ノルマなしの営業職に転職するときの注意点
求人サイトで仕事を探していると、営業職の中にも『ノルマなし』と記載された求人票が目につくことでしょう。ノルマといえば、営業パーソンが仕事の辛さを感じる大きな要素の1つ。そのノルマがないならば、一見“おいしい”求人に思えるかもしれません。そんなノルマなしの営業職について、その実態や転職する際の注意点を解説していきます。
ノルマはなくても“目標”はある
そもそも『ノルマなし』は本当なのかが気になるところです。中には「いざ入社したら、実際にはノルマがあるのではないか」と疑う方もいるでしょう。その可能性はゼロと断言こそできないものの、基本的に求人票でうたっている以上、ノルマはないと考えて良いはずです。もしそこに虚偽があれば、企業にとって悪い評判に繋がるなどマイナスなことしかありません。
しかしノルマはなくとも、個人に対して目標が課されることはあるでしょう。あくまで“目指すべき目標”ですが、それが達成できたか否かは、やはり個人評価に関わります。評価がマイナスとなれば昇進が遅れたり、次年度の給与に影響したりする可能性も考えられますから、ノルマに近しいプレッシャーが伴うかもしれません。また、個人ノルマがないだけでチームや部署内でのノルマがあり、その達成のために四苦八苦する可能性もあるでしょう。
ノルマが設定されていないため、その未達成で上司から叱責されたりプレッシャーを感じたりすることもないかもしれません。しかし、売上をあげるという営業職の役割は不変です。そのため、ノルマがなかったとしても、何かしらの目標は与えられるのが現実的なところです。
成果主義・歩合給のケースがある
ノルマの有無にかかわらず、成果主義の環境であれば、営業職はその成績によって給与等が大きく左右されます。たとえば給与に歩合制が設けられている場合。営業成績が振るわなければ、当然ながら給与は低くなってしまいます。するとノルマがなくても、必然的に求める給与に値する営業成績が必要となるはず。つまりその必要な営業成績が、ノルマの代わりとなるわけです。自ら目標設定しなければいけない分、場合によってはノルマのある環境より厳しいかもしれません。
ノルマはできるだけ避けたい。恐らく多くの営業職がそう考えているでしょう。しかし必ずしも、ノルマがないことが働きやすさに繋がるとは限りません。特に自ら目標を決め、それに向けて積極的に取り組めないという場合には、むしろノルマや目標を他から与えられた方が、高い成績を残せるかもしれないのです。『ノルマなし』という言葉だけに安心するのではなく、実態や自身の性質をよく理解したうえで、自分にとって最適な勤務環境を選んでください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)