営業目標達成のためのブレイクダウン思考
営業職は、売上金額や成約数、あるいはアポイントの取得件数など、さまざまな目標が課されます。こうした目標と向き合うのが苦手な人もいますが、現実的な数値にまでブレイクダウン(=細分化)することで目標が明確となり、達成に向けた筋道が見えてきます。営業職としてキャリアを積むうえでは、このブレイクダウンはとても大切です。ブレイクダウンの考え方や具体的な方法について解説していきます。
なぜブレイクダウンが必要なのか
例えば年間の売上目標が1億円だと考えると、日々の仕事の中では、その目標は途方もなく大きな金額に映るでしょう。あまりにゴールが遠いため、具体的にそれを達成するまでの道筋が見えませんし、尻込みしてしまう方もいるはずです。そのような状態で営業活動に取り組んでも、目標とはほど遠い結果しか残せないでしょう。
そこでブレイクダウンにより、目標を細分化します。年間目標より月間目標の方が数字は少なくなりますし、小さな数字で考えられれば、そこまでに何をすればいいのか現実的にとらえられるはず。目標達成に向けたモチベーションも高まり、仕事に打ち込みやすくなります。
具体的なブレイクダウンのしかた
実際にどうすれば良いのか。まずは単純に、年間目標を短い期間で割っていきましょう。例えば年間1億円の売上目標があるなら、単純計算すると毎月約833万円の売上を達成すれば到達できます。そして、仮に平均受注額が120万円だとすれば、毎月7件の受注を取れば、毎月の売上目標を達成できます。さらに、商談から受注までの成約率が20%だとすれば、毎月35件の商談をおこなえばいい……とめどが立ちます。
このように、細かい数値まで落とし込んでいくと、「成約率が◯%だから、まず商談を△件。商談まで進むためには、アポイント取得率から考えて毎日×件のテレアポをおこなえばいい」と具体的な日々の営業活動におけるアクションが見えてきます。また、もし想定していたように売上があがらなくても、ブレイクダウンして考えれば軌道修正もしやすいのです。「残り10か月で8,000万円」と考えるより、「現状だと月10万円足りないから~~」と考える方が現実的ですし、気持ちの上でもプレッシャーになりません。
ブレイクダウンで大切なこと
ブレイクダウン思考を上手に活用するためには、自分自身の営業活動について正しく把握しておく必要があります。いくら月間あるいは週間まで売上目標を細かく落とし込んでも、以下のような情報がなければ具体的な計画は立てられません。毎日の日報や月間レポート、上司との振り返りミーティングなどを通じて、自分の営業活動に関するパフォーマンスを数値として把握しておきましょう。
- 売上時の平均受注額
- 商談件数に対する成約率
- テレアポから商談まで繋がる確率
- 商談から成約に至るまでの平均的な期間 など
即売型の商材でなければ、そもそも最初から売上をあげることは難しいでしょう。それならば、成約までのスケジュールから「最初に売上があがるのはいつか」を考え、その時期を起点に売上目標をブレイクダウンしなければなりません。つまりそれまでの時間は、売上が出るまでの準備期間となります。
そして先の例のように成約から商談、商談からアポイントと遡り、各活動の全体量を計画しましょう。目標達成のために1日10本のテレアポが必要ならば、必ずそのための時間はスケジュール管理のうえで確保しなければいけません。
目標を現実的なものとしてとらえるため、達成に向けたモチベーションを獲得するため、そしてまた、達成のために具体的な計画を立てるためにも、ブレイクダウン思考は非常に大切です。これを上手く活用し、常に目標達成できる営業パーソンを目指してください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)