営業職がつまらないと思ったときに確認する5つのポイント
営業職を「苦手」「嫌い」と感じている人は多いでしょう。特に若手営業職の中には、「なぜこんな仕事をしているのか」と考えがちです。しかし、営業という仕事でこそ得られる経験やスキル、あるいは楽しさもあります。営業に対してネガティブなイメージを持っている方は、まだそれに気づいていないだけかもしれません。それなのに安易な転職を決めてしまうのは、得策ではないでしょう。ここで取り上げるポイントについて、今一度ぜひ考え直してみてください。
営業職ならではのメリットとは
企業における数多くの職種には、それぞれ独自に得られるメリットが存在します。これは営業職も同じ。上手く応用することで、例え他職種に転身したとしても、自分だけの強みとして活かすことができるでしょう。具体的なメリットを、ここでは3つご紹介します。
1)成果が数字となって明確に表れる
営業の仕事は、まず“売上”をあげることにあります。商品・サービスが売れれば、その売上が自分の成果と見なされるでしょう。もちろん営業活動においては、先輩・同僚や他部署からの協力も欠かせません。しかし最終的に、売上という数字は営業の成果を判断する大きな指針として位置づけられます。
自分が、いったいどれだけの成果を挙げられているのか。いわば会社への貢献度とも言えますが、このように成果が明確に数字で分かる職種は少なく、営業の大きなメリットといえるでしょう。商談やアポ取りの電話といった目標も数字で管理される場合が多く、達成に向けたプロセス作り、あるいはモチベーションの構築でも土台となります。
2)社内外との豊富なコミュニケーション
営業職は、多くの人と関わる機会のある仕事です。営業活動においては、当然ながらクライアント企業との折衝が伴うでしょう。それ以外にも、企業によっては販売代理店や協力会社などとの関わりも生まれます。そこから人脈が広がり、情報収集などの貴重な機会になっているケースは少なくありません。転職においては、外部企業からの引き抜きに繋がる場合もありえます。
また、同時に社内とのコミュニケーションも多い仕事です。契約関連で法務や経理など管理部門と関わったり、製品について開発部と打ち合わせたり。営業活動は、1人で進められるものではありません。それ故に、社内でも広く人との関わり合いが生まれます。その中から、よき理解者や相談相手などが見つかることもあるはずです。
3)多くの企業で求められる仕事
製品・サービスや業界、あるいは営業スタイルは、もちろん企業によって違います。しかし営業活動の土台は、どの企業でも活かせる部分が多いでしょう。対人コミュニケーションやビジネスマナー、トークスキル、あるいは調整力など。同じ「営業」という仕事軸でも、キャリアステップは広がっていきます。職種単体で見たとき、営業職は多くの企業から求められる仕事なのです。
営業職が楽しくなる考え方
視点や考え方を変えるだけで、営業職という仕事に楽しさを見出した方は多く存在します。もしここで取り上げる2つの考え方に自分が当てはまらなければ、営業職が楽しいと思えるキッカケになるかもしれません。
1)目標設定とプロセスの構築・実践
多くの企業では、まず目標を設定し、営業職一人一人がそれぞれに目標達成までのプロセスを構築・実践していきます。適宜現状を確認し、軌道修正することもあるでしょう。目標は上長と相談のうえ決定することがほとんどですが、最終的には自分の実力と意志が決め手。そこまでの筋道を自らが組み立てていく意識を持つと、「どうすればクリアできるか」「何か打開策はないか」「現状でも十分だが、もう一手ほしい」などの考えが生まれてきます。裁量の大きさや、工夫のやりがいが感じられてくるはずです。
2)ただ売るだけの営業から脱却する
営業職は商品・サービスを売る仕事。これは間違いありません。しかし“ただ売ってくる”だけでは、同じことの繰り返しに飽きてしまうのではないでしょうか。そしてやる気が削がれ、成果にも影響を及ぼします。相手の持つ“真の課題”や“隠れたニーズ”を見つけ出し、その解決に向けた手助けをする……こうした意識を持ってください。その課題を、自社の製品・サービスでどうすれば解決できるのか。もしできないならば、適した企業を紹介するのも1つの方法です。信頼関係はそういう部分から生まれ、結果的に成果を生み出すでしょう。
営業職を「苦手」「嫌い」と感じるならば、「それはなぜなのか」「どうなれば楽しくなるのか」を考えてみましょう。成果が出なかったり、新人で新規営業などばかり行っていたりする段階に、ネガティブな感情が湧きやすいようですが、一呼吸置いて自分の気持ちや取り組みを整理し、リスタートしてみてはいかがでしょうか。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)