個人営業のポイントと活躍できる人
営業職には、営業先によって「法人営業」と「個人営業」とに大別できます。生保や金融・証券、住宅、自動車、百貨店の外商など、個人向け高額商品をあつかう営業職は後者の「個人営業」とされ、リテール営業とも呼ばれます。営業職としてキャリアを考える際には、このいずれを選ぶかが大きなポイントとなるでしょう。
ここでは個人営業にスポットを当て、どのような方が活躍できる仕事なのかを解説していきます。転職を考える際、ぜひ参考にしてみてください。
個人営業の特徴
例えば生命保険のような個人向けサービス、あるいは住宅・自動車・教材など個人の使用するモノを売るのが、個人営業という仕事です。個人営業と聞くと、飛び込みなどをイメージする方は多いことでしょう。確かに飛び込みは現在でも行われており、それ故に、営業職の中でも人気と言える仕事ではありません。
しかし実際のところ、法人営業で活躍できなかった方が、個人営業で目覚ましい成果をあげるということもあるのです。向き不向きは、その人の取り組み方や性格などによって大きく左右されます。
個人営業の多くは、顧客と1対1での商談です。相手が決済権を持つケースが多く、企業のように何度も提案を重ねて成約に至るということは少ないでしょう。そのため、営業活動は法人営業と比べるとスピーディーです。一方、個人営業で扱う商品は、法人営業より低単価なものが多くなります。住宅など数千万円単位にものもありますが、売上を得るには数をこなさなければならない場合がほとんどです。そのため、1日に何軒も営業に回ることもあるでしょう。
また、個人営業は“売って終わり”ではなく、その後も継続的なフォローを伴う場合が少なくありません。“人と人”という関係から信頼性が非常に大切であり、長く良好な人間関係を構築することは、広く個人営業で重視されるポイントです。
個人営業に向いた特性
では、いったいどのような方に個人営業が向いているのか。まず挙げられるのは「人と接することが好き」という点でしょう。無論、法人営業でも、商談相手は担当者という人が、最終的な決済相手は顧客企業です。そのため、いくら担当者から信頼を得ても、その先で商談が頓挫してしまうことは少なくありません。
しかし個人営業は、ダイレクトに決済権を持つ個人との商談になります。お互いに腹を割って話し合い、打ち解け、信頼関係を築くこと……。それは1人2人ではなく、営業活動を重ねるたびに人との繋がりが増えていくはずです。そのため、人と接することに喜びを得られる方にとっては、大きなやりがいを感じられます。
また、自身の個性を武器にした営業スタイルを持っている方は、個人営業に向いているかもしれません。対法人では場合により、営業する側もまた上司を含めた組織単位で対峙することとなるでしょう。しかし個人営業では、基本的に1対1の関係で営業活動が進められます。まさに自分自身の力が問われる仕事であり、そこには独自の個性や営業手法などが存分に活かされるはずです。「自らの力で営業した」という達成感は、法人営業より強く感じられることでしょう。
法人営業と個人営業。同じ営業という仕事ですが、向き不向きは人によって異なります。それぞれの特徴を踏まえ、自分がどちらでより活躍できるのかを考えてみてください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)