未経験者が考えがちなITエンジニアに対する6つの誤解
自分の次のキャリアステップを考える際、ITエンジニアへの転職を考える人もいることでしょう。しかし未経験の人にとって、IT業界はなかなかその内情が見えにくい世界でもあります。さまざまな噂から転職に躊躇したり、逆に単なるあこがれから転職して後悔したりすることもあるようです。
そこで今回は、ITエンジニアに対してよく抱かれがちな誤解について考えていきます。具体的に、6つ誤解について取り上げてみます。
- プログラマは35歳が限界?
- ITエンジニアはブラックな職業?
- 理系出身じゃないと活躍できない?
- ITエンジニアに協調性は必要ない?
- 社内SEは楽?
- スキルがあれば収入は上がる?
1. プログラマは35歳が限界?
俗に「プログラマ35歳限界説」と言われるものです。しかし、人の能力には個人によって差があります。そのため35歳になったからといって、プログラマを続けることができないというわけではありません。
しかし、35歳頃になると次のキャリアへのステップアップを考えたり、これまでの経験からプログラマへの適正、あるいは今後も続けたいのかという思いを冷静に判断したりする時期が重なってきます。この際、過去のやり方に固執するあまり柔軟性や協調性に欠けてしまったりすると、開発現場に必要な人材とは認められないこともあるでしょう。35歳をひとつの区切りとして考えることが重要です。
2. ITエンジニアはブラックな職業?
一部の企業により「ブラックな職業」というイメージが強いIT業界。しかし、これはIT業界全てに当てはまることではなく、社員の働きやすさと収益を両立させている企業もあります。
例えば技術について理解度の高い営業が契約内容の調整を行うなど、案件受注におけるルールがしっかり決まっている企業であれば、エンジニアも安心できるでしょう。もちろんブラックな出来事があれば、エンジニアとして毅然と対処することも必要です。
3. 理系出身じゃないと活躍できない?
ITエンジニアと言っても様々な仕事を担当します。プログラミングなども行いますが、PMであれば部下のマネジメントも必要ですし、仕様を決めるために顧客と折衝することもあります。プログラミング経験があれば業務上役に立つシーンも出てきますが、最初から全てを完璧にこなせる人はいません。そのため必ずしも理系出身者に有利ということはありません。
コミュニケーション能力が優れている、資料に納得感がある、技術力が飛び抜けているなど、何か一つでも秀でた部分があれば、十分に活躍できる可能性があります。そのためには、自分がどのように活躍できるかをイメージすることが大切です
4. ITエンジニアに協調性は必要ない?
パソコンに向かって仕事することの多いITエンジニアでは、周囲のとの協調性が必要ないと判断する人もいます。しかし、大規模なシステム開発になると数十人~百人以上のエンジニアが協力して開発することもありますし、小規模な開発でも顧客や上司とのやり取りが発生します。「人と話すのが苦手だからITエンジニアになろう」という動機では、転職後に大きな失敗を招く可能性がありますので、最低限のコミュニケーション能力は必要だと心得ましょう。
5. 社内SEは楽?
プロジェクト毎に客先に常駐するのではなく、社内システムなどを担当する社内SEは楽だと考えられていることがあります。しかし社内SEは同僚のPCトラブルのサポートや雑務などを担当させられることも多く、決して楽な仕事ではありません。
また、開発に携わらなければITエンジニアとして積める経験が少ないのも実情です。そのことが、収入アップや今後のキャリアに影響することもあるでしょう。比較的地味で繰り返し作業が多くなるため、長く続けられるかどうかは社内のITシステム開発に積極的に携わることが求められるのです。
6. スキルがあれば収入は上がる?
業務経験や資格取得は、スキルがあると判断される重要な要素です。しかし、どちらも必ず収入に繋がるとは限らず、転職する場合にはむしろ収入が下がる可能性もあります。一つのプロジェクトで必要になるスキルは、それほど多くありません。そのため、様々なスキルを幅広く持つよりも、特化したスキルを持つことで収入に繋がっていくでしょう。
ITエンジニアに対する誤解の多くは、自分の想像や噂を真に受けてしまっているために起こります。誤解したままでは正しい判断ができず、選択肢が狭められてしまうでしょう。そのため、IT業界への転職を検討する場合には、先入観を持たず冷静に判断していくことが大切です。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)