブルでも物怖じせず、冷静に対応できるのがベテラン営業職です。
例えばクレームの連絡が入った場合でも、取るべきアクションが頭の中に描けます。ただ状況を冷静に整理できるだけでなく、過去の似たような事例を参考にしながら、適切な対応を導き出すことができるでしょう。また、相手の怒りがどの程度であるかを、電話やメール等から読み取ります。その経験に基づいた姿勢は、社内での信頼にも繋がるのです。
2. 計画性がある
新人時代は、とにかく数を重視して営業活動を行うことも多いでしょう。しかし闇雲に行っても、成約確度は上がりません。ベテラン営業職になると、営業活動にも計画性が生まれます。自社の製品・サービスの特徴から適切なターゲットを選び抜き、相手に応じて伝えるべき特徴や強みを考えます。ターゲット企業について調べ、事業内容や企業方針などに合った営業トークを展開するのです。場合によっては、ターゲット毎に異なる提案資料を作成することもあるでしょう。
計画を練るためには、裏付けとなる豊富な経験が必要です。成功だけでなく失敗からも学ぶことで、無駄なアポイントや飛び込み営業を行いません。情報収集能力や提案力もまた、いくつもの営業活動を経たからこそ身につくスペシャリティと言えるでしょう。
3. 簡単にはあきらめない
どれだけ経験を積んでも、営業活動は一筋縄ではいきません。商談が難航したり、断られたりすることは数多くあるでしょう。しかし、そこで簡単に引き下がっていては大きな成果は得られません。他の商品を提案してアプローチを切り替えたり、少し期間を空けてから再アプローチしたりといった具合です。あるいは、断られた商談をその理由から再考し、成約へと逆転させるベテラン営業職もいます。
しかし「あきらめない」といっても、しつこく商談を続けようとすることではありません。新人ならばあきらめてしまう事態でも、ベテランにとっては「まだなんとかなる」と踏ん張れるということです。そのためには、やはり高度な営業スキルに裏付けられた自信を身につけることが必要となります。
4. 付加価値を提供する
営業職の役割は、自社の製品・サービスの提供によって売上をあげることにあります。しかし目先の売上のみに注力していては、その場その場では売上を達成できても、長期的に成果と上げ続けることが難しくなります。年を重ねると徹夜・外回りは厳しくなりますし、他社とのシェア争いもあるでしょう。
そのため、ベテラン営業職は商品・サービスだけでなく、プラスアルファの付加価値を顧客に対して提供します。例えば「情報」です。相手の役に立ちそうなニュースはもちろん、自身の経験や独自に持ちうるデータなどを適切に提供します。あるいは「人脈」という付加価値もあるでしょう。社内の別部署の人間を紹介したり、顧客に対して別の顧客に紹介したりといった具合です。
付加価値の提供は、例え製品・サービスを購入してもらえなくても行うことが肝心です。お礼メールで情報提供を行う、立ち寄りがてら困っていることをヒアリングするなど、ちょっとしたことが信頼に繋がり、長期的な関係構築に繋がっていくのです。
ただ年数だけを重ねているだけでは、営業職として大成できません。ベテラン営業職の域に達するには、毎日の努力と工夫、心がけが欠かせないでしょう。経験の積み重ねが、営業職としてスキルアップに繋がっていきます。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)