ITエンジニアから見た「今の会社、辞める?辞めない?」
キャリアアップを目指す上では、所属している企業にキャリアアップの環境が整っているか、あるいはITエンジニアにとって働きやすい環境かどうかを考える必要があります。その結果によっては、転職を考える必要もあるでしょう。では、どんなときに辞めて、どんなときは辞めるべきではないのか? いくつかのケースをご紹介します。
辞めたほうがいいケース
- 先輩社員でさえ下請けや下流工程を担当している
- 毎月・毎年同じことの繰り返しである
- 会社が目指すものが共有されず、対応が場当たり的
1. 先輩社員でさえ下請けや下流工程を担当している
スキルの豊富な社員であっても、本人の要望が叶わず下請けや下流工程を続けなければならないことがあります。仕事の受注は、企業の営業戦略や経営方針に大きく依存することが大きいので、今までと違う幅広い経験を得たい場合には、企業の方針・経営計画などを考慮し、様々な仕事を担当できる企業を選ぶことが重要です。
2. 毎月・毎年同じことの繰り返しである
一つの会社に長く勤めていると、会社から求められることも増えてきます。組織が変化するには、個人が変わるよりも長い時間を要します。組織が変わらないということは、良く言えば安定とも考えられるかもしれませんが、変化できない、変化に弱いということにも繋がります。スキルも身につかないことが考えられるでしょう。
3. 会社が目指すものが共有されず、対応が場当たり的
営業部や技術部など、同じ社内でも部署によって情報が共有されないことがあります。特に売上などの数値を把握しているのは、営業部だけといった企業が多いのも実情です。しかしITエンジニアとしては、自分自身がどれほど会社に貢献しているのか、貢献度を上げるためにどうしたら良いのか考える材料にもなる情報です。目標とそこまでの道筋や数値などを共有されていないことは、ITエンジニアとしてのキャリアを阻害する要因と考えましょう。
辞めないほうがいいケース
- トレンドに乗った自社サービスを展開している
- 担当するプロジェクトが計画的または自分の志向に合っている
- 長時間勤務を軽減し、勉強会の活用に意欲的
1. トレンドに乗った自社サービスを展開している
自社サービスが登り調子、またはこれから盛り上がることが予想される時は、多少忙しくてもキャリアアップに役立つ経験が得られるチャンスと捉えられます。もちろん今後もトレンドが続くかどうか、いつまで調子が良いかは事前にはハッキリと分かりません。常に社内や業界の状況にアンテナを張って、タイミングを見極めることが大切です。
2. 担当するプロジェクトが計画的または自分の志向に合っている
企業によって、社員の成長を後押しするため計画的に仕事を割り当てることがあります。必ずしも担当プロジェクトがあなたの希望通りになるわけではありませんが、様々な経験ができる環境であれば、辞めないほうがいいことがあります。ただし、そうしても毎回必ずステップアップしたいという場合には、転職することも一つの選択肢です。
3.長時間勤務を軽減し、勉強会の活用に意欲的
勤務時間・残業時間が上手くコントロールされている企業であれば、空いた時間を使ってスキルアップに励むことができます。また、社内で講習会を開催している企業や、社員の自主勉強会を奨励している企業も、ITエンジニアにとって自身のスキルアップにつながる企業と考えられます。
ITエンジニアは、単なる歯車として見られていると感じることが多いかもしれません。しかしそれに甘んじるのではなく、働きやすさやキャリアアップを望むことが大切です。辞めるかどうかの最終判断はあなた自身で決めることですが、これらの視点をもとに転職するか、在職するかを決めるのも一つの手段といえるでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)