『技術力+アルファ』でキャリアアップする5パターン
35歳以上の年齢と経験を重ねたITエンジニアは、「若いエンジニアにはかなわない」と思ってしまいがちです。しかし、必ずしもそうではありません。一口に「ITエンジニア」と言っても、求められる能力はさまざまです。技術力はもとより、経験を積んだからこそ得られる『+アルファ』のスキルや知識を、上手く活用していきたいものです。
具体的にどのような『+アルファ』が存在するのか。以下に一例を挙げますので、キャリアアップの参考にしてください。
- 技術力+コミュニケーション能力
- 技術力+専門知識
- 技術力+外国語スキル
- 技術力+営業力
- 技術力+経営知識
1. 技術力+コミュニケーション能力
ITエンジニアは「技術に特化していれば良い」という考え方が強い人が多く、コミュニケーションや他者の協力は最低限あればいいと考える人もいます。そうした中で部下と良好な関係を築いてきたITエンジニアや、複数の意見をうまく取りまとめられるITエンジニアは、リーダーやマネージャーとして大きく評価されます。人の能力や性格、的確なプレゼン能力などを身につけることで、部下育成のポジションなど指導者の立場でも活躍できるでしょう。
2. 技術力+専門知識
一広くPGやSEに求められる技術力に加えて、セキュリティやビッグデータ、人工知能に関する知識が求めるプロジェクトは決して少なくありません。こうした専門知識は長年の蓄積がものを言うため、身につけていれば40代以降のITエンジニアにとって大きな武器になります。また、「専門知識特化型」のITエンジニアはその数の少なさから代替が効かないことが多く、企業にとっては手放したくない存在でもあります。
3. 技術力+外国語スキル
オフショア開発などで海外のエンジニアとコミュンケーションを図る機会も増えており、ますますブリッジエンジニアの活躍が期待されます。外国語スキルと一言で言うのは簡単ですが、単純に文字でのコミュニケーションや会話ができれば良いというものではありません。異文化に関する、深い知識や理解が重要になってくるでしょう。国民性や宗教の違い慣習などは特に注意する必要があり、理解することでお互いにスムーズに交流することができるようになります。
4. 技術力+営業力
技術者としての知識と経験を活かし、サービスエンジニアとして営業ポジションを担うという方向性もあります。ITエンジニアとしての経験があると言葉に説得力が生まれ、顧客が抱える技術的な質問にも的確に答え、最適なソリューションを提供できるようになるでしょう。また、営業職と現場の開発職との橋渡し役としても活躍できます。ITエンジニアとしての知見を生かして実際に利益を生み出したい人、サービス精神の旺盛な人などが向いているでしょう。
5. 技術力+経営知識
自分の持つ技術力と経営知識を活かすことができれば、ITコンサルタントとして活躍可能です。企業によっては技術経験がなくてもコンサルタントになれますが、エンジニアとしての業務経験があるとより現実的な提案が可能。お客様や企業によっても求められるものは違ってきますが、理想の追求と同時に実現可能なことかどうかを見極めることができるのも重要な要素の一つです。
単なるITエンジニアは転職市場に大勢いますが、英語の話せるITエンジニアや営業力のあるITエンジニアなどはそう多くありません。『+アルファ』を身につけることで、自分のレアリティー(希少性)を高めることができるはずです。
なお所属している企業によっては、対応する業務が無く自分が望むキャリアを実現することが難しい場合があります。そのため、自分の理想のキャリアアップを望む際には、転職することも候補として考えると理想のキャリアに近づくことができるでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)