目標達成型の営業職になるための意識改革3ポイント
営業職の大きな使命と言えば、やはり「売上をあげること」に尽きるでしょう。求人情報を見ても、よく「成果にこだわれる」「ノルマ達成に意欲的」「目標にコミットできる」といった人物像が挙げられています。
しかし実際には、誰もがノルマ達成に向けて前向きに取り組んでいるわけではありません。特に、経験の浅い若手社員ほど「できればノルマなど考えず、マイペースに営業したい」と考える人も多いでしょう。しかしそのままでは、営業職としてキャリアアップすることは難しいはずです。目標達成型に変わるためのポイントを3つご紹介します。
企業への貢献度を数字からひも解く
会社員は仕事に対して給与を受け取っています。では、どこからその給与が支払われているのか? それは売上です。そして営業職は、その売上を獲得する最前線に立っています。営業が受注・成約を得られなければ、その後の工程に進めることはできません。売上がゼロになれば、当然ながら給与を支払うことも出来ないでしょう。売上達成による企業への貢献が、自身に対する評価(=給与)に繋がっていることを理解してください。
では、今の自分はどのくらい企業に貢献できているのか。営業ならば、売上という明確な数字からひも解くことができます。もちろん、売上が100万円あるからといって、100万円の給与を得るに値するわけではありません。材料費や製造費、他社員の給与などさまざまなコストがあるのです。いくら営業が受注・成約を獲得しても、サービスを開発あるいは提供する人材がいなければ成り立ちません。
そこで、そうしたコストを省いた純利益を計算してみましょう。利益もまた全てが給与になるわけではありませんが、1つの指針になるはずです。自身の営業活動によって得られた利益が給与を下回っていれば、会社からの評価は下がるかもしれません。給与にも影響が出るでしょう。そう考えれば、自ずと危機感が生まれ、目標達成に積極性が生まれてくるはずです。
短・中期目標に落としこむ
多くの企業では、まず年間目標など長期的な目標が立てられます。その中から、社員1人1人にも達成すべき目標数字が与えられるでしょう。しかし遠い先の目標には、誰でも現実味が持てないものです。
そこで長期的な目標から逆算し、1ヶ月、1週間、あるいは1日単位の短・中期的な目標を決めましょう。「年間1000万円の受注」という目標があるのなら、12か月で等分して「月間約84万円の受注」と考えるのです。そうすると、「そのためには1週間に5件は商談にこぎつければいい」、「1週間に5件商談するためには、1日30件のテレアポが必要だ」と具体的な活動目標が決まっていきます。つまり、目標への道筋が見えてきます。
若手社員などであれば、経験豊富な先輩・上司に相談すると良いでしょう。成約確度や現実的な活動工数などを熟知していますから、現実的なプランニングの助けとなるはずです。
現状を“見える化”する
毎日闇雲に営業活動していても、気がつけば目標を達成しないまま時間切れ…などということになりかねません。堅実に目標を達成していくためには、常に現状を把握することが大切です。具体的には、日々以下のような情報を書き出して確認しましょう。
- ・活動件数(テレアポ数、訪問数 等)
- ・進行中の案件(成約確度および成約時の予定売上)
- ・累積売上
- ・目標に対する不足売上 など
現状を数値や文章にすることで、目標に向けてこれから取り組むべきことが見えてきます。目標対比で考えれば、場合によって活動の方向修正が必要となることもあるでしょう。しかし状況を理解しておけば、慌てずに対応できます。焦りは「もう無理だ」などネガティブな結論を導くキッカケになりますので、諦めず進めるために現状の“見える化”は大切です。
目標は必達であり、自身のために与えられているものです。企業あるいは上司は(ブラック企業などでないかぎり)、クリア不可能なハードルなど用意しません。あなたの能力を考えた上で、達成できると判断した目標なのです。そしてその目標を達成したとき、そのプロセスから営業職として成長できるでしょう。日々の意識を変え、取り組みを見直すことで、目標達成型の営業職へと変わっていけるはずです。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)