売れない営業に共通する4つの特徴
せっかく営業職としてスタートを切ったのに、なかなか成果が挙げられない。そんな「売れない」営業職には、よく見てみると共通する特徴があります。自分自身と照らしあわせてみることで、改善点が見えてくるかもしれません。ここでは、そんな「売れない営業職」によくある特徴を4つご紹介しましょう。
- 相手の言葉に対して疑問を持たない
- 相手の立場が理解できていない
- 売ることばかり考えている
- 事前準備が不足している
1. 相手の言葉に対して疑問を持たない
例えば「とにかくコストを抑えたい」という要望を受けた場合、売れない営業職はすぐに低単価を優先した提案を行ってしまいます。しかし多くの場合、「でも、これは機能が不十分だし…」、「これなら他社でも同じなのでは…」など商談が難航してしまうことでしょう。もし商談が成立しても、後になってクレームが起きるかもしれません。
売れる営業職の場合、ここですぐに納得はしません。先に挙げた例であれば、「お客様はなぜコストが最優先されるのか?」、「どの程度を下限として言っているのか?」といった疑問を持ちます。もしかしたら同様のサービス・製品導入が初めてのため、価格以外に重視すべきポイントが分かっていない可能性もあります。その場合、コストは意識しながらも「相手のニーズを叶えるために何が必要か」を理解してもらうことで、想定より高価な商談でも成立するかもしれません。相手の言葉の裏に隠された“本質的なニーズ”を引き出せば、購買意欲を掻き立て、自社を選んでもらうことができるのです。
2. 相手の立場が理解できていない
企業が何かを購入・導入する際には、管理職から承認を得るなどのフローがあります。しかし多くの場合、いきなり決裁権を持つ人物とのコンタクトは取れないものです。提案相手に決裁権がないにも関わらず意思決定を急かしても、その商談が進むはずはないでしょう。かといって、いきなり「決裁権のある人を出してください」と言っても、失礼にしかなりません。相手がどのような立場で自身の前にいるのかを考えなければ、煩わしささえ感じられてしまいます。これでは、いくらニーズがあっても売れることはありません。
相手の立場を見極め、場合によっては相手が社内稟議等を通しやすいよう資料を用意する。あるいは概要を説明したうえで次回商談に上司の同席を求めるなど、売れる営業職は焦ることなく着実な一歩を構築しています。
3. 売ることばかり考えている
売れない営業職であるほど、焦ってしまって売ることにばかり目が向きがちです。すると営業トークも押し売りのようになってしまい、商談中は営業側が話しっぱなしということが少なくありません。しかしこれでは、人間関係は構築できないでしょう。マシンガントークを聞くために、わざわざまた次回の商談機会を設けることなどありません。
営業職は相手のニーズを見極めることが大切です。もちろん商品・サービスについて説明は必要ですが、基本的には“聞き手”側に立つ意識を持ちましょう。売れる営業職であれば、相手のニーズと提案内容に不一致を感じれば、自分から「当社ではお役に立てないようです」と引くことさえあります。しかしこれが相手からの共感を生み、将来新たなニーズが生まれた際に呼んでもらうなど、最終的な成果へと繋がっていくのです。
4. 事前準備が不足している
インターネット等を使って相手企業の情報を調べ、提案資料を用意する。場合によって、上司とシミュレーションによる営業トレーニングを行うこともあるでしょう。しかし売れない営業職は、ここで事前準備が終わってしまいます。するといざ商談という際に、ただ会社あるいは製品・サービスの紹介を行い、要望を聞いて持ち帰りということになります。もちろん答えられないことは持ち帰るしかありません。しかしこれでは、いつまで経っても話が進まないでしょう。
売れる営業職は、商談前に顧客が抱える要望について何パターンか仮説を立て、それに対する提案を用意しておきます。そして実際の商談でその仮説を確認し、それに合わせて提案内容を臨機応変に変えます。こうすることで、相手からも「よくわかっているな」と信頼感を得られます。
営業方法に正解というものはありません。しかし売れない営業職には、意外と共通する特徴があるものです。営業職としてキャリアを構築していくには、やはり成果をあげることが欠かせないでしょう。ここで挙げた内容を反面教師としながら、売れる営業職へと自らをステップアップさせていってください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)