転職で役立つ! ITエンジニアに必要な「営業力」
ITエンジニアとしてのキャリアが長い人、あるいは転職で仕事の内容が変わった人などには、当てられた仕事をただこなすだけでなく、そこに付加価値を加えることが求められてきます。その1つとしてよく挙げられるのが「営業力」。一見するとエンジニアとは関わりの薄そうに思える「営業力」ですが、いったいどんなスキルなのでしょうか。具体的に、下記3点に注目して考えてみましょう。
- 市場ニーズの発見能力
- ニーズを満たす提案力
- 業務知識などの情報発信力
1. 市場ニーズの発見能力
ひと言でいうと「今、市場から求められているものは何か? これから何が売れるのか?」を見出す能力です。新規サービスを作る場合、あるいは顧客への深耕営業を図る際にしばしば必要とされます。
今までになかったような“目新しさ”が求められるため、客観的視点からの分析や要望の掘り起こし、豊富なアイデア出しなどの要素が必要になってくるでしょう。この能力を鍛えるためには、顧客視点、利用者視点に立つことが重要です。
2. ニーズを満たす提案力
顧客のニーズの中には、コストや期間、あるいはパッケージなど製品の特性をはじめ、様々な要素が含まれます。もちろん全てのニーズを満たせることが理想ですが、実現したい機能によって費用や期間なども異なります。こうした複合的な要素を勘案して、最適な商品・サービス、ソリューションを提案することが、ITエンジニアの営業力として求められます。
顧客のニーズを想定し、常に複数の提案を用意しておくことで、この能力を高めることができます。また提案する際には、「これは無理だろう」と自分で判断するのではなく、顧客に選択していただくことが大切です。
3. 業務知識などの情報発信力
顧客の要望や新技術の情報、ひらめいたアイデアなどは、社内の関係者と情報共有しましょう。自分の情報を発信・共有することで、社内に新たな営業チャンスが生まれる可能性もありますし、逆に周囲からアドバイスをもらえたりもするでしょう。また、業務やプロジェクトを円滑に進めるためにも、情報共有は欠かせません。
情報共有することは、自分のポジションによっては、毎日の業務に忙殺されて忘れられやすい部分でもあります。定期的にミーティングを行う、自分の業務負荷をコントロールするなど、意識して周囲とかかわっていく必要があります。
市場ニーズの発見能力などは、仕事に携わる中で発揮できる機会が少ないかもしれません。そのため、アプリ開発や技術ブログ運営などのプライベートプロジェクトで、経験や修正を重ねておくことがトレーニングとなるでしょう。
また、これらの要素はどれか1つ持っていれば良いというものではありません。3つが有機的に連携して初めて営業力として活かすことができるものです。営業力のあるITエンジニアになることができれば、転職においても自信に繋がり、面接などでの説明にも納得感が生まれる土台となるはずです。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)