今さら聞けない営業職のためのPDCAサイクルづくり
「PLAN(計画)」「DO(実行)」「CHECK(評価)」「ACTION(改善)」から構成されるPDCAサイクル。ビジネスの基本とも言えるものですが、営業職として毎日の仕事にきちんと取り入れることができている人は少ないようです。「毎日がむしゃらに頑張っているのに成果が出ない」「業務に追われるあまり、振り返りや反省ができていない」という状況では、非効率的な働き方しかできません。PDCAサイクルを改めて構築することで、成果の出る営業活動を実現しましょう。
なぜPDCAサイクルが大切なのか
どれだけ優れたビジネスパーソンでも、そのほとんどは過去に失敗を経験しています。それを糧として改善を重ねたからこそ、成果をあげられるようになるのです。営業職にとってPDCAは、次のような工程となるでしょう。
- PLAN(計画):どのようなターゲットに、どんなアプローチをするのか。仮説に基づいて計画を練る
- DO(実行):立案した計画を、それに沿って実行する。
- CHECK(評価):どのような結果が得られたのかを確認する。
- ACTION(改善):より良い結果を得るにはどうすべきか、反省とともに計画の改善策を検討する。
結果には、必ず原因があります。その原因を見つけ出し改善すれば、同じ失敗は起きませんし、成功を次につなげることもできます。つまりPDCAサイクルを回すことで、少しずつ営業活動の精度が上がっていくのです。ただ無計画に毎日を過ごしていては、原因も分からぬまま思うような成果が得られず、悩むことになりかねません。
具体的な取り組み
では具体的に、どのようにすればPDCAサイクルを回していけるのか。取り扱う商材や営業体制などによっても異なりますが、共通事項として覚えておきたい取り組み方法をご紹介しておきましょう。
<PLAN(計画)>
まず目標を定めます。営業職であれば、アポイント数や成約数などがこれに当たるでしょう。そのうえで、実現に必要な営業活動を練っていきます。誰に、いつ、どのようなアプローチを行うのか。複数の商材があるのであれば、どの商材を重点的に推していくかなども関わるでしょう。ここで大切なのは、目標を数値化しておくこと。数値化されていれば、「CHECK(評価)」の段階で目標と結果との比較が容易になります。
<DO(実行)>
計画に従って営業活動を進めていきます。ただし営業活動は、1回の提案でゴールに至るものではありません。常に目標に対する達成率を意識してください。
<CHECK(評価)>
計画通りの営業活動を行えたか、そして目標に対して結果がどうだったのかを評価します。単純に数値結果だけを見るのではなく、活動内容についても確認してください。もし計画から逸脱した部分があれば、改めて計画通り活動を行うことで目標へ到達できる可能性もあります。目標未達の場合には、「何が原因だったのか」を冷静に評価することが大切です。
<ACTION(改善)>
計画通り営業活動を進めたにも関わらず目標が達成できなければ、計画に改善の余地あり、と言えるでしょう。評価段階で浮き彫りとなった課題(=原因)について、改善策を練っていきます。単純に営業活動だけでなく、場合によっては組織体制やターゲティング、あるいは商材そのものにテコ入れが必要となる場合もあります。改善策を作り、次につなげる用意ができたのであれば、再びPLAN(計画)に戻って同様のサイクルを繰り返します。初めは原因がわからなかったり、改善策の効果が思うように得られなかったりしますが、何度もサイクルを回し、マイナス要因を丁寧につぶしていくことが大切です。
個人・法人問わず、社会のニーズは時代と共に変化していきます。現在高い成果をあげられているとしても、数年後に同じ手法で同じ成果が得られるとは限りません。常にPDCAサイクルを作りながら営業活動を行うことで、そうした変化にも柔軟に対応していくことができるでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)