海外営業への転職、3つの心構え
昨今、グローバル化を進める企業が増えてきました。そうした背景から、英語力向上に取り組む営業パーソンも少なくありません。学習の場もオンライン英会話などが増えており、多忙な人でも空いた時間を活かして取り組める環境があります。
英語力を活かせる“海外営業”
獲得した英語力を実務で活かそうと考える場合、海外営業という仕事が頭に浮かぶでしょう。これは、海外向けに自社の製品・サービスを提案および販売する仕事。在籍する社内に可能性がなければ、海外営業として転職を考えるはずです。
しかし英語力はもちろん、営業成績などスキル面で条件を満たしていても、必ず活躍できるとは限りません。海外相手のビジネスは、国内における営業と異なる点が数多くあります。そこで、海外営業として転職を目指す営業パーソンに向け、注意しておきたいポイントを3つご紹介します。最低限の心構えとして、是非とも覚えておいてください。
1. 仕事についてより深い理解が求められる
海外営業の場合、当然ながらほぼすべてのやり取りが外国語で行われます。営業提案の場においては、単に英語が話せるだけでは不十分でしょう。他国語におきかえて自社の製品・サービスを理解してもらい、納得のうえ購入へ繋げる。そのためには、自身もまたこれまで以上に自社の製品・サービスを深く理解することが大切です。
またそれ以外にも、例えば契約内容など覚えるべき知識が増えます。場合によっては、ターゲット企業の属する国について文化を理解することも必要でしょう。文化が異なれば、適切な営業アプローチも違ってくるのです。これまでの実績ではなく、ゼロから考え、適応していこうという気持ちが大切となります。
2. 海外というフィールドで受けるストレス
環境が異なれば、当然ながら思うように仕事は進みません。たとえ国内で高い実績を挙げた営業パーソンでも、営業手法やトークの改善が求められます。また、国外企業からの提案を歓迎してくれる企業ばかりではありません。成績が奮わなければ、社内からもプレッシャーが膨らみ、次第にストレスを感じるようになるでしょう。
さらに、海外という環境は国内と勝手が異なります。出張ならばまだ良いかもしれませんが、海外赴任であれば、これまでと全く違う環境で生活することとなるでしょう。食事や日々の生活習慣、その他さまざまな生活空間が異なり、慣れ親しんだ日本の生活と比べてストレスを抱えるケースも少なくないのです。そのため、海外営業では精神的な強さも求められます。
3. スピード感が異なる
海外企業は、意思決定のスピードが国内と大きく異なります。それは社員個人に与えられる裁量・決定権の違いなどが背景にありますが、国内で一週間かけていた決断が、即日下されるようなこともあるでしょう。海外営業では、そうした相手のスピードに自身もついていかなければいけません。
しかし本社が日本にあり、そのルールに沿って活動していれば、難しい局面も出てくるでしょう。契約内容の確認をはじめ、いずれも本社への確認・承認が必要ということが多いはずです。場合により、相手側から「まだか」と催促されるかもしれません。迅速かつ的確に対応すると共に、相手を不快にさせないよう、コミュニケーション能力も磨きましょう。少しずつ、本社側を海外に適応させるよう、自らが牽引する意識も大切です。
この他にも、国内での常識が海外では非常識になるということが少なくありません。ビジネスへの考え方や企業体制などは、その違いに驚くことでしょう。国内勤務で頻繁に海外出張するようなスタイルならば、生活のリズムも崩れてしまうかもしれません。海外営業として転職する際には、まず業務の実態をよく理解し、自身がそれに適応していくよう心がけてください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)