営業に差が出る「雑談力」を身に付ける方法
営業の商談で初めて会う顧客との間には、警戒心や懐疑心という見えない壁があります。商談を進めるためには、まずこの壁を越えることが重要です。ではどうすれば良いのか。有効な方法の1つに、「雑談」が挙げられます。しかし特に若手を中心として、「雑談が苦手」という人は多いかもしれません。
なぜ雑談が必要なのか?
営業で成果を挙げるためには、相手のニーズを的確に把握することが必要です。しかし初対面の人に対して、腹を割って話してくれることなどほとんどありません。初めて会う営業パーソンから「御社の喫緊のビジネス課題は何ですか?」と聞かれて、ほいほい情報を明かす人はいませんよね。しかし雑談であれば違います。商談とは関係のない話題であれば、相手も警戒する必要はありません。
雑談では、興味を引き出す話題を見つけることが大切です。趣味の話をしたり、相手企業にとって有益な情報を提供したりといった具合です。こちらが話すのではなく、相手が会話に参加できるような話題を振ることが大切です。それによって会話が生まれ、次第に相互の距離が縮まるでしょう。つまり、営業商談のトークにも耳を傾けてもらえるようになるのです。
雑談力を磨く4つのコツ
それでは、実際に雑談力を磨くためのコツを見ていきましょう。
<事前に情報を集めておく>
雑談のネタはあらかじめ用意しておきましょう。そのためには、情報収集が欠かせません。特に役立つのがインターネット。顧客企業のホームページにはたいていの場合、新製品のリリースや組織変更などについての新着ニュースがあります。事前に目を通しておけば、「新サービスのリリースを拝見しましたよ」、「新しい支社ができたんですね」といった話題が生まれます。
また、近年は自社のSNSアカウントを持っている企業も多くあります。「御社のFacebookを拝見しましたが、先日はお花見だったんですね。うらやましいな~」といった会話から、親しくなるきっかけが掴めるでしょう。その他、相手企業の業界についても調べておきます。業界動向を把握しておくことは、商談自体にもプラスとなるでしょう。もし相手がまだ知らない情報であれば、情報通として感謝されるかもしれません。
<相槌で相手に話させる>
雑談のポイントは、相手に話してもらうことにあります。そのためには、話の要所を繋ぐ“相づち”が大切です。ただ頷くだけでなく、「なるほど」、「そうなんですね」など話の展開に合わせた相づちを打つと、相手も話が進めやすくなります。商談に関わらず、普段から誰かと会話する機会は多いでしょう。相手が話しているときは意識的に相づちを打つようにし、タイミングを掴む練習を行っておくと安心です。
<5W1Hで話題を広げる>
雑談を盛り上げる簡単な方法は、「5W1H」で話題を広げることです。例えば釣りに行ったという話なら、
あなた「いつ行ったんですか?」
相手「先週の土曜に行ったんだよ。」
あなた「どこで釣ったんですか?」
相手「少し遠出して、◯◯に行ってみたんだ。」
あなた「◯◯! 遠いですね。なぜ◯◯を選んだんですか?」
といった具合です。これだけで相手から会話を引き出し、盛り上げていくことができるでしょう。ただし同じことを何度も言わせないよう、しっかり相手の話を覚えておく事が大切です。繰り返し同じ話をさせられれば、誰でも「話を聞いていないのか」と不快に感じます。
<応用の効くネタを用意しておく>
相手あるいは企業によっては、良い話題が見つけられないことがあるかもしれません。そんな際には、どんな相手でも応用できる鉄板ネタを用意しておくことです。よく営業職が雑談ネタとして用いるものを、いくつかご紹介しておきましょう。
- ・天気ネタ
- ・政治、経済系の時事ニュース
- ・スポーツネタ(特に男性)
- ・所在地周辺の地域ネタ(美味しい飲食店など)
雑談力を磨くと、商談がスムーズに進められるようになるはず。雑談力は会話力の1つでもあり、例えば転職活動の面接でも活かされます。初対面で場を盛り上げられることは、営業職として高評価に繋がる可能性が高いでしょう。まずは日常的な会話から、意識してみてください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)