ITエンジニアの転職失敗例
転職を経験したことがないと、一体何が失敗に繋がるのか想像が及ばないことがあるでしょう。しかし転職は人生の中でも大きな出来事であり、また、短期間に転職を重ねることはあまり好ましくありません。転職の失敗談をもとに、どのようにすれば回避できるのかを考えてみましょう。
失敗談1 社風や待遇に心が動かされたが、職務内容に納得できなかった。
【アドバイス】
社風や待遇に限りませんが、「自分がなぜ転職をするのか」の理由が明確になっていない場合に陥りやすい失敗です。確かに社風や待遇も、働く上では重要な要素です。そのため全く無視することはできませんが、「技術力を活かしたい」「新しい技術を利用したい」「マネージャへステップアップしたい」など転職理由が明確になっていれば、不満に感じることもあるでしょう。
自分の中で一番優先すべき理由、あるいは妥協できる部分を明確にしましょう。もし過去の転職で妥協した部分があれば、書き出しておくことで整理できます。優先度の高い部分を少しでも妥協してしまうと、そこから不満が生まれ、転職が失敗してしまう可能性が高くなります。
失敗談2 ヘッドハンティングをされて舞い上がり、冷静に判断できなかった。
【アドバイス】
他人から高く評価をされることは、とても嬉しいことです。しかしヘッドハンティングや知人からの誘いなどを受ける場合は、特に注意深く判断する必要があるでしょう。もちろん技術や人物像を認められることもありますが、必ずしもそうではありません。
募集する背景によっては、ニーズが一致せず転職が失敗する可能性も高くなります。たとえ好条件を提示されたとしても、まず客観的な分析が大切です。転職後の将来を踏まえ、冷静に判断しましょう。
失敗談3 事前に説明された業務内容・待遇と実態とのズレが大きかった。
【アドバイス】
転職先を探す方法は、インターネットサイトや人材エージェント、あるいは求人誌など様々です。しかし中には人員を確保しようと躍起になり、就業環境や待遇などについて大切な情報を出してない企業もあります。そうした場合、自身が抱いていた転職後のイメージと乖離が生まれ、不満を感じることになるでしょう。そのため、雇用条件などは入社前に正式な書面で提示してもらうと安心です。
失敗談4 金銭的に余裕がない状態で転職活動を行ったので、焦って転職先を決めてしまった。
【アドバイス】
転職先を決めるのに心理的な要素は見逃せません。これまでの失敗談でも、「冷静に判断できなかった」という点は共通する心理的な要素の一つです。特に金銭的な余裕がない場合、心理的な圧力も相当でしょう。これは、転職条件などに妥協しやすい心理状態と言えます。
転職先を決める前に退職してしまうと、こういった状況に陥りやすくなります。また、転職活動は場合により長期戦となることもありますので、それを見越した計画が必要です。
転職は、自分自身のための活動です。ITエンジニアは企業によって体制や任される業務範囲なども大きく異なるので、特に入社後のイメージギャップには注意しましょう。また、心理的に余裕を持って転職活動に取り組むことも、失敗を回避する大切な要素となります。
(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)