文系出身者がITエンジニアとして活躍するには?
ITエンジニアと聞くと、理系出身者というイメージが強いもの。しかし実際には、文系出身者も多く活躍をしています。これは、ITエンジニアに求められることが専攻に限らず「お客様の要望をいかに実現するか」であり、そのためのアプローチや考え方がより重要になってくるためです。以下のようなポイントに気を付ければ、文系出身ならではの強みを活かせるでしょう。
技術面は後からでも追いつける!
仮に文系出身の新卒者がプログラマやSEを目指す場合、確かに専門知識や技術力に関しては理系出身者にかなわないかもしれません。しかし、そもそも専門家ではないので「できなくて当たり前」。文系出身の新人プログラマにいきなり仕事を丸投げするような会社はめったにありませんし、しっかりした研修期間を設けている会社がほとんど。技術力に関しては、社会人になってからでも追いつくことは可能ですから、入社2~3年目までは修業期間と思って技術習得に取り組むほうがいいでしょう。
「文系ならでは」の強み
文系出身者がIT分野で活躍する場合、技術面よりも、コミュニケーション能力やマネジメント力、文系ならではの専門性など強みとするほうが有利です。以下のように“自分の土俵”で能力を発揮できるようにしましょう。
- 分かりやすく客観的なおドキュメントを作成する
- 行動特性を理解しサービスを設計する
- 経営知識を活かした提案やコンサルタントを行う
- 法律に関する知識を活かしたサービスの提供
1. 分かりやすく客観的な文章を作成する
ITエンジニアは仕様書や顧客へのプレゼン資料、日々のメールなど業務上、頻繁にドキュメントを作成する必要が生じます。そのため文章の作成に慣れており、分かりやすい内容でまとまったテキストを書くことが得意な人は強みとすることができるでしょう。業務改善や提案など、資料・文書の作成が多い現場でも貴重なスキルとなります。
2.行動特性を理解しサービスを設計する
Webサイトや個人向けサービスなど顧客との接点があるITサービスを作る場合、サービス提供において人の行動に関する知識が強みとなります。日々蓄積される情報などから、行動の予測・解析を行い、提供サービスとどのように繋げるかを検討していくことのできる能力です。この点においては、人文科学や社会学などの“人”を研究することの多い文系出身者が有利と言えるでしょう。
3.経営知識を活かした提案やコンサルタントを行う
ITエンジニアといえど、求められる業務は様々です。企業によっては、サービスを検討する段階からコンサルタントとして参画することもあります。サービスを練る段階で参画する場合は、自社サービスに詳しいだけで十分とは言えません、顧客の利益追求なども考慮する必要があるため、経営知識や組織運営のノウハウがあると自信や説得力に繋がることでしょう。
4.法律に関する知識を活かしたサービスの提供
企業がサービスを行う上では、著作権をはじめとした法律に関係する知識も無視できません。そのため、提供するサービスの合法性を確認・担保するための運用手順を作成する必要があるでしょう。特に大企業など基盤のしっかりした組織では、法律に関わる識者が求められる場合が少なくありません。
文系出身者のどのような能力・特性が求められるのかは、企業によって異なります。しかしIT業界=理系オンリーではないことは確かです。自分自身にどのような専門性があり、それが企業においてどのように役立てられるのか。キャリア形成のうえで、確認してみると良いでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)