営業に使える心理テクニック2
営業として好成績を残す営業職には、営業活動において心理テクニックを用いている人も少なくありません。「営業職で使える5つの心理テクニック」ではGIFTの法則、ミラーリングなどのテクニックを取り上げました。ここでは、さらに差がつく営業の心理テクニックと、その詳しい内容をご紹介していきましょう。
- ドア・イン・ザ・フェイス
- ラポールトーク
- カクテルパーティー効果
- ハード・トゥ・ゲット
- スリーパー効果
1. ドア・イン・ザ・フェイス
まず難しそうに思えるような大きい要求を提示したうえで、その要求を少しずつ小さくしていきます。例えば最初に100万円の商品を提案したうえで、徐々に50万円の商品、次に25万円……とハードルを下げていきます。これによって相手側には、「ここまで譲歩してくれるなら……」と、断りにくい状況が作れるでしょう。また最初に提示された過大な要求と比較することで、「これなら良いか」と心理的ハードルを下げる効果も期待できます。
2. ラポールトーク
見知らぬ相手からいきなり商談を持ちかけられれば、誰でも心に壁を作ってしまいます。そこで、まずは信頼関係を構築することを目的として、相手の興味・関心を引くような話題を投げかける方法です。出身地や取り組んでいる趣味、あるいは時事ネタなど、一見すると商談に関係ない会話から打ち解けると、信頼を生み出すことができるでしょう。
3. カクテルパーティー効果
どれだけ賑やかなパーティーでも、自分にとって重要な情報や気になる会話は、自然と耳に入ってくるものです。これと同様に、顧客にとって重要な情報や気になる情報を投げかけることで、相手に自分のことを刷り込み、心の距離を縮めることができます。例えば商談では「御社の~~」ではなく「○○社様の~~」と社名を言う、ダイレクトメールでは「貴殿の~~」ではなく「○○様の~~」と相手の名前を書くなどしましょう。これによって、「自分に向けられているお得な情報だ」と相手の目を惹きつけることができます。
4. ハード・トゥ・ゲット
自分にとって相手が特別であるということをそれとなく伝え、「求められている」「重要とされている」と感じてもらいます。これにより、相手からも信頼を得やすくなり、商談などがスムーズに進められるでしょう。具体例としては、有料会員向けの特別プランや、「御社のための特別プランとして……」といったトークがこれにあたります。
5. スリーパー効果
最初は信頼の薄かった提案でも、時間を掛けながらコミュニケーションを保ち続けることで、徐々に信頼してもらえるようになる、という心理効果です。これは、コミュニケーションを取り続けることによって、信頼の薄さというマイナス面が少しずつ消えていくことによるものです。たとえ最初はむげに断られた商品であっても、何度もアポや提案、メールなどを重ねることで、相手に受け入れられる可能性が出てくるのです。目先の売上にこだわるのではなく、時間を掛けてコミュニケーション機会を持つことも、営業職には重要だと言えるでしょう。
デキる営業職は、顧客との何気ない会話の中にも、こうしたテクニックを多用しているものです。営業としてさらにステップアップするために、是非とも自分なりの工夫を織り交ぜながら実践してみてはいかがでしょうか。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)