ITエンジニアでリーダーになれる人・なれない人、3つの違い
ITの開発現場において、チームリーダーは重要な役割を担います。スケジュールやチームメンバーの管理など、その人の手腕が問われるシーンも少なくありません。では、リーダーとして信頼されるためにはどのような行動が望ましいのでしょうか? 開発のリーダーになれる人となれない人の違いを、シーン別に考えてみましょう。
1)初心者エンジニアをサポートするとき
・リーダーになれる人
ITエンジニアでリーダーになれる人は、自分の経験や過去の事例などから初心者が陥りやすいミスを想像することができます。そのため、初心者にも解かりやすい言葉で仕様の詳細を伝えたり、プログラムのミスを指摘したりすることができます。また「そもそも初心者はミスをするもの」という前提で動いているため、積極的にフォローや質問やすい雰囲気作りなどを行います。
・リーダーになれない人
初心者に対しても、ただ指示を伝えるだけで、その後はほったらかしにすることがよくあります。また初心者がミスを起こすことを前提に動いていないため、失敗が起きてからあわててそのフォローをしたり、原因追究に奔走したりすることになります。
2)開発スケジュールが切羽詰まってきたとき
・リーダーになれる人
まず、遅延の原因や計画していたスケジュールに問題が無かったかを調査します。そのうえで、必要に応じて開発期間の延長や、開発メンバーの増員、タスクの見直しなどの問題解決策を早い段階で講じます。また、事前にスケジュールの遅れを見越して、開発期間に十分なバッファ(予備の期間)を設けています。
・リーダーになれない人
体力勝負や気合が足りないなどの精神論をまず唱え、残業や休日出勤で対応しようとします。それで乗り切れることもあるのですが、結果として開発メンバーの体力・気力が奪われてしまい、信頼度の低下や離職の原因となります。またスケジュール遅延の原因解明を後回しにするため、何度も同じようなスケジュール遅延に遭遇する傾向があります。
3)部下との情報共有をするとき
・リーダーになれる人
些細な情報でも積極的に情報共有し、必要に応じて別途指示を出します。特に注意が必要だと感じた情報に関しては、ミーティングなどでどのような影響が出るか確認し、チームメンバー全員が同じレベルで情報を持っているように保ちます。
・リーダーになれない人
「チーム内で情報共有が必要だ」という認識がなく、情報を自分一人で抱え込んでしまいます。その結果、防げたはずのミスは防げず、問題が起きた後になって情報共有されることがしばしばあります。メンバーの作業が二度手間になることも多く、効率的な開発体制とは言えない状況を招いてしまいます。
リーダーに求められるミッションは、職場によっても違いがあります。また、優れた技術でチームを引っ張っていく人もいれば、人柄の良さでチームをまとめることが得意な人もいるでしょう。しかし、「メンバーの能力をよく理解し、チーム全体がベストな状況で開発できるようにすること」が求められるのは、どんなタイプのリーダーにも共通しています。
転職してプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーを目指す場合には、求められている役割をしっかりと理解し、自分にチームを取りまとめることができるかどうかをしっかり見極めましょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)