ITエンジニアが部下を持つときに「やってはいけない」2つのこと
社内でITエンジニアとして仕事に関わっていると、毎年のように後輩エンジニアが入社してきます。あなたのスキルや状況によっては、PLやPMを任されることもあるでしょう。しかし技術志向のITエンジニアの場合、部下や後輩との正しい接し方を教わる機会は少ないのが実情です。そのため実際に後輩と接するようになった段階で、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし部下・後輩を持つといっても難しいことはありません。ITエンジニアとして部下・後輩を持つ際には、次の2点に気を付ければよいのです。
(1) 自信の無い態度を見せてはいけない
初めてPLやPMになる場合、経験の浅さからマネジメント業務に不安が生まるでしょう。プロジェクトと自分の知識・技術のアンマッチによって、つい自信の無い態度を取ってしまう人も少なくありません。
確かに初めてのマネジメントに不安な気持ちはつきものです。しかし上に立つ人間が不安を表に出してしまうと、他のメンバーにも不安が伝わってしまいます。お互いに信頼することもできなくなり、ヤル気もそがれてしまうでしょう。コミュニケーション不足や進捗の遅れ、場合によっては、プロジェクト破綻の可能性もあります。したがって少なくとも部下・後輩の前では、不安な態度を見せるのはNGです。
だからと言って「わからないことをごまかす」と言うことではありません。プロジェクト運営に関しては経験者へ確認したり、運営手法を勉強したりといった試行錯誤が必要になってきます。また、スキルに関する不安は、有識者へ確認する必要があるでしょう。技術に関する知識が豊富であれば、プロジェクト運営もスムーズになることは間違いありません。
重要なことは、自分のスキルで作り上げるのではなく、部下がスキルを活用できるか否かです。特にマネジメントではゴールを明確化し、どのように達成するかが重要になります。自信の無い態度はこのゴールを見えづらくしてしまい、部下もまた信頼して仕事に取り組むことが難しくなります。
(2) 部下のせいにしてはいけない
部下を持った時、次のような思いを抱いたことはないでしょうか。
「部下が指示通りに動いてくれない」
「お願いを聞いてくれない」
もしこのように考えている場合、注意が必要です。確かに、誰が何を言ってもどうにもならない人も一部にはいるかもしれません。しかし多くの場合、部下・後輩が指示通りに動いてくれないことの背景には理由があります。
仕事に対する考えは個人によって異なります。「業務時間内で終わらせるべきであり、残業をしてまで行う事ではない」という人も、「時間内に終わらなければ残業すればいい」という人もいるでしょう。そして同様に、人の持つ知識・経験もそれぞれ違うため、ゴールが部下にしっかり理解されていない可能性もあります。お互いの考えを理解し合えていないと、部下は自分の考えに従って動き、自分の意図とは違う方向に進む可能性があるのです。
もちろん、ときには部下のおかげで、プロジェクトがなんとか成り立っているというケースもあるでしょう。そのため、自分の運営手法や得られた効果、部下の動向を常にチェックしておくことが重要です。それによって、部下との間に意思疎通や仕事観などのズレが生じることを防ぐことができます。
部下・後輩のマネジメントは、いざ必要にならなければ当事者意識が芽生えないもの。プログラマとPMでは、求められる役割が大きく異なります。自分の役割を理解した上で、勉強などによるスキルアップに努めたり、状況によっては思い切って環境を変えたりすることも必要なってくるでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)