B to B営業とB to C営業の4つの違い
営業職といっても種類はさまざまですが、大きく「B to B営業」と「B to C営業」に分けられます。仕事の進め方や身に付けるスキル、あるいは適性も異なるため、営業への転職を目指すならば慎重に比較・検討することが重要です。ここでは具体的に、2つの違いを詳しく解説していきましょう。
対法人と対個人
そもそも「B to B」「B to C」とは何なのか。これらは「B to B」が対法人(Business to Business)、「B to C」が対個人(Business to Consumer)での営業を意味します。商談で直接対面するのはいずれも人ですが、B to Bではその製品・サービスを会社が購入します。対してBtoCでは、商談相手である個人が購入することになります。
製品・サービスの取引価格
法人と個人とでは、製品・サービスの購入に掛けられる費用が異なります。当然ながら、法人の方がより大きな取引価格となるでしょう。これは資金力だけでなく、製品・サービスによって会社ではその利用者が複数となることなどが理由です。例えば、プリントやコピー、FAX、スキャンを同時にこなせるハイスペック型複合機を個人に販売しようとしても、「使うのは自分だけだから、そこまでの機能はいらない」となるのは当然です。逆に、ちょっとしたプリントやFAXしかできない家庭用プリンターを大勢の社員が在籍する企業相手に売るのも難しいでしょう。
営業フロー
B to C営業の場合、商談相手である個人に決裁権があります。仮にいくつかの承認段階が生まれるとしても、世帯主の判断を仰ぐレベルに留まるでしょう。つまり早い段階から、購入するか否かを判断できるキーパーソンにアプローチできるということです。
しかしB to Bでは、まずその製品・サービスを使用する担当者などが商談の相手となります。そのうえで上司の判断を仰ぎ、場合によってはもっと上層の役員や経理部門などから決裁を得なければいけません。そのため、初期のアプローチから購入決定までの期間を考えると、B to CよりB to Bの方が長くなることとなります。
B to Cは顧客数が多い
取引価格についてBtoCが低いことは、先に取り上げました。これに関連し、B to CはB to Bより、営業相手となる顧客数が多くなります。1顧客あたり得られる収益が低いため、これは必然と言えるでしょう。継続的なフォローを要する、あるいは別製品の提案などを行うといったスタイルでは、B to B以上に顧客管理が煩雑化しないよう注意が必要です。
このようにB to B営業とB to C営業では、さまざまな違いがあります。B to B営業で大きな実績をつくった人が、B to C営業へ転職したものの成果を挙げられなくなったということも少なくありません。ここで述べた違いを踏まえながら、まずはしっかり実務をイメージしてみましょう。そのうえで、自分に合っているのがどちらなのかを慎重に考えてみてください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)