これからの5年、営業職が必要とされる4分野
転職を考える場合、やはり商材・サービス分野は気になるところです。しかし同じ営業という仕事でも、分野によってそのニーズは異なります。営業職として必要とされるものも、時代とともに変化していくことでしょう。ではいったい、今後どんな分野が伸びていくのか。今後5年間というくくりの中で、注目の分野に必要とされる営業スキル等とあわせて考察していきます。
■新エネルギー
現代社会において、エネルギーは欠かすことができません。しかし石油をはじめとした既存のエネルギー資源は、やがて尽きるときがくるでしょう。また、国内のエネルギー供給源として多くを占める火力発電は、多くの二酸化炭素を排出しています。これが地球温暖化の要因であるとも考えられており、クリーンなエネルギーの確保は環境問題においても重要なポイントなのです。
そのため、新エネルギー開発の分野は、今後さらに伸びることが予想されます。しかし「新しいもの」について、人はなかなか一歩を踏み出せません。またエネルギーという特殊分野については、難しい印象を持つ人が多いでしょう。これに携わる営業職は、まず新エネルギーの必要性を誰よりも理解し、有用性について咀嚼して分かりやすく提案できる能力が求められます。
■アンチエイジング
高齢化が進む現在の日本では、アンチエイジング(=老化対策)に注目が集まっています。美容の面で見れば、いつまでも美しくありたい、あるいは健康でありたいと考える人は多いでしょう。しかし老化は見た目だけでなく、身体機能の低下などにも繋がります。介護業界では、その担い手が不足するなどの問題を抱えています。そのため、できるだけ人々が長く健康的に生活できることが、非常に大切です。そのためにもアンチエイジングは有効であり、これからの日本にとって欠かせないものといえるでしょう。
営業職であれば、美容・健康への知識・興味があることは必須の要件となります。製品・サービスにより顧客は個人から法人・団体まで幅広くなりますので、相手に合わせた提案力が求められるでしょう。一部、医療的な側面も持ちますので、知識力も高いものが要求されます。
■食分野
生きるうえで欠かせない食べ物。これまであった飲食店やスパーマーケット等の販売店舗はもちろん、昨今は宅配サービスをはじめ多様化が見られます。これは社会背景とともに、個人の食に対する考え、そしてニーズが変わってきたからといえるでしょう。例えば健康志向が強まったことで、有機栽培などこだわりを持つ人が増えています。あるいは高齢者が増えたことで、買い物に行けない人も増加しました。ただでさえ無くなることのない食分野は、さらに市場拡大の可能性を秘めているのです。
とはいえ、業界内の全企業が潤沢というわけではありません。ニーズの変化と共に市場シェアの争奪は激化することが予想され、中には出遅れて衰退してしまう企業もあるでしょう。そのため転職する際には、その企業が何を目指し、どのような取り組みを行っているかを理解することが大切です。そして営業職として活躍する以上、そのサービスに自分自身が共感できることが求められるでしょう。
■IoT、AI
パソコンやタブレット、スマートフォンを始めとしたIT端末の高度化、そしてインターネットの普及に伴い、IT業界もさらなる成長が予想されます。
その大きなトレンドが、IoT(モノのIT化、Internet of thing)です。テクノロジーの進化により、今まではネットワークに接続されていなかったさまざまなモノ(例えば自動車や警報機、自販機など)が、インターネットを介して情報をやり取りする能力を備えていく時代がやってきています。これまでアナログだった分野にITが入り込み、変革を起こしているケースは数えきれません。今後も、あらゆる業界を舞台として、IT分野は伸びていくことが予想されます。
さらに並行してAI(人工知能)などの進展も大きなビジネスチャンスです。会計や事務などでの簡単な書類作成はすでにAIでも代替可能と言われていますし、コールセンター業務のような電話案内、受付などもAIが進出することが予想されています。
IT分野においては、常にアンテナを張り、情報感度を高めておくことが大切です。営業職としては、どのようなテクノロジーがどういうビジネスにつながるのか、想像力を働かせることが、転職やキャリアの成否をわけそうです。また、自身もさまざまなITサービスに触れ、先端知識を身につけておくことが重要です。そして実際の営業活動においては、ITリテラシーの低い相手に対しても、理解しやすい言葉を選び伝えるコミュニケーション能力も求められます。
営業職として活躍を遂げるには、どの分野で勝負するかがとても大切です。あらゆる市場動向に目を向け、伸びる分野を選別しましょう。せっかく高い営業力があっても、企業あるいは分野が伸び悩めば、大きな成長と活躍は得られません。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)