営業職が特に激務な4つの業界
営業職と言っても、業界によって取り扱う商品・サービス、手法は異なるもの。そして営業職の“働く環境”もまた、大きく違ってきます。飛び込みやテレアポが多い、担当業務が多い、あるいはノルマへの要求が厳しいなど、業界ごとに異なる傾向もあります。中には激務と言われる業界もあり、知らずに入社して後悔したという話は少なくありません。
もちろん激務であるからといって、必ずしも悪いことばかりではないでしょう。インセンティブによって高給を目指せたり、あるいは、忙しい環境にこそやりがいを感じられたりする方もいるはずです。ここでは営業職にとって激務と呼ばれる業界を4つ取り上げ、その特徴や背景をご紹介しましょう。
総合商社
商社の取引先は国内のみならず海外にも多く、営業職についてもこれは同様です。そのため担当業務により、交渉・打ち合せ等のために海外へ足を運ぶ機会も多くなるでしょう。移動に時間を要するだけでなく、時差による疲労・ストレスも伴います。
国内にいる場合でも海外の取引先と連絡を取るために、時差の関係から深夜に業務が及ぶことも想定されるのです。もちろんその反面、その業務負荷に相当する給与の高さは魅力となるでしょう。またグローバルに活躍したいと願う営業職にとっては、キャリアを磨くうえで最適な環境といえます。
不動産業界
不動産の中でも住宅販売に関わる営業職は、住宅という商品が高価であることもあり、営業活動が一筋縄ではいきません。相手のほとんどは個人となりますが、「住宅を購入しませんか?」と訪問して即決するようなケースはほとんど無いでしょう。企業によっては訪問営業を課されることもあり、購入意思のない相手ならば門前払いとなることも多い仕事です。また、個人営業では商談が土日に及ぶことが多いため、ビジネスとプライベートでの時間の使い方が難しいのも大きな特徴です。
一方で、不動産業界では営業職に多大なインセンティブが与えられる場合もあり、高給を目指せる業界の1つでもあります。実際、20代で年収1000万円を実現させる人もいるほどです。また、住宅は顧客にとって一生ものの買い物と言っても過言ではなく、そこで生まれる笑顔にはやり甲斐を感じられるでしょう。
旅行代理店
旅行代理店では、営業職が旅行時のサポートをおこなうことが少なくありません。そのため休みは不定期となり、休日でも緊急対応を求められる可能性があるでしょう。緊急時には時間など関係なく対応を強いられるので、自然と実質的な勤務時間が長くなる点も激務と言われる理由です。しかし営業活動を通じ、国内外のさまざまな場所へ赴く機会は多いでしょう。もちろん仕事のため長期滞在というわけにはいきませんが、見知らぬ土地を巡ることは楽しみの1つとなります。これは、旅行業界が華やかな印象をもたれる理由でもあります。
生命保険業界
生命保険の営業は、離職率の高さでも有名です。給与は成績に応じる場合がほとんどのため、契約が得られなければ薄給となってしまいます。しかし生命保険は、契約すれば月々費用のかかる商材。しかも、その恩恵を受けられるのは契約者の死亡後ということから、契約にはネガティブな印象を持つ人も多いでしょう。営業活動は容易ではなく、成績が振るわないと、親族などに販売して周る営業職も見られます。
もちろん裏を返せば、成績さえあげられれば高給が望めます。また、保険は一度契約されると解約まで会社にお金が支払われるものであり、これは営業職に対するインセンティブとして反映されることが多いでしょう。女性でも活躍しやすい業界なので、コミュニケーション能力を活かして早い段階で契約を上手く獲得できれば、ある程度安定して高給を維持できる可能性もあります。
激務であるか否か、また、それがデメリットとなるか否かは人によって異なります。業界毎に営業職の実態をよく把握し、自分の目指す環境と照らし合わせながら転職先を選びましょう。あえて激務な環境に身を置き、営業職として自らを鍛えるのも1つの見方です。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)