転職でも必須! 営業職が身につけたい「クロージング力」
営業職にとって、必須スキルともいえるクロージング力。営業トークやアポイント取りは上手いのに、どうしても契約に至らないと悩む人も少なくありません。契約に向けた“最後の一押し”がなければ、営業として成果をあげられないでしょう。
転職での選考でも、クロージング力の高さは大きなアピールポイントになります。部下を持つようになれば、そのサポートという役割でも力を発揮できるはず。どうすればクロージング力を磨くことができるのでしょうか。
本来のクロージング力とは?
そもそも、クロージング力とは何なでしょうか? 結論から言えば、「契約・購入といった最終的な意思決定を促すこと」です。あくまで顧客側の契約・購入を促すことが目的であり、こちらがゴリ押ししたり、逆にお願いしたりして得るものではありません。もし無理に契約・購入を得れば、相手の意志に反する行動を強制してしまうため、結果的には関係性が悪くなるでしょう。場合によってはクレームやサービスの評判低下にいたる可能性もあります。それは本来のクロージング力ではありません。
クロージング力を高めるためのポイント
高いクロージング力を身に付けるには、日頃の営業活動ならびに日常会話などからも、ここで挙げるようなポイントに注意しておくことが大切です。
1. 決定権を相手に委ねる
先に述べた通り、クロージングでは最終的に相手の意志で決断を下してもらわなければなりません。もちろん営業トークの中では、商品・サービスのメリットを伝えることで、その必要性を感じてもらうことが大切です。しかしそれを必要と判断するか否かは、あくまで相手自身です。例えば「絶対必要だと思うんですけどね」、「損はないと思いますよ」など、しつこく食らいつくのは避けましょう。相手から見れば心情的に「契約・購入したくない」などと思われかねませんし、仮に契約・購入にいたったとしても、相手側にとっては「買わされた」、「無理強いされた」という悪印象が強く残ってしまいます。
相手が決断を下すうえで必要な情報、また、こちらとして伝えたい情報を提供したら、決定権を相手に委ねることが重要です。そうすれば相手は目の前に提供された情報をもとに、余計な感情を抜きにして決断がくだせます。たとえそれが破談という結果でも、良好な人間関係は保たれるでしょう。そうすれば、将来あらためて商談の機会を得られる可能性があります。常に、「相手に決定権を渡せているか」を意識しましょう。
2. 相手の不安・疑問を引き出し、解決する
決定権を委ねると、相手がなかなか決断を下せないシーンに遭遇するでしょう。それは、どこかに不安・疑問が残っていることが原因です。しかしその原因が、本人にも分かっていないことが多いのです。「良いとは思うんだけど、なんかなぁ……」。そんな状態が見られたら、ヒアリングによって潜在的な不安・疑問を引き出してあげましょう。そのうえで、解決策を提示してあげます。
「断る理由がない」状態を作れれば、契約・購入へ至るのは必然です。相手も気づいていない小さな不安・疑問の解消が、そのまま決断に向けた決定打になることもあります。顧客の潜在的不安・疑問を軽視せず、ひとつひとつ解消することが商談のクロージング力向上につながります。日頃から相手の思考に気を配り、“ひと押し”となる言葉を模索してみてください。
営業パーソンの中には、つい決断を急いでしまうケースが見られます。しかし、焦ってはいけません。投げかける言葉ひとつひとつについて、タイミングをよく見計らいましょう。ときには、一歩引いて相手の立場になって考えることも1つの方法です。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)