営業職が派遣で働くメリット&デメリット
正社員やパート社員など、雇用形態は1つではありません。これは、営業職でも同様です。例えば派遣スタッフとして派遣先におもむき、そこで営業活動に取り組むという道もあります。転職がなかなか決まらない人や、ひとつの会社にしばられたくないという人にとっては、働き方の選択肢のひとつとなりますが、これまで派遣社員を経験したことのない人にとっては、その勤務形態に不安や疑問を持つ方も多いでしょう。派遣で営業職として働くメリットとデメリットを考えてみましょう。
派遣の営業職で働くメリット
まずは、営業職が派遣として働くうえでのメリットを3つご紹介します。
1)担当業務が決まっている
派遣という働き方は、業務内容を明確にしたうえで契約が成されます。つまり、契約外の仕事については、基本的にやらなくても良いのです。派遣の営業職であれば、営業活動だけに没頭することができるでしょう。もちろん、テレアポや訪問営業、資料作成といった周辺業務の担当範囲は派遣先によって異なりますが、部下の育成や業務と直接関係のないミーティングといった仕事は、ノータッチと考えていいでしょう。余計な雑務に気を取られず、営業職としてのスキルを存分に発揮できます。
2)残業が少ない
派遣社員は時給制のため、残業すれば派遣元に支払う派遣料が増えることとなります。そのため、派遣で働く場合には、正社員などと比べて残業時間が少ない傾向にあるでしょう。プライベートな時間を確保することが容易ですし、土日出勤がない場合がほとんどです。事前に見込まれる残業時間を確認しておけば、それを逸脱した際に派遣元から残業を減らすよう、勤務先に働きかけてもらうこともできます。
3)わずらわしい人間関係がない
派遣勤務する際にも、もちろん配属部署には他の社員がいます。教育・指導、あるいは指示を受けることもあるでしょう。しかし勤務先や部署は同じでも、派遣社員はあくまで部外者です。正社員と比べれば、人間関係によるストレスも少ないでしょう。部署間のトラブルや派閥争いなどとは無縁の働き方が実現します。また、仮に何か人間関係のトラブルがあっても、契約期間が終えれば勤務先を変えるという選択も容易です。
派遣の営業職で働くデメリット
逆に派遣で働くことで、営業職にとってデメリットとなることもあります。こちらも、同様に3つ取り上げておきましょう。
1)契約期間が決まっている
いくら自分が「ずっと働きたい」といっても、派遣には契約期間が定められています。契約更新は可能ですが、それには双方の合意が必須。例えばプロジェクトの進行状況や人件費などの関係で「継続できない」と言われれば、次の職場を探さなくてはなりません。その後の仕事が見つからなければ、ブランクが空いてしまう可能性もあるでしょう。また、「もう少しで契約が取れるのに…」と、営業アプローチを断念せざるを得ないケースも想定されます。
2)成果が求められる
派遣で働く営業職には、営業のプロフェッショナルとして、正社員よりも高い成果が期待されます。即戦力として活躍できなければ、すぐに契約を切られてしまうでしょう。派遣での勤務先を探している営業職は数多くいますので、成果が出なければ企業は他の人材を採用しようと動くのが必然です。
3)管理職等へのキャリアアップが難しい
派遣で働く場合、あくまでもプレイヤーとして営業職に就くことが前提。そのため、例えば将来的に新人研修を担ったり、あるいは部下を持ったりといったキャリアアップは難しくなります。管理職やプレイングマネージャーとしてのキャリアを考える人は、正社員での就職先を探さなければなりません。
派遣勤務に向いている人
では実際に、どのような人ならば派遣という働き方が向いているのか。これまで取り上げたメリットとデメリットを踏まえると、次のようなポイントが挙げられるでしょう。
- プレイヤーとして営業職を極めていきたい人
- 自分の営業力に自身があり、その営業力で勝負していきたい人
- プライベートな時間を上手く持ちながら働きたい人
- いろいろな職場で営業経験を積んでいきたい人
自分が営業職としてどのように働いていきたいのか。よく考えたうえで、上記に合致するならば派遣スタッフに転職するのも1つの選択肢と言えそうです。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)