営業職で身につく4つのビジネススキル
営業職という仕事では、営業トーク以外にもさまざまなものが身に付きます。実際、総合職で採用している企業では、社員育成のために最初の所属先を営業部門としているケースも少なくありません。そこで得られた知識・スキルは、転職時にも活かされることでしょう。ここでは具体的に、営業職で身に付くビジネススキルを4つご紹介します。
1. ヒアリング能力
営業は、ただ“売る”だけの仕事ではありません。その商品・サービスに魅力を感じてもらうには、まず相手のニーズを的確に把握する必要があります。現在どのような課題を抱えており、これからどうなっていきたいと望んでいるのか。特に初対面の相手には、なかなか本音など伝えられないものです。
こうした際に必要となるのが、相手から信頼を得て、必要な情報をもれなく引き出すヒアリング能力。営業職は顧客とダイレクトにやり取りすることがほとんどであり、相手の話を聞くチャンスが豊富にあります。また、どうすればニーズを引き出せるか、本音で聞くことがどれだけビジネスに役立つかを体感できるのは、営業職ならではの経験でしょう。さらに、ヒアリング能力を身につけることは、社内外の人とコミュニケーションを取る仕事でも欠かせません。
2. 調整能力
商談や資料作成、会議など、営業としてやるべきことはたくさんあります。同じ商談でも、上司が同行したり、逆に後輩・部下を連れて行ったりする場面もあるでしょう。スケジュールや場所の調整をスムーズに行わなければ、仕事が滞ってしまいます。
さらに言えば、仕事は基本的に1人で完結するものではありません。受注後は開発部や製造部に製造を依頼したり、納入までのスケジュールを組んだりすることもあります。自分だけでなく周囲も含め調整し、物事を進行していく能力。身につけておくと、さまざまな場面で重宝するはずです。
3. プレゼンテーション能力
顧客への商品・サービス提案では、頻繁にプレゼンテーションがおこなわれます。相手の知りたい情報、そしてこちらの伝えたい情報を整理して資料にまとめ、それをもとに口頭で説明するのです。特に競合他社の入ったコンペでは、このプレゼンテーション内容が契約を得られるか否かを左右することも。これは社外のみならず、社内でプロジェクトを提案すると言った場面でも発揮される能力です。加えて、プレゼンに“慣れている”かどうかも、プレゼンテーションの出来を左右します。営業職としてプレゼンの場数をこなせばこなすだけ、より落ち着いてプレゼンテーションに臨むことができるでしょう。
4. 情報収集能力
営業活動を行う際には、“相手を知る”ことが大切です。そのため、インターネット等を駆使した事前の情報収集は欠かせません。企業概要や事業内容は当然のこと、何か相手企業に関するリリース等のニュースがないか。また、業界動向を調べておくことも大切です。商談時には相手にとって有益な情報を持っていくと、それがキッカケでスムーズに会話を進められるかもしれません。常にアンテナを張り、素早く必要な情報を収集する。自分自身の引き出しを増やすうえでも大切なスキルではないでしょうか。
どのような仕事も、社内外における多くの人々が関わって成り立っています。営業はその最前線に立ち、顧客とのやり取りを行う仕事。そして契約に当たっては、総務や経理、事務、あるいは制作部門などとの連携も求められるでしょう。
ここで取り上げた内容は、営業として身につくビジネススキルの一部に過ぎません。例えばメールでのやり取りが多い昨今は、ビジネス文書を中心とした文章作成能力も高まっていくでしょう。「どうすれば売れるか」「どのようなものが売れるか」という視点で考えれば、柔軟な発想力も磨かれます。1つ1つをしっかり吸収し、スキルアップを目指したいものです。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)