これからの営業職に求められる「働き方改革」
国を挙げた取り組みが続く「働き方改革」。まだ模索状態ではあるものの、今後、企業に属する営業職においても、その影響が及んでくることは間違いないでしょう。その変化に対して柔軟に対応できなければ、営業職としてのキャリアが停滞してしまうかもしれません。
特に営業職においては、業務の効率化、あるいは人材不足に対する対応という側面で「働き方改革」が問われそうです。ここでは、今後の営業職に求められるであろう働き方・考え方について考察していきます。
外部委託の活用による仕事内容の変化
IT企業やベンチャー企業などで、フリーランスなど個人の力を活用する企業が増えています。営業職においても、より効率的に、かつ利益に直結する業務に専念できるよう、一部業務が委託されるかもしれません。
例えば営業状況や売上等の情報管理、スケジュールの調整といった事務的な業務を切り分ければ、営業提案やフォローアップなど、現場業務に割ける時間が増えるはずです。場合によっては直行直帰がメインとなるなど、1日の働き方が大きく変化するでしょう。
あるいは、営業活動そのものに外部委託が生まれるかもしれません。個人が複数企業から営業業務の委託を受け、その企業の名刺を持って活動を行う……。そうなれば、“企業に属さず働く”というフリーランススタイルが、営業職にとっても1つの選択肢となります。
ITツール活用の加速化
業務効率を高めるうえで、やはり注目されるのがITツールです。インターネット接続されたパソコン、あるいはスマートフォンがあれば、メールやスケジュール管理など多くのことが時間や場所を選ばず行えます。また、名刺情報をクラウドで管理したり、会議・打ち合わせをオンラインで実施したりと、営業活動をサポートするサービスは次々に増えている状況です。そのため、営業職にもこれまで以上に、ITリテラシーが求められます。
ITをフル活用し、自らの仕事を自分たちの工夫によって効率化することは、結果的に、短時間でこれまでと同様、あるいはそれ以上の成果を挙げることに繋がります。そして場所を選ばず多くの業務に対応できるようになれば、在宅勤務をはじめ、ワークスタイルそのものが変革していくことでしょう。
自分で自分を管理する
外部委託やITツールの活用で、営業職には自由度が増すでしょう。直行直帰や在宅勤務に代表されるように、場所や時間を選ばず働ける環境が実現します。そうすれば、当然ながらプライベートな時間も取りやすくなるはずです。しかし営業職として大切なことは、働き方に関わらず営業成績をあげること。キャリアを構築するうえで、これが必須であることは代わりません。
自由度の高い働き方では、どうしても自分の弱さが出てきます。例えば「とりあえず売上が出ているから手を抜いても安心」「気分が乗らないから午後から働こう」など、妥協が生まれやすくなるでしょう。そうなれば、やはり営業成績は落ちてしまいます。
もちろん上司は存在し、定期的な報告などは行われるでしょう。それでも“常に社内でコミュニケーションを取っている”状況と比べると、管理が届きにくくなることは避けられません。そうなれば、自らが自らを管理する必要があります。自分自身を律して仕事に取り組めなければ、たとえ輝かしい成績を挙げていた営業パーソンでも、あっという間に崩れてしまう可能性があるのです。
働き方改革は、まだまだ発展途上の段階です。そのため、これからどのように営業職を取り巻く環境が変化するかは、誰にも分かりません。だからこそ情報を常にキャッチし、変化に対して敏感であること。柔軟性を持って、キャリアを構築するうえで「何をすべきか」を考え実践することが大切です。働き方改革がかえって首を絞める結果にならないよう、取り組んでいってください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)